My Fav Chord | Anly

Aadd9は間を支えてくれて、楽曲の印象を明るくするコード

アーティストの“好きなコード”に注目し、なぜそのコードが好きなのか、そのコードが使われている自身の楽曲や好きな楽曲について話を伺う「My Fav Chord」。第4回目はシンガーソングライターのAnlyが登場。


Aadd9は自然に鳴らしているコードです

──Anlyさんの好きなコードを教えてください。

Anly Aadd9です。試奏しに行った時や、何となくチューニングを合わせたいと思った時に自然に鳴らしているコードです。指2本だけで押さえられて、こんなにキレイな音が鳴るのって“お得”だと思っていて(笑)。開放弦の音が合っているかも確認できるし、爽やかな気持ちになれるという点も好きな理由かもしれないですね。

──Aadd9が登場するご自身の楽曲があれば教えてください。

Anly デビュー曲「太陽に笑え」の3番目に登場するコードがAadd9です。間を支えてくれて、楽曲の印象を明るくする効果があるコードですね。(Aadd9を弾きながら)うん、好き(笑)。

──Aadd9は教則本を見て知ったのですか?

Anly 出会ったきっかけは覚えていないのですが、東京に出てきてから覚えたのかも。もともと「太陽に笑え」は3カポだったのですが、ギターの師匠が“もうちょっとカッコ良くしよう”ということで1カポで違うコードから始めようと。たぶん、そこで初めてAadd9を弾いたんじゃないかと思います。

──振り返ってみて、ビギナーにオススメの練習方法はありますか?

Anly メトロノームを使ってストロークをする練習はいいと思います。ストロークにもいろいろな種類があって、ジャン!って一気に弾くものもあれば、音の粒が見えるように弾くストロークもあります。それをテンポに則って弾く練習はけっこうやっていました。ストロークによって、楽曲の雰囲気というか表情が変わるんです。力強い楽曲の時はジャキっとした感じで、壮大な曲では音の粒が見えるようにするなど、高校生の時はそういった違いを意識して練習していました。

──今日はフェンダーのカリフォルニアシリーズ、Redondo Player(Jetty Black)を弾いてくれましたが感想を教えてください。

Anly 音の鳴りはオシャレな感じで、けっこうふくよかな印象です。サスティンもあるのでいろいろな楽曲に合いそうだなと思いました。ゆっくりとバラードを弾くのもいいし、ジャキッとオシャレな曲を弾くのにもすごく合いそうなので、オールマイティに楽曲に合いそうだなって。見た目で言うと、ピックガードがゴールドでカッコいいのが超ポイント高いです。ネックもそんなに太くなくて、とっても弾きやすいですね。

言いたいことはやっぱり歌に乗せたい

──10月12日にはニューアルバム『QUARTER』がリリースされますね。

Anly 約2年ぶりのアルバムです。今作で4枚目なのですが、13曲収録されていて、コロナ禍でできた曲もあるしずっと前から“いつ出そうかな?”と思っていた楽曲もあります。歌詞の内容的に言うと、鋭く戦っている楽曲もあれば、25歳なりにSNSを見て思うこともあるし、ニュースを見て思うこともあるし、いろいろな人と話している中で思うこともあって、そういう気持ちを前面に出しているので気づいたら恋の曲がないんです。ちょっと力強めな愛の曲が多くなって、エレキが目立つ楽曲も多いので、そう意味でもエネルギッシュなアルバムになったなと思っています。

──早く聴いてみたいです。

Anly めちゃくちゃ物申しまくっています。いろいろな事柄に対して。今はいろいろな発信の仕方があるけれど、言いたいことはやっぱり歌に乗せられたらいいなと思っています。ちなみに、ジャケットは“25セントコイン=クォーター”をベースにしたデザインなんです。私もクォーターなので。

──そこに掛けているんですね。

Anly 最初は掛けていたのですが、“そう言えば25歳だよな”というのもあって25セントがモチーフになりました。それから“クォーターのQって風船に見えるね”みたいな話から、風船をコンセプトにした先行配信曲のジャケットもリンクして、全部がハマった気持ち良さでアルバムが完成しました。

──アルバムリリース後、10月からは全国ツアー〈Anly”Loop Around the World”〜Track4/QUARTER TOUR〜〉も始まります。

Anly ループペダルと廻る感じですね。ちなみに、最近はフェンダーのAmerican Acoustasonic®︎ Jazzmaster®︎でループを回して楽しんでいます(笑)。

──ビギナーの方にメッセージをお願いします。

Anly ギターを始めたばかりの頃は、指が届かないとか、バレーコードを1本の指で全部の弦を押さえるなんて指が痛い!と思うこともありますが、私はギターとずっと一緒にいたいから、しっかり弾くことを求めるよりも回避方法を取り入れればいいと思っていて。“ここを押さえれば似たような音が鳴るな”とか、コードって簡易的にすることができるんです。私自身もFは全部の弦を押さえない方法で弾いていたので、そんな風に上手い付き合い方をしたらいいんじゃないかな。弾かない時期があってもいいと思うんです。お久しぶりー!みたいな感じで弾いた時に、突然上手くなったりするんですよ。“あれ? 私こんなに弾けたっけ?”って。人間と一緒で、距離感を上手く保つとずっと一緒にいられるかなって思います。

──最後に、Anlyさんはアーティストとしてどんな次なるステージを想像していますか?

Anly コロナで海外でのライヴが中止になったので、海外公演をやりたいなと思っていますし、全国ツアー〈Anly”Loop Around the World”〜Track4/QUARTER TOUR〜〉はしっかりと成功させたいという想いもあります。あと、初めて言うんですけど、今年の最初に“知る人ぞ知る”から“みんなが知る”になりたいと思ったんです。次はそのステージに行けたらいいなと思っています。もちろん、フェンダーのギターとともに。

Redondo Player(Jetty Black)


Anly
97年1月、沖縄・伊江島生まれ。沖縄本島からフェリーで約30分、北西に浮かぶ人口約4,000人、風光明媚な伊江島出身。英語詞、日本語詞、さまざまなジャンルの音を楽曲の随所に感じさせるミックス感覚、ループペダルを駆使したソロライヴ、バンド編成ライヴ、アコースティックギター弾き語りなど、イベントや会場に合わせパフォーマンスやスタイルを変え、日本国内、香港、台湾、ドイツなど海外でもライヴを行う、唯一無二の空気を感じさせる沖縄出身シンガーソングライター。
https://www.anly-singer.com

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