Cover Artist | OKAMOTO’S -後編-

Vintera®︎ II 60s Telecaster®︎はすごくロック的な音がする

無尽蔵のエネルギーで強烈なグルーヴを打ち鳴らすロックバンドOKAMOTO’Sが、メンバー全員でローンチしたばかりの新シリーズ「Vintera II」を持って改めてFenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー後編では、「Vintera II」のインプレッション、そして今後の活動について話しを聞いた。

プロがライヴで使えるクオリティがこの値段なのは本当にすごい

──今回は新シリーズ「Vintera II」を試奏していただきました。どの機種を選んだのか、また選んだ理由を教えてください。

オカモトショウ(以下:ショウ) Vintera II 70s Jaguarを選びました。2021年の〈KNO WHERE〉ツアーの時に、American OriginalシリーズのAmerican Original ’60s Jazzmasterを買ったのですが、それがすごく良くて。それまでTelecasterは持っていたけれど、あまり他のギターに興味が出るとは思っていなくて。でも、ジャズマスがめちゃ良かったので、ジャズマスの上位機種として作られたJaguarにも興味があって選びました。あと、カート・コバーンが好きなので。

──実際にスタジオでも使っていただいているそうですが、いかがですか?

ショウ 音がいいです。俺のギタープレイだと計り知れない部分もあるので、コウキさんにも弾いてもらったんですよ。

オカモトコウキ(以下:コウキ) 真っ当ないい音です。Jaguarはフェンダーの中でもビザールっぽい立ち位置なのかなと思っていたんですけど、良質なストラトみたいな、太くていいシングルコイルのトーンがしますね。

──指板の黒バイディングが特徴で、初のリイシューなんです。

ショウ 指盤の外枠まで全部黒ってめちゃくちゃカッコいい。機能的なことで言うと、ローカットが良かったです。ローカットが入ると音が締まりますね。弾く前までは、ジャズマスをさらにカリッとさせたような音かと思っていたのですが、ジャズマスよりもサステインがあって、ミッドの美味しい音が出ている。ある種、新品のテレキャスやストラトよりも欲しいところが枯れている印象もあって良かったです。

──Vintera II 70s Jaguarはどんなシーンで使いたいですか?

ショウ 俺はヴォーカリストだから全曲はギターを持たないので、このカッコいい見た目を使いたい時に持ちたいですね。

──そして、コウキさんが選んだのがVintera II 60s Telecasterですね。

コウキ まずは色(Fiesta Red)がいいんですよ。ローズウッド指板のテレキャスは持っていなかったので、弾いてみたいと思ったんです。パワーがめちゃくちゃあって、僕がずっと使ってきたテレキャスと弾き比べてみたら1.5倍くらい音がでかいです。すごくロック的な音がして、パワーのあるJ-ROCKって感じがめちゃいい。

──Vintera II 60s Telecasterはどういうシーンで使っていますか?

コウキ この間、プリプロで一曲使いました。クラクソンズみたいなリフでダンスっぽい、2000年代前半のUK、USのインディーロックみたいな曲があって、

ショウ フランツ・フェルディナンドとかね。

コウキ そういうムードを持つ曲でリフを弾いたらすごくハマりました。僕のテレキャスのイメージは、ヴォーカリストが持っていて伴奏的なポジションで使われることが多いのですが、メインでガーン!と弾いても全然いけますね。あと、別のモデルで言うと70年代のストラトを復刻しているのは面白いなと思います(Vintera II 70s Stratocaster)。70年代のストラトが今後ヴィンテージになると値段も高騰していくので。

──ハマさんはVintera II 60s Precision Bassですね。

ハマ・オカモト(以下:ハマ) 僕はVシリアルのVintageシリーズが出た時のものも持っているのですが、その歴代然り、フェンダーとエンドースメント契約してからもいろいろなモデルを弾いてきて、音はもうそりゃずっといいんですよ。そんな中、近年はネック周りのシンクロの具合が秀逸で、太いというよりも幅が気持ち広いんですよね。今回のプリプロでも2曲ぐらいVintera II 60s Precision Bassを使ったのですが、ヴィンテージでは失われてしまう元気なところ(音)がちゃんと存在している。だから、やっぱり新品はいいなって思いました。Precision Bass自体が特殊な楽器なわけでもないので、おすすめユーザーは基本的に全員ですが、今言ったようにネックシェイプ自体は幅が広く、昔のPrecision Bassの無骨さが特にネックにはあるので、極端に手が小さい人は無理して選ぶべきではないかなと思います。“だったらJazz Bassに行こうかな”っていう選択肢も全然ありだと思う。音は本当にまごうことないです。

ショウ プリプロでのVintera II 60s Precision Bassは良かったよね。

ハマ 本当に良かった。そして、15万円のルックスじゃないわ。もっといいラインのものに見えます。所有欲も満たされるし、相変わらずすごいなって思いました。

──実際にライヴでも使えますか?

ハマ 使えると思いますよ。あまり値段のことは考えていなかったけど、プロがライヴで使えるクオリティがこの値段なのは本当にすごいです。

年齢問わず盛り上がれるってすごく素敵なことだと思います

──直近のOKAMATO’Sの活動を教えてください。

オカモトレイジ(以下:レイジ) 11月から〈出張!オカモトーク Acoustic/Talk Tour 2023-2024〉というツアーが始まります。俺も内容はギリギリまでわからないんですけど、2時間半のうちトークが2時間で演奏が30分って感じではあると思います。

──本当にそういう構成なんですか?

レイジ 本当にそうなんです。前回のツアーではステージ上にガチャガチャがあって、それを回すと“牛肉”とか“ラーメン”とかフリートークのお題が出てきて、それについてしゃべるという。

コウキ ある意味、ジャズライヴだよね?

──曲も即興なんですか?

ショウ 曲だけ練習しておいて、中身はギリギリまで伝えない。

レイジ 『オカモトークQ』というアプリで番組を配信しているのですが、その出張版みたいな感じ。普段やっていることをステージでもやろうと去年から始めて、好評を博したので第二弾です。

──先ほどプリプロの話が出ましたが、音源も制作中ですか?

ハマ 制作はやっています。7枚組で12年後ぐらいに(笑)。

──それなら1枚にして毎年出してください(笑)。

全員 (笑)。

──バンドとしての次の目標は?

ハマ 来年が現メンバーでの活動開始から15周年です。

──来年はお祭りですね?

コウキ そうですね。いろいろな企画が用意されています。

──楽しみです。最後にビギナーの皆さんへメッセージをお願いします。

ショウ 俺なんてギターを始めたのは20歳を過ぎてからで、最初は全然弾けなかったんですよ。自分で曲を書くために弾こうと思って始めて、真面目に練習したりもせずに歌の伴奏だけ弾いて、ライヴをこなしていったら最近ようやく弾けるようになってきました。10年近くかかったけど、そうやってゆっくりやるのもアリだと思います。ギターは好きだけど始めようか迷っている人は早めに買って、ゆっくりでいいから辞めずに弾き続けると、意外と上手くなっていることを最近実感しました。若い子でメキメキ上手くなりたい人は、今すぐに買ってめちゃめちゃ練習すればいいと思いますけど、大人でも始めるには遅くないと思います。

レイジ 楽しむ気持ちが一番だと思います。飽きたら辞めていいと思うし、かさばるから失くすこともないだろうし。

ショウ 確かに。最近新しく出るものってなくなるものが多いもんね。ワイヤレスイヤフォンとか。

レイジ サービスが終了することもないし。

コウキ クラウドにあったものがいつの間にか無くなっていた、みたいなね。

レイジ パッと手に取ってジャンって弾けるので。だからみんなやったほうがいいと思います。

コウキ ギターなりベースなり何でもいいんですけど、楽器の話ができる知り合いができるからいいですよね。仲間が増える。この間、海外バンドと一緒にやった時も“ギターは何年製なの?”って話したりして。年齢問わず盛り上がれるってすごく素敵なことだなと思います。

ハマ よくSNSに“何歳から始めても大丈夫ですか?”“どうやれば早く上達しますか?”という質問が来るのですが、年齢制限もなければ簡単に上達する方法なんてあるわけないだろうって。興味あるんだったらひたすら練習して、気づいたらいつの間にか弾けるようになって楽しくなっているので、“そんな夢みたいなことはないから、人に話を聞く前に自分で練習しろ”と書いてください。だから楽しいんだってことなんです。

Vintera II 60s Stratocaster | Vintera II 60s Telecaster | Vintera II 70s Jaguar | Vintera II 60s Precision Bass

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OKAMOTO’S
Vocal/オカモトショウ、Guitar/オカモトコウキ、Bass/ハマ・オカモト、Drums/オカモトレイジ
中学からの同級生4人によって結成。東京都出身。
世界に通用するアーティスト、岡本太郎から名前を拝借し、Ramones形式で全員が「オカモト」姓を名乗る。音楽性はロックを中心に多岐にわたり、各年代の音楽の旨みを90年代生まれの新しい感性で抽出、解釈し表現している。各メンバーが独自の活動を行っていることも特徴的であり、その活動は各自のソロでの音楽活動、ラジオDJや番組MC、他アーティストのサポートなど、多岐にわたる。
2010年5月、アルバム「10’S」をリリース。これまでに、アルバム9枚、シングル10枚をリリース。初期は性急で衝動的な作風のアルバムを1年に3枚のペースでリリース、また近年ではアルバム一枚が一つのストーリーとして構成された「OPERA」、海外レコーディングも敢行した「NO MORE MUSIC」、デビュー10周年イヤーを迎え、新境地かつ原点に立ち返った「BOY」などコンセプチュアルかつ独自性のあるアルバムを多数発表。
国内のロックフェスや各地のライブハウスで数多く公演を行う生粋のライブバンドでもあり、アルバム発表ごとに日本各地でツアーを行う。また企画性を持って行われるホール公演「90’S TOKYO BOYS IN HALL」も時折行われ、スペシャルなイベントとして人気を博している。
2016年には全都道府県ツアーを、また2020年には10周年を掲げ、初の日本武道館公演も成功させた。また、2010年3月、アメリカ・テキサス州オースティンで開催されたSXSW2010に日本人男子として出演したことを皮切りに、オーストラリア、ベトナム、台湾、韓国、中国など、日本国外でもライブを多数行っている。
2023年は、アニメ「Dr.STONE」エンディングテーマ曲「Where Do We Go?」をリリース。また、関ジャニ∞や菅田将暉、DISH//など様々なアーティストのプロデュースや楽曲提供、映画やドラマの劇伴制作、個々のプロデュースワークや、DJ活動なども行っている。その活動の勢いは止まることを知らない。
http://www.okamotos.net

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