Fender Flagship Tokyo Special Live & Talk Event with Johnny Stimson

アメリカのシンガーソングライター、ミュージシャン兼プロデューサー、ジョニー・スティムソンが11月2日にFender Flagship Tokyoでスペシャル・ライブ&トークイベントを行った。ジョニーのオフィシャルホームページでオリジナルグッズを購入した人の中から抽選で選ばれた幸運な30名の他、フェンダーからの追加招待客も集まった空間は、和やかなムードで満ち溢れていた。貴重な機会となったイベントの模様をレポートする。

素晴らしい音楽はもちろん、幸福感も届けてくれたスペシャルライヴ&トークイベント

客席後方からジョニーが登場すると、観客の間から起こった大きな拍手と歓声。ステージに立った彼は、まずはマイクを通さない生声で挨拶した。「去年は日本でバンド編成のライブをやったけど、今回は僕だけなのでたくさんみんなと交流したいと思うんだ。みんなのことも知りたいし、一緒にいい時間を過ごしたいな。もし一緒に歌いたい人がいたら、ステージに上がって歌ってくれたっていいんだよ」と語る言葉から、イベントを楽しみにしていた様子が伝わってくる。

「新しいアルバム『Johnny’s World』が明日リリースされるんだけど、喜怒哀楽、いろいろな感情を曲にしていて、僕の内面的なことを表現しているんだ。より僕のことをわかってもらえるアルバムだと思う。去年、僕の祖母が亡くなったんだけど、“ジョニーの明るい曲も好きだけど、時には悲しい歌を歌ってもいいんだよ”って言ってたんだよね。それを思い出して書いたのが、アルバムに入ってる新曲の『Frank and Nancy』。今日ここで歌うと悲しくなっちゃうから歌わないけど」

リリースを翌日に控えた最新アルバムについて少し語った後、さまざまな曲が披露されていった。

「とてもハッピーな曲を歌うよ」と言い、最初に届けられたのは「Smile」。被っているキャップの左右で三つ編みの髪を揺らし、笑顔を度々こぼれさせながら歌う姿が温かい。観客のシンガロングが起こると、笑顔はひと際明るく輝いた。

「僕はアメリカのテキサス出身だけど、遠く離れた国のみんなが曲を聴いてくれるとは思ってなかったし、日本でもたくさんの人が聴いてくれるのが本当に嬉しくて。こうしてみんなと近い距離で過ごせる機会だから、このイベントが終ってから一緒に写真を撮ったりしようよ。インスタントカメラも用意してきたから、写真を上げたりしたいと思っているんだ」

Vintera II 60s Stratocaster


リラックスしたトークを挟み、2曲目に披露された「Gimme Gimme」は、観客の手拍子も加わりながら情熱的なサウンドを躍動させた。1曲目と2曲目で彼がプレイしたのは、3-Color SunburstのVintera® II 60s Stratocaster®。ギターから放つサウンドと歌声が融け合いながら響くさまが心地良よかった。Stratocasterは、彼が生まれて初めて手にしたギターなのだという。「もしこれからギターを始めたいという人がいたら、フェンダーをおすすめするよ。今日、僕が使っているStratocaster も、僕にはもったいないくらい良いギターだね(笑)。僕もまだまだギターを練習中だから、こんなに素敵なギターを弾かせてもらって光栄だよ」と語った彼は、膝に乗せたStratocasterを誇らしげに観客に示した。

Highway Series Parlor


メインとして使用されたのはStratocasterだったが、「Friends」ではHighwayシリーズのParlorを弾いていた。このギターはフェンダーのアコースティックギターの新シリーズであり、2.25インチ厚の人間工学に基づいたコンターボディ、画期的なFishman® Fluence® Acousticピックアップシステムとブレーシング構造など、さまざまな特色を兼ね備えている。ジョニーはこのギターについて「エレクトリックギターとアコースティックギターのちょうど中間くらいのサウンドで、まさに僕にぴったりなんだ」と語り、とても気に入っている様子だった。


「夢に向かってチャレンジしているすべての人に捧げます」という言葉を添え、小さな電子ピアノを弾きながら歌った「You Can Do It」。奥さんとのエピソードを交えつつ披露したスウィートなラブソング「Honeymoon」。Telecaster®をモチーフとしたデザインがかわいい、Lake Placid BlueカラーのウクレレFullerton Tele® Ukeを弾きつつ歌った「Pink Lemonade」。最新アルバムに収録されている「The Old You」。会場内で写真撮影をしていた親友、グラント・テリーをステージに呼び、一緒にハーモニーを響かせた「Wait and See」。ステージからの距離が近い空間で多彩な曲を聴くのは、本当に贅沢な体験だった。

「一緒に歌う準備はできている? 一緒に歌いたいでしょ?」と女性客と男性客を1人ずつステージに招いた「Flower」は、客席にいる人々の大合唱も加わり、会場を穏やかに震わせた。アットホームなムードで満ちた時間を過ごせたのが、ジョニーも嬉しかったのだろう。デイバッグから取り出した『Flower』のアナログレコードやオリジナルグッズを数人の観客にプレゼントしたあと、母に向けたメッセージ動画もスマートフォンで撮影していた。観客の「Hi, Mom!」という声は、息子が遠い国でも愛されていることを伝えたはずだ。

「Hard To Say Goodbye」でライヴは締め括られ、その後はオリジナルグッズ購入者とのミート&グリートが行われた。記念撮影やサインに気軽に応じるだけでなく、インスタントカメラで撮影した写真やステッカーもプレゼントするなど、彼がファンとの交流を心から喜んでいるのが伝わってきて、何だかこちらもたまらなく嬉しい気持ちになった。ファンと会話を交わす中で度々響かせる笑い声が実に温かい。素晴らしい音楽はもちろん、たくさんの幸福感も届けてくれたスペシャルライヴ&トークイベントであった。

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