INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022

ソロ活動25周年を迎えるINORANが2019年以来、3年ぶりとなる待望のツアー〈INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022〉を開催。今回は、フェンダーのシグネイチャーモデルを愛用するINORANを中心に、フェンダーを使用しているYukio Murata(Gt)、u:zo(Ba)にもフィーチャーした恵比寿リキッドルームでのライヴレポートをお届けする。

INORAN BANDが数々のFenderギター&ベースで縦横無尽に暴れ回るロックンロール・ショウ

観客のハンドクラップが大きくなる中、ライヴはスピーディかつラウドなロックンロール「One Big Blue」から始まる。爆音のロックサウンドで、音の塊が客席に飛んでくるかのようだ。INORANはFender Custom Shop™のBlackのINORAN Jazzmaster #1 LTD, Masterbuilt by Dennis Galuszka(以下省略)を持ち、歪んでいながらクリアなトレブリーなクランチサウンドを奏でる。続く「COWBOY PUNI-SHIT」では、大陸的なビートを叩き出すRyo Yamagata(Dr)を支柱に、u:zoはフェンダーのヴィンテージJazz Bass®︎でうねるようなグルーブを生み出し、Yukio Murataは’63 Jazzmaster®︎(Lake Placid Blue)でつんざくような轟音を鳴らす。このアンサンブルと音圧こそINORAN BANDの真骨頂。力強いロックナンバー「grace and glory」では、フロント3人が縦横無尽に暴れ回るステージングが魅力的だった。

「みんな1人1人、一つひとつの魂を受け止めるから、最後まで楽しんでいってくれ」と話すINORAN。このライヴはCSで生放送されていたため、テレビでライヴに参加しているファンに向けてもメッセージを届けていた。

タテノリのロックナンバー「Awaking in myself」でINORANは、黒のTシャツにデニムというシンプルな衣装にも映えるLake Placid Blue のINORAN Jazzmaster #3 LTDを持ち、フェンダーのスタックアンプでロック感満載のクリアなドライブサウンドを放つ。ギターソロではYukio Murataが、’63 Jazzmasterで芯のある中音域とヌケの良いリードサウンドを響かせる。

「Selfless」では〈LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE-〉でも登場した、ハムバッカーを搭載した新たなカスタムショップ製Jazzmasterが登場。ベースの引きずるようなビート感とヘヴィリフの重低音が魅力で、Yukio Murataも3-Color Sunburstの’64 JazzmasterでINORANとともにワウプレイを繰り出し、サイケでアバンギャルドに歌うアンサンブルで魅了。バンドの充実ぶりがプレイの随所から感じることができた。

ライヴ中盤、ドラムのカウントから「Happy Birthday to You」の歌のサプライズ。そう、今日9月29日はINORANの52歳の誕生日。ケーキが登場し、観客やメンバーがお祝いする。

「Beautiful Now」では、INORAN Jazzmaster #1 LTDが再び登場。トレブリーかつブライトな歪みサウンドから構築される、壮大なロックバラードは実に美しかった。「raize」ではINORANはトレブリーなリフを弾き、Yukio Murataは’64 Jazzmaster(3-Color Sunburst)で太いドライブサウンドでアンサンブルをまとめ、u:zoはAmerican Original ’60s Jazz Bass®(Candy Apple Red)でバンドを支える。骨太のロックサウンドを構築するバンドアンサンブルが心地良かった。

インストの「HOME」やカントリーテイストなバラード「Long Time Comin」を経て、INORANが再びINORAN Jazzmaster #3 LTDを手にし、「Don’t you worry」から怒涛のライヴ終盤へ。「Thank you」は風景の見える楽曲で、かき鳴らすギターもミッドレンジに特徴があるサウンド。「Rise Again」で観客は拳を上げ、手を振りながら、声なき声を想いに変えて応える。ラストは「All We Are」。INORANはINORAN Jazzmaster #1 LTDに持ち替え、太くミッドローの効いたサウンドでイントロのメロディを弾く。会場が一体となってつながった瞬間だった。

アンコールなしの本編だけでライヴは終了。実に潔く、ロックバンドらしい衝動や熱情、感情が剥き出しになったライヴだ。グランジやオルタナサウンドの楽曲を中心に、バラードやアコースティックも入るセットリスト。今年はソロ活動25周年に加え、LUNA SEAのデビュー30周年を迎えるINORAN。バンドやソロ活動も含めて、今後も精力的な活動は続いていくだろう。また1年後、このメモリアルなライヴを楽しみに待ちわびたい。

All photo by Yoshifumi Shimizu
※一部写真は9/30公演より

【SET LIST】
1. One Big Blue
2. COWBOY PUNI-SHIT
3. grace and glory
4. Awaking in myself
5. Rightaway
6. Selfless
7. LEMONTUNE
8. You’ll See
9. Beautiful Now
10. raize
11. HOME
12. Long Time Comin
13. Don’t you worry
14. Thank you
15. Rise Again
16. All We Are


INORAN:http://inoran.org/

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