FIVE NEW OLD “MUSIC WARDROBE” Tour
FIVE NEW OLDが、全国ツアー〈FIVE NEW OLD “MUSIC WARDROBE” Tour〉を4月9日(金)EX THEATER ROPPONGIを皮切りに開催。その初日の模様をレポート。
最新アルバム『MUSIC WARDROBE』を4月7日にリリースしたFIVE NEW OLD。“その日の気分で好みの服を選ぶように、自分たちの音楽を聴いてほしい”という想いが込められたアルバムタイトルであり、さらに進化を遂げたバンドの姿が刻まれた作品に仕上がっている。そのリリース後の4月9日からツアー〈FIVE NEW OLD “MUSIC WARDROBE” Tour〉がスタート。東京・EX THEATER ROPPONGIで初日を迎えた。
爽やかなSEとともにメンバーが登場。ブラックミュージックをベースにした、グルーヴ感溢れる心地良いサウンドが流れ出すと、会場は温かい空気に包まれる。ちなみにこの会場は前回のツアーファイナルの場所であり、1年半ぶりのツアーもここからスタートするという、縁の深い会場となった。
コロナ禍の夏をテーマにした「Summertime」をはじめ、初の日本語詞による「Vent」など、アルバム『MUSIC WARDROBE』からのナンバーを中心に、次々とクオリティの高い楽曲を披露していく。
ますます多彩になった楽曲たちを支える、SHUN(Ba)とHAYATO(Dr)の息の合ったコンビネーション。そして、HIROSHI(Vo,Gt)とWATARU(Gt,Kb)の2人のギターも抜群のコンビネーションを聴かせる。HIROSHIがメインに使用しているブルーのMade In Japan HYBRID II Telecasterはアタック感が強く、弦の音がしっかりと響くサウンドが特徴。WATARUはMade In Japan HYBRID II Jazzmasterで張りのある音を中心に、さまざまな音作りで曲に彩りを加えていく。
アッパーな曲調の「Sleep in till the Afternoon」では、HIROSHIが透明感のあるサウンドのAmerican Acoustasonic Jazzmasterをかき鳴らし、さらに躍動感を生み出す。WATARUはキラキラとしたサウンドで、音の広がりとともに聴き手の気持ちも高まるようなフレージングを駆使し、鋭いギターソロを鮮やかにキメる。
「“MUSIC WARDROBE” Tourがついに始まりました! あなたが新しい服を着た時に、いつもより少しだけ素敵な自分に生まれ変われる、そんな気持ちを僕たちの音楽と一緒に紡いでいってほしいと思います」(HIROSHI)
HIROSHIが軽やかなステップを刻み、ステージ左右を楽しそうに歩みながら歌う「Light Of Hope」や、SHUNのスラップベースが映える「Don’t Be Someone Else」がよりタフなファンクに仕上がっていたりと、音源以上に持ち味が際立つ楽曲が多い。
そして、ハンドマイクで歌っていたHIROSHIが再びブルーのMade In Japan HYBRID II Telecasterを携え、WATARUがゴールドのAmerican Original ‘50s Stratocasterに持ち替えて演奏したのは「Plane Garden」。艶があり伸びやかなストラトらしい音色で、カッティングにもソロにも確実な存在感を発揮。さらに、SHUNはシンセベースを、HIROSHIはサンプラーを使用し、サンプリングされた音源のフレーズを再現してみせた。「新しい僕たちの演奏スタイルを楽しんでほしい」というMCそのままに、彼らの斬新なアプローチが光る場面だった。
WATARUは、ブルージーな「Chemical Heart」ではクランチ気味の粘りのあるギターソロを、緻密なサウンドメイクの「How To Take My Heart Out」ではノイジーなサウンドで緊張感を醸し出すなど、Jazzmasterの持ち味を存分に引き出す。また、ライヴ後半ではゴールドのAmerican Original ‘50s Stratocasterをメインに使用し、ポップな曲ではカラフルにはじけたサウンドを、重めの曲ではエッジの効いた芯の強い音で迫ってきた。
「このアルバムを聴いてくださったみなさんの日常が、音楽を身にまとうようにこの先もずっと色鮮やかになってくれると嬉しいです。そして、今日一緒に過ごしているこの時間がまた新しい糸を紡いで、僕らにしか作れない音楽の一張羅がここで出来上がっている気がします」(HIROSHI)
「Sunshine」ではクリーントーンによるカッティングで大きなウネリを生み、「Breathin’」では骨太なサウンドによるリフで、華やかでみなぎるような楽曲の生命力を引き出すWATARU。
そして、HIROSHIが再びAmerican Acoustasonic Jazzmasterを持ち、カッティングしながら歌い始めたのは「Moment」。ピッキングのニュアンスを忠実に拾うキレのある音で、楽曲に込められた繊細な物語を描き出す。対照的にWATARUのAmerican Original ‘50s Stratocasterは、リフであってもアルペジオであっても、澄んだ高音はもとより中低音もしっかりと前に出てくる力強さや主張を感じさせるサウンドで、2本のギターの鮮やかな対比を生み出していた。
最高潮のうちに本編を終えたあと、アンコールに応えて再登場した彼らは、アリーナでのライヴを開催したいという目標を掲げた。
「日本中の人たちにもっと自分たちの音楽を届けたいという想いが、2020年を経て、2021年4月9日、より強くなりました。今日出会ってくれたみなさんが、僕たちのこの夢を一緒に追いかけてくれたら嬉しいです。僕たちも、僕たちの音楽が日常にずっと鳴っていくように、これからも全力で頑張ります」(HIROSHI)
ここで初めて披露される楽曲が多いにも関わらず、会場全体に幸福な一体感をもたらしたライヴ。幅広くなった楽曲のキャラクターとともに、ますますバンドとしての個性が輝きを増してきた彼らにとって、最高と言えるツアーのスタートを切った。
【SET LIST】
- Summertime
- Vent
- Sleep in Till The Afternoon
- Light Of Hope
- Ghost In My Place
- Don’t Be Someone Else
- Plane Garden
- In/Out
- Gotta Find A Light
- Chemical Heart
- My House
- How To Take My Heart Out
- What’s Gonna Be?
- Sunshine
- Breathin’
- Hallelujah
- Moment
ENCORE
- By Your Side
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