Fender Flagship Tokyo Special Event with Soushi Sakiyama

フェンダーの世界初の旗艦店として、連日多くの人々が訪れているFender Flagship Tokyo。シンガーソングライター/ギタリストの崎山蒼志による、ローンチしたばかりのフェンダー新製品「Highwayシリーズ」を用いたライヴ&トークイベントが開催。その模様をレポートする。


お気に入りの相棒“Highwayシリーズ”と繰り広げた、笑顔溢れるスペシャルライヴ&トーク

崎山が最初にその名を知らしめたのは中学3年生の時。AbemaTVでの企画「高校生フォークソングGP」に出演し、15歳とは思えない演奏力と作曲力が話題になった。その天才少年はさらに才能を開花させ、2021年にアルバム『find fuse in youth』でメジャーデビュー。以降、ソングライティングでも演奏でも多くの人を魅了し続けている。実際、SFをテーマにしたという意欲作『i 触れる SAD UFO』は素晴らしい内容となっており、12月22日に恵比寿ザ・ガーデンホールで行われるワンマンライヴ〈The Best 2018-2023〉は完売となっている。

そんな崎山の演奏を近くで見られるチャンスということで、この日のイベントにも多数の応募があり、幸運にも抽選に当たったオーディエンスで埋まったFender Flagship Tokyoの地下1階は開演前から熱気に溢れていた。


イベント開始予定の定刻に崎山が登場すると、自然と大きな温かい拍手に包まれる。オーディエンス、Fender Flagship Tokyoの外に付くLEDビジョン、そしてフェンダーのオフィシャルインスタグラムで配信を見ている人たちに丁寧にあいさつをすると、早速スペシャルライヴに突入。この日のライヴは、崎山が最近お気に入りだというHighwayシリーズのParlorを使っての演奏だ。

演奏が始まると、インスタライヴにもコメントが多数流れてきた。“崎山さんの演奏のおかげでいつもの夕飯がご馳走に早変わり”“ギターの音もサイコー”“抽選に外れたのでインスタで見てます! 会場で見れる人が羨ましい!”“そのギター欲しい!”など内容も多岐にわたったが、崎山が弾くHighwayシリーズのParlorへの興味も深々のようだった。

TVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」のエンディングテーマ曲「燈」を含む2曲の演奏が終わると、会場が一段と大きな拍手に包まれた。


その余韻のままトークコーナーへ。MCが来場者に「ギターをやっている人、手を挙げてください」と言うと、会場の半数を超える人が手を挙げた。スペシャルライヴを見るだけでなく、崎山蒼志のプレイから何かを感じ取ろうと、ギタリスト魂あふれるオーディエンスが多数集っているのも崎山らしい現象だ。

トークコーナーは、スペシャルライヴで弾いたParlorの印象からスタート。Highwayシリーズの特徴を説明すると“エレキフィーリングのアコギ”という立ち位置のモデルで、つまりサウンドはアコギだが、ネックの太さ、ボディの厚みなど、プレイアビリティはエレキギターと同等ということになる。HighwayシリーズはParlorとDreadnoughtの2モデルの展開だが、その違いはボディの大きさで、Dreadnoughtのほうがさらにボディは大きい。崎山はParlorの印象についてこのように語った。

「弾きやすいですね。本当にエレキギターを弾いている感覚です。例えばエレキギターを弾いても、Parlorに持ち替えた時に違和感がないと思います。ネックもボディも薄くて小さいので、抱えた感じもエレキのようで本当に弾きやすいです」と実際にギターをつま弾きながら答えた。

さらにそのサウンドに関しても「生で弾いても木の温かみを感じる音ですし、アンプにつなぐとめちゃくちゃ音がいいなと。アコースティックギターのサウンドがキレイに出るし、使い勝手もいいです。ボリュームコント―ロールで低音を太くできたり、そういうところも弾き語りをするにあたって頼りがいがあります」と崎山。試奏を続けその音を確かめながら「めちゃ弾きやすいし、本当に音がいいですね」と満面の笑顔で感想を添えた。

“どんな人にオススメですか?”と問われると、即答で「みんなに! 実家に持って帰った時に、父親が“めっちゃいいじゃん、これくれない?”と言ってました(笑)。生鳴りが良くて、手に取りやすいし、弾きやすいし、見た目もいいし、めちゃくちゃ音がいい。全部がいいですから、しばらくギターを弾いていない人にもいいんじゃないかなと思います。もちろんビギナーにもいいと思うので、みんなにオススメですね」と自信を持って語ってくれた。


やはりParlorをかなり気に入っているようで、トークの合間もつま弾き続ける崎山。何だかそのまま新曲すらできそうな勢いだ。MCから“新曲ができちゃいそうですね?”と言われると「そうですね。新しいギターを持つとインスピレーションが増えるというか、そのギターに合った楽曲を書こうと思うので。あと、どこにでもサクッと持って行けて、アンプがなくてもめっちゃいい音が出せるから、キャンプしたあとにそのままライヴハウスに行けそうですね」と崎山。“キャンプやるんですか?”と聞かれると「やりません!」と会場の笑いを誘った。

トークでは崎山のギターとの歴史も語られた。崎山がギターを始めたのは4歳の時。激しくギターを弾いている人をテレビで観て、それに憧れて4歳からギター教室に通い始めたのがキャリアのスタートだ。ちなみに、テレビで観た憧れのギタリストはthe GazettEの麗と葵で、小さい頃はドクロのTシャツばかりを着ていたそうだ。それから17年。その間、一度もギターを辞めようと思ったことはないという(ただし、基礎練は嫌いだったそう!)。そんな崎山にとって、ギターはどんな存在なのだろうか?

「めちゃめちゃ楽しい楽器ですね。身近にある音楽。最高の楽器です。ゴールがないからずっと弾いていたいです。そんな楽器に出会えて幸せですね」

最後にビギナーへのアドバイスを求められると「ギターを弾き始めると、くじけそうになる時もあると思うんです。そういう時は、チューニングを6弦だけ低く(D)にして解放弦でジャーン!って鳴らしたり、これいいなとか、そういうふうに楽しむのが一番だと思うので、楽しいなって思うことをどんどん増やしていけたらいいんじゃないかなと思います。めっちゃ面白い楽器だと思います。エフェクターも多いから楽しみ方がたくさんあるし、どんな音楽にも合うと思いますし、魅力的な楽器だと思います。素晴らしい音楽を鳴らしてください」と答えた。

イベントの途中で、オーディエンスからの質疑応答にも応じてくれた崎山。「基礎練があまり楽しくなくて、楽しい練習方法があれば教えてください」という質問に「楽しい基礎練は…ないです。楽しくできたらいいですよね。続けていたら楽しくなるし、楽しいのが一番かなと思います。その次に“もっとこういうプレイがしてみたい”という気持ちから、基礎練がついてくると思います」と答えていた崎山。トークでもギターの楽しさをたっぷりと伝え、オーディエンスがどんどん笑顔になっていく光景が印象的だった。

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