Cover Artist | Chilli Beans. -後編-

カッコつけないで自分らしく進んでいきたい

メンバーそれぞれが作詞・作曲・編曲やクリエイティヴを手掛け、圧巻のステージングと自由奔放な音楽性で音楽シーンを切り開く3ピースバンド、Chilli Beans.がいよいよCover Artistに登場! 後編では、ジャンル/世代/性別/経歴を問わず、音楽およびギターカルチャーの繁栄に貢献している世界の25組のアーティストをサポートする「Fender Next™ 2023」に選出された想いを聞いた。

立てるステージの規模は設定せず、“楽しめたらいいよね”っていう感じでやっています

──新進ミュージシャンをサポートするアーティスト開発プログラム「Fender Next」の2023年にChilli Beans.が選ばれました。意気込みや今後の抱負を聞かせてください。

Maika 嬉しいです。曲作りもですが、カッコつけないで自分らしく進んでいきたいです。

Lily めちゃくちゃ嬉しいです。ガール・イン・レッド、ワロウズ、ビーバドゥービー、セソニョンなど、歴代の「Fender Next」には好きなアーティストがたくさんいるので。いろいろな音楽を聴いて自分たちの“好き”を探って、それがもっと広がれば楽しいだろうなと思っています。だから、自由にやってみたいです。

──バンドとしての具体的な目標はありますか?

Lily 海外でライヴをしたいですね。まだ経験がないので。

Maika 初のライヴは配信だったんです。客席には3人だけみたいな(笑)。最近はお客さんの反応が返ってくるようになって、ステージで作ってきたものが広がっている感覚があります。海外の音楽がルーツにあるけれど、海外に行くのが目標です!というわけではなく、違う場所でもライヴができたら楽しいんだろうなと思います。

Moto すごくラフな感じで、小さいライヴハウスでもやってみたい。

Maika やってみたい!って感じだよね。

Lily そう。楽しいことがしたい。

Maika あえて目標を決めてこなかったというか。やりたいことや作りたい世界観はその時々のモードで変わるので、気持ちに素直に従っていけば自然と海外でライヴができるかもしれないし、大きなステージに立たせてもらえる機会があるかもしれない。立てるステージの規模は設定せず、“楽しめたらいいよね” っていう感じでやっています。

──素敵です。今年の活動は?

Maika 2月に5曲入りのEP『mixtape』が出ました。この後もリリースをする予定だし、フェスもたくさん出させていただくし、2回目の全国ツアーもやるし、盛りだくさんな一年になりそうです。去年も盛りだくさんだったんですけど、今年も負けじと動きます。

──3人でバンドをやっていて、どんな瞬間が楽しいですか?

Lily やっぱりライヴをしている時ですね。3 人のテンションはいつも合うけれど、さらにお客さんとのテンションとバチッ!と合う瞬間があるんです。自分たちも知らなかった、スーパーパワーを手にしたような気持ちになれる瞬間が楽しいですね。

Maika 私もライヴが一番楽しいです。演奏中、お客さんやメンバーと目が合うと“ハァ”と息が漏れる感覚がすごく好き。あと、最近はコロナが落ち着いてきて、新しく出会った人からライヴ後にいろいろなお話を聞ける機会が増えたのでそれも嬉しいです。そういう交流も含めてライヴが好きです。

──趣味でバンドを始めたけど、バンドだと全然弾けない!という人もいるそうですが、そういう人はどうしたらいいと思いますか?

Lily ギター的には、ドラムとベースのテンポ感はそれぞれ違うので、その人の間(ま)をつかんでから弾いてみるのがいいと思います。そこである程度まとまったら、自分の間をどう挟んでいくかを考えていく。私も初めてドラムと合わさった時にそれを感じて。自分一人のペースを優先させると自分だけ違う空気感になっちゃうから、リズム隊に近寄っていくイメージを持つと自分も気持ちいいし、全体のテンション感も揃うと思います。それが楽しかったです。

──アイコンタクトが取れると楽しいですよね?

Maika そう! 楽しい!

Lily その瞬間が一番楽しいし気持ちいいから全体を見るようになったかも。

──その積み重ねが上達につながるのかもしれないですね。

Maika 宿題みたいに練習して上手くなったことが一度もないんです。どうしてもやらされている感覚になっちゃって、うまくできなかった。だから、楽しいと思う場所に足を運ぶのはいいと思います。私もまだできていないんですけど、もうちょっとスキルが上がったらセッションバーとかに行ってみたいなと思っていて。楽しい場所に行けば上手くなりそうと思ったりします。

──では最後に、ビギナーへアドバイスやメッセージを。

Lily 最初は絶対にできないんだから、できることは重要じゃない。楽しいという気持ちを持ち続ければ自然と上達するから、上手い下手に目を向けすぎないほうが長く続けられると思う。下手でいいと思うんです。以上(笑)。

Maika どんな人も最初はビギナーだから、人と比べ過ぎず、好きな曲をカヴァーするなどして楽しめばいいのではないでしょうか。良いも悪いも、正解も不正解もないから、やりたいようにやるのが一番だと思います。

Moto 二人の言葉、カッコいいんじゃないでしょうか(笑)。すごく染みました。下手とか気にしないようにしようと思いました。

Maika アドバイスする側じゃなくてビギナーになってる(笑)。

Moto (笑)。こういうことをやってみたいとか、こういう曲を作りたいとか、やりたいことを真似して自分でつかんだ時に“やった!” という感覚になれます。それを積み重ねていけば、真似ではなく自分が吸収したものとして外に出せると思うんです。その過程として、自分の“好き”を見つけることが大事ですね。

Guitar & Bass
Lily:2023 Collection, MIJ Traditional 60s Stratocaster(Olympic White with Blue Competition)
Moto:2023 Collection, MIJ Traditional 60s Telecaster(Black)
Maika:Player Jazz Bass(Buttercream)

>> 前編はこちら


Chilli Beans.
Moto(Vo)、Maika(Ba,Vo)、Lily(Gt,Vo)による3ピースバンド。2019年結成。それぞれが高い歌唱力を持ち、作詞・作曲・編曲やクリエイティヴまで自らで手掛ける。2021年8月に発売した初のDigital EP に収録の「lemonade」はSpotify「バイラルトップ50(日本)」でデイリー1位、ウィークリー3位を記録。抜群のソングライティングセンスと巧みなコーラスワーク、さらにライヴで一体となって楽しめるパフォーマンスを武器に活動中。
https://chilli-beans.com

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