Cover Artist | imase -後編-
フェンダーのギターはまるでオートクチュールのような特別感がある
2024年5月に待望の1st Album『凡才』をリリース。収録曲全19曲の累計再生回数が100億回を超えるなど快進撃を続けている新世代アーティストのimaseが、FenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー後編では、Netflixで世界独占配信された『君に届け 3RD SEASON』のオープニング主題歌として書き下ろされ、8月2日にリリースされた新曲「エトセトラ」の制作エピソードをはじめ、11月からスタートする自身初のホールツアー〈imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”〉に向けての意気込みなど、たっぷりと語ってもらった。
見た目の部分でも、フェンダーだとすぐにわかる存在感がある
──フェンダーにどんなイメージがありますか?
imase 本当にたくさんのアーティストがフェンダーを使っているじゃないですか。それだけフェンダーならではの特徴や魅力があるんだと思いますね。先日ギターを購入しに行ったんですが、フェンダーのギターはいい意味で個体差があるというか、まるでオートクチュールのような特別感があるんですよね。その時、その店舗でしか手に入らない一期一会のような感覚。特にAcoustasonicを選んだ時にそれを強く感じました。
──使っているうちにどんどん自分に馴染んでいく感じもあるんですか?
imase ありますね。この間もギターを買おうと思って楽器屋さんを回ったのですが、指板の模様やピッキングのニュアンス、音の雰囲気など同じモデルでも微妙に違うんだなと感じました。それが面白くて、選ぶ過程も楽しかったです。カラーリングやシルエットなど見た目の部分でも、フェンダーだとすぐにわかる存在感があるじゃないですか。自分が楽曲を制作する時にも、一聴して“このアーティストだ”とわかるようなものを作るのが難しいと感じることがあります。そういった部分でも、フェンダーのすごさを改めて感じました。
──8月2日にリリースされた新曲「エトセトラ」は、Netflixで世界独占配信された『君に届け 3RD SEASON』のオープニング主題歌ですが、どんなイメージで作ったんですか?
imase 最初はキーボードでコードを考えて、それをアコースティックギターに変換しメロディを付けてから歌詞を乗せていきました。レコーディングでは温かみのあるピアノも加えています。作品自体が主人公の恋愛模様だけでなく、高校生活での揺れ動く心情や友情関係なども描いているので、そういった要素を曲に落とし込みたいと思いました。ちなみにサビの部分をファルセット中心にしたのは、青春時代の“儚さ”を表現したかったから。制作したのは1年半くらい前で、最近リリースした曲の中では唯一、岐阜に住んでいる時に作った曲なんです。
──アニメの中でこの曲が流れた時はどう思いましたか?
imase アニメの甘酸っぱい世界観を、曲にもうまく反映させることができたと感じました。実はけっこう前に仕上げた楽曲だったので、今聴くと“あの頃はこうだったな”と懐かしい気持ちになりますね。よりノスタルジックな雰囲気が出たというか、そこが作品とマッチしてすごく良かったなと。主観ではありますが、少し拙さや儚さも含めて良い結果になったと感じています。
ギターを弾くことで得られる豊かさはたくさんあるし、気付くことも多い
──11月から初のホールツアー〈imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”〉が開催されますが、その意気込みを聞かせてください。
imase 今回のホールツアーは “Shiki-Sai”というタイトルで行います。3月から4月にかけて行ったツアーや、6月に行ったアジアツアーが “Shiki”という名前で、春夏秋冬を感じられるようなコンセプトのライヴでした。今回のツアーはその延長線上にあり、“Sai”をプラスして “Shiki-Sai”というタイトルにしました。今は演出などを詰めている段階ですが、以前よりさらにパワーアップした自分を見せたいと思っています。ツアーの演出に関しては、シンプルにしてカッコ良く見せるか、それともいろいろな展開を加えて華やかにするか…まだ考え中です(笑)。ホールでのライヴなので、ライヴハウスとは違って座っても楽しめるということもあり、よりエンタメ性が強い“見せるライヴ”になるのかなと思っています。そういった部分を楽しんでいただけるような工夫を凝らしていきたいですね。
──アジアツアーを経て得たものはありますか?
imase 皆さんが日本語の歌詞をフルで一緒に歌ってくださることに驚きました。日本語の曲がこれほど浸透しているのだなと感じましたし、SNSが普及した今の時代に音楽をやれているからこそだとも思うので、今の時代に音楽をやれていることに感謝するばかりです。アジアツアーは地域ごとに違った面白さがあって、特に言語が通じない部分をどうカバーするかという点でかなり勉強になりました。お客さんをどう盛り上げて巻き込むかという部分では、非常に多くの学びがあったと思います。
──具体的に、どうすると盛り上がるんですか?
imase やはり、煽って一緒に盛り上げていくことが重要だと感じました。日本語は伝わらないので、現地の言葉で煽るのはもちろん、ジェスチャーもすごく大事だなと感じました。例えばチャーリー・プースが日本に来た時もすごくジェスチャーを多用していて。あの盛り上げ方は世界中でツアーをしているからこそ身についたものなんだろうなと感じました。この経験は、最近の夏フェスでも活かされています。
──ちなみに現在のサポートバンドはどんなメンバーで構成されていますか?
imase ドラムがBOBOさん、ギターがモリシーさん、キーボードが松本ジュンさん、ベースが林あぐりさんです。皆さん本当に実力派で素晴らしい方たち。今年後半もライヴがありますし、楽曲のリリースも続く予定です。今後もさまざまなジャンルに挑戦していきたいですね。ファンキーな曲も作りたいし原点回帰的な曲も作ってみたい。2024年の残りの半年を、制作においても模索しつつ充実させたいと思っています。
──最後に、これからギターを始めたいビギナーへメッセージをお願いします。
imase ギター、始めたほうがいいですよ(笑)! ギターを弾くことで得られる豊かさって本当にたくさんあるし、ギターを通じて気付くことも多い。音に対する耳がどんどん育っていくので、音楽をより楽しめるはずです。ギターがどんなきっかけを生むかわからないし、迷っているならぜひ始めてほしいです。ちょっとだけ興味があるという方は、いきなり高価なモデルではなくビギナー用のモデルから始めるのもオススメです。フェンダーにはビギナー用のモデルでも、弾きやすくて音も良いものがたくさんあるのでぜひ試してみてください。自分もそこから始めて今があるので、一緒に上達していきましょう。
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imase
岐阜出身、23歳の新世代男性アーティスト。音楽活動開始わずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にメジャーデビュー。「NIGHT DANCER」は韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たし、SpotifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど世界各国でもバイラル中。「第65回 輝く!日本レコード大賞」にて優秀作品賞を受賞し、韓国で開催されたMMA 2023、CCMA 2023に日本人アーティストとして初出演、初受賞を果たすなど国内外で活躍の場を広げ続けている。
2024年3月からは初の全国ツアー 『imase Tour 2024 “Shiki”』を開催し、チケットは即完売。5月には収録曲全19曲の累計再生回数が100億回を超える待望のファーストアルバム『凡才』をリリース。初のアジアツアー『imase 1st Asia Tour “Shiki”』を完遂し、11月からはホールツアー『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』の開催も決定している。
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