関ジャニ∞ 『ドームLIVE 18祭』
2022年夏、野外スタジアムライヴ〈18祭〉を開催した関ジャニ∞が、勢いをそのままに通算9度目となるドームツアー〈関ジャニ∞ ドームLIVE18祭〉を4会場10公演にて開催。1月9日の東京ドーム公演の模様を、前回のFenderNewsでのレポート同様、メンバーが使用したFender機材を中心にレポートする。
Telecaster®︎のトレブリーかつミッドの立った存在感のあるサウンドでプレイ
関ジャニ∞にとってドームライヴの開催は 2019 年の〈十五祭〉以来3年ぶり。5人編成になって初のドームライヴである。昨夏のスタジアムライヴ〈18祭〉でバンドとしての成熟度や、充実度の高いエンターテインメントを発揮した彼らだけに、観客の声援が解禁となった本公演も期待しかなく、どのようなライヴが展開されるのかワクワクしていた。
会場にはステージの前に花道が作られ、アリーナ中央にセンターステージがある。そのセンターステージから5人が歌う「歓喜の舞台」でライヴはスタート。メンバーカラーで埋め尽くされた“ERライト”が美しい。今回はオフィシャルグッズであるERライトが大活躍。これは関ジャニ∞としては初となるBluetooth機能搭載の制御型ペンライトで、アプリと連携することで照明の演出の一部となって色が変わり、会場を美しく照らしていく。2曲目からはセンターステージがリフトアップし、スタンド方向へステージ自体が客席の頭上を通って進んでいく。センターステージからトランスフォームするムービングステージはスタンド席前まで移動し、リフトアップ/ダウンしながら曲ごとにセットを変えていく。
トロッコに乗って移動する定番の「がむしゃら行進曲」では、観客の歓声がすさまじかった。村上信五の“子供の声、男エイターの声、女性エイターの声”という恒例の呼びかけに会場から全力のレスポンスが返ってくる。その後も「無責任ヒーロー」などの人気曲がノンストップで6曲続いた。
『ハチフェス』の映像を挟んで、関ジャニ∞恒例のジャニーズメドレーへ。先輩・後輩へのリスペクトを込めた楽曲をカヴァーする中、昨夏も披露した「スシ食いねェ!」が今回は“ニク食いねェ!”になっていたり、嵐「Monster」では忠実に再現をしていたのが圧巻だった。
ライヴ後半は、久しぶりに新作コントありのエイトレンジャーのショーから始まる。続いて、関ジャニ∞の妹分であるガールズユニット“キャンジャニ∞”は、秋元康作詞の新曲「ないわぁ〜フォーリンラブ」を披露。TAKAHIRO氏の振り付けということもあり、かわいさとキレのあるダンスを披露する。ジャニーズJr.コーナーを挟んで関ジャニ∞のクールな一面がフィーチャーされた「Snow White」「Black of night」「Dye D?」を披露し、ついに後半の怒涛のバンドセットへ。
安田章大がコードをかき鳴らしながら始まる「宇宙に行ったライオン」。使っているギターはFender Custom Shop™️のTelecaster(Master Built by Jason Smith/Natural)(以下:Telecaster)。ナチュラルのカラーリングは、ヴィンテージ感も出てカラフルな衣装とマッチしている。ハイポジションでのリードプレイも、しっかりと芯のある音を聴かせていた。丸山隆平はダウンピッキングで図太い音を出しながらバンドサウンドを固めていく。
続いて、力強いバックビートを感じる「応答セヨ」へ。重たいビート感を生み出す大倉忠義のドラミングと、丸山の骨太サウンドのコンビネーション。横山裕のギターバッキングと村上の鍵盤でのコード感の上に、安田のTelecasterのエッジの効いたサウンドが乗り、バンドアンサンブルが塊となって会場に放たれる。音が振動となって、観客にダイレクトに伝わっていく様が見えるようだ。村上のピアノソロから「ここにしかない景色」へ。横山のギターソロのあと、安田はTelecasterでのギターソロでトレブリーかつミッドの立った存在感のあるサウンドでプレイ。昨夏のスタジアムライヴ〈18祭〉で使っていたAcoustasonic®︎とは違い、フロントピックアップでの太いサウンドが艶やかだった。
そして、アッパーかつ大合唱の代表曲「ズッコケ男道」では、観客も興奮はピークに。丸山はFender1965年製のヴィンテージのPrecision Bass(Fiesta Red)で、ピック弾きからスラップ、フィンガーピッキングなど多くの奏法を使い分けながらアグレッシヴにプレイ。バンドのアンサンブルの充実度がわかる楽曲でもある。続いての「勝手に仕上がれ」も大合唱曲。これまでの不満を払拭するかのように会場が一体となり、興奮度はMAXに。やはり関ジャニ∞はバンドサウンドが主軸にあることを再認識する。
安田がFender Custom ShopのStratocaster®︎(Master Built by Jason Smith/Shell Pink)を使った「愛でした。」は、サスティン豊かなギターソロから始まるアッパーな楽曲。鮮やかな衣装に映えるピンクのカラーリングが美しい。安田は太めのリードサウンドで、力強く突き刺さる音抜けの良いサウンドを出していた。ギターの横山と安田のギターワークもきちんと役割が明確になっていた今日のライヴ。アンコールを含む約3時間のライヴは幕を閉じた。
5人が音楽を楽しむ姿が終始見られた、“これぞエンターテインメント”と言える至高のライヴ。会場全体が笑顔に包まれる中、大声を上げてメンバーや楽曲へと歓声を送る。観客の歓声が解禁となり、これまで楽器や歌での振動しか感じなかったものに歓声による空気振動が加わり、本来のコンサートにやっと戻ってきた感覚を噛み締める〈関ジャニ∞ ドームLIVE18祭〉だった。