
Fender Flagship Tokyo Special Event with Moeka Shiotsuka
今や日本を代表するバンド、羊文学のフロントマン塩塚モエカが、去る1月22日に〈Fender Flagship Tokyo Special Event with Moeka Shiotsuka〉に出演。超満員となった本イベントの模様をレポートする。
小悪魔女子みたいなセクシーな力強さ。Moeka Shiotsuka Jaguar moniにはそういうところがあるんです
この日は、2025年10月に発売された塩塚モエカ初のシグネイチャーモデル「Moeka Shiotsuka Jaguar moni」を記念したイベント。羊文学ファン、ギターファンでFender Flagship Tokyoの会場は超満員となった。
MCのコールで塩塚モエカが登場すると、歓声とともに大きな拍手が湧き上がる。MCが新年の挨拶をすると「占いだと今年、登り調子らしいんです!」と早速場を和ませる。初のシグネイチャーモデル「Moeka Shiotsuka Jaguar moni」についてMCが質問する。まずは発売の経緯。


「フェンダーさんからお誘いいただいて、えっ?いいんですか?っていうところから始まりました。私、自分のことをギタリストとは思っていなくて。でも、素晴らしいギターが完成しました。私が最初にJaguarを買った時は、そんなに種類が売っていなくて。これをきっかけにJaguarに興味を持ってくれる人がちょっとでも増えてほしいし、みんなに使ってほしいですね」と嬉しそうに語ってくれた。

この日、ステージには2本のJaguarが並んでいた。1本は今回発売した「Moeka Shiotsuka Jaguar moni」。もう1本が、今回の元ネタになった塩塚が愛用してきたAmerican Vintage ’65 Jaguarだ。この日、塩塚はこの2本を弾き比べながらシグネイチャーモデルの特徴を語ってくれた。まずは、愛用してきたAmerican Vintage ’65 Jaguarをクリーンと歪みで弾き分ける。
「ここから何かを変えるっていうよりは、まずはこれに近い物を作ろうというところがベースにありました。羊文学の曲を弾く時に、手に取りやすいようにっていうのが一番にあったんですけど、その上で少しリクエストはしています。3人組のバンドの中でギターが1本なわけで、このギターはすごくいい音なんですけど、歪ませたりするとちょっとパワーが弱い時があるから、それを変えられたらいいなとお伝えしました」


今度はシグネイチャーモデルの「Moeka Shiotsuka Jaguar moni」を弾く。たしかにパワーアップしているのがわかり、オーディエンスも頷いている。さらに歪みのエフェクターをかけ、こう語ってくれた。
「このベーシックな歪みを、私は常にかけているんです。その上にさらに歪みを足して、リバーブも重ねる音作りがすごく好きで。このベーシックな歪みでも広がりのあるいい音なんですけど、そういう時でも、ちょっと“いかつさ”みたいなのがほしいと思っていて。そのいかつさが、このシグネイチャーモデルでは出せるんです」

確かに、シグネイチャーモデルのほうが音にエッジが立っているのがわかる。
「羊文学のこれからやっていきたい音楽性の中に、いろいろある中で小悪魔女子みたいな要素があって。ちょっと恥ずかしいんですけど、セクシーな力強さみたいなのが欲しくて、このギターにはそういうところがあるんです。もちろん男性にも弾いてもらいたいですが、そういう音楽を作る時にすごくいいかなと思って、ライヴでも持ち換えたりしますね」
さらにオーバードライブをかけて音を出しながら、「ちゃんと音の芯が残るしリバーブにも負けない。今はオーバードライブしかかけていないけど、ファズをかけてもちゃんと芯が残ります」と、シグネイチャーモデルの出来に大いに満足な表情で語ってくれた。その音の秘密が、シグネイチャーモデル用に作られたピックアップ。それ以外にも、「Moeka Shiotsuka Jaguar moni」には塩塚のこだわりが詰まっている。
「ギターテックさんが、私の愛用しているAmerican Vintage ’65 Jaguarのフレットを打ち直してくれて。その時に、出したい響きが出やすいようにミディアムジャンボフレットに替えてくれたので、それと同じにしました。だから、私が使っているAmerican Vintage ’65 Jaguarとシグネイチャーモデルだけのフレットです」
ペグに施された蝶々の刻印、プリセットスイッチにもこだわりが。
「弾き方のせいで4弦をよく切ってしまうんです。なので、4弦のペグに蝶々のマークを入れて、弦が切れないといいなっていうお守りにしました。あと、歌いながら弾いている時にプリセットスイッチに手が当たって、たまに音が切れたり音が変わったりするので、硬めのシールでプリセットスイッチを固定していて。シグネイチャーモデルには“MONI”というシール(付属)を貼っています」
Aged Sonic Blueカラーにも彼女ならではの想いが詰まっている。
「私、ステージ用のギターはAmerican Vintage ’65 Jaguarの1本しか持っていなくて、今回のシグネイチャーモデルが人生で2本目のステージ用のエレキギターなんです。American Vintage ’65 Jaguarを買ったのは20歳くらいの時なので、10年近く弾き倒して。私のカラーにも近く、何パターンか色を出してもらって“これがかわいいんじゃないか”って決めたのでお気に入りの色です。メタリックな赤にも憧れますけど、楽器屋さんに初めて行った時に自分だけの色が欲しくて。その時の気持ちを思い出しながら決めました」


さらに、シグネイチャーモデルの発売に合わせて発売されたシグネイチャーストラップ(Fender x Moeka Shiotsuka Signature Strap)とオリジナルアートワークによるシグネイチャーピック(Fender x Moeka Shiotsuka Signature Picks)の話も聞かせてくれたあと、会場に集まったオーディエンスとのQ&Aタイムへ。

2人目に質問してくれた女子高生は羊文学を聴いてバンドを始めたそうで、「羊文学さんを知って軽音楽部に入りました。音楽に対する愛のすべてのスタートが羊文学さんなので、お話ができて嬉しいです!」と質問の最後に塩塚にメッセージを送ると、塩塚は「嬉しい。ギターしてるんですか?」と質問。女子高生が「ギター&ヴォーカルです」と答えると「わぁ、頑張ってください。とても嬉しいです。ありがとう。温かい気持ちになって、頑張ろうと思いました」と最高に温かい笑顔を見せた。
そして、イベントの締めにこれからギターを始める人へメッセージを送ってくれた。
「さっき思い出したんですけど、Jaguarを弾く前はストラトを弾いていて、American Vintage ’65 Jaguarに変えた時にすごく弾きやすくて、それからいろいろと弾けるようになったんです。だから、Moeka Shiotsuka Jaguar moniがすごく手に合う人はそれでいいと思うんですけど、せっかくここFender Flagship Tokyoにはいっぱいギターがあるので、いろんなギターを触ったり持ったりしてみて、自分の手の形に合うのはどんな形かなとか、自分の好きな音ってどんな音かなって試してみて、自分が育てていこうという1本を見つけるとすごく上達するんじゃないかなと思います」
そんな素敵なメッセージとともに塩塚はステージから去ろうとしたが、オーディエンスの拍手が鳴りやまない。アンコールに応えるように「『Dogs』という曲が3月に出ますけど、すごくギターっていう感じの、全部の音がワイルドな曲なんです。すごく強い曲だから、嫌われるかもしれないってちょっと心配な点がありつつ(笑)、そのくらいギターがワイルドで私はすごく好きな曲です。そのサウンドも絶対に聴いてほしいな。それで、ギターって面白いなって思ってもらえたらいいなと思っています」とメッセージを残し、大きな拍手の中イベントは終了した。





イベント終了後にサイン会を実施する塩塚モエカ
塩塚モエカ
羊文学のギター・ボーカル。全楽曲の作詞・作曲を務める。ソロ活動では、ボーカルエフェクトを使用した浮遊感のある歌声とギター弾き語りによるパフォーマンスが特徴的。その他、映画やドラマの劇伴制作、他アーティストの作品へ客演参加など多岐にわたる活躍を見せている。またそのアイコニックなキャラクターからファッション・カルチャーシーン等、音楽以外の多方面からも注目を集め活動の枠を拡げている。
https://www.hitsujibungaku.info/
MC & Text_Joe Yokomizo
Photo_Kenshiro Shimizu

