Brand New Vintage | 日野“JINO”賢二

ヴィンテージギター/ベースをこよなく愛しながら、現在進行形の新しい音楽を生み出すアーティストに登場してもらう「Brand New Vintage」。今回は自身のプロジェクト“JINO JAM”をはじめ、エレクトロニックジャズカルテットのSPIRAL DELUXE、MISIA、⻄野カナなど、多数のアーティストとのコラボレーションを行うスーパーベーシスト“JINO”が登場。American Vintage IIシリーズのAmerican Vintage II 1954 Precision Bass®American Vintage II 1966 Jazz Bass®を試奏してもらった。



ジャコを聴き始めてから絶対にジャズベを手に入れたいと思っていた

──2022年はどんな年でしたか?

JINO すごく楽しかったよ。いっぱいベースを弾いて、いっぱい曲を覚えて、ずっと学生な感じ。曲を勉強して譜面を書いて、現場に入ってたくさんレコーディングもした。ライヴはMISIAさんのツアーとデイヴィッド・フォスターのツアーが大きかったね。それ以外にも大黒摩季さんのレコーディングや、さかいゆうさんのライブ、TYJ(Toku、小沼ようすけ、JINO)with 沼澤尚のツアーがあったり、柳楽優弥さんの映画『ターコイズの空の下』の作曲プロデュースをしたり…。でも、小さい会場でもたくさんやった。フェンダーのベースは温かい音で、みんなが“JINOいいね!”と言ってくれる。半分は俺かもしれないけど、やっぱり半分は楽器だからさ。Jino Jazz Bassも弾いているし、エリート(American Eliteシリーズ)もウルトラ(American Ultraシリーズ)もヴィンテージも弾いている。だから去年は20〜30本のフェンダーを弾きました(笑)。

──今日はAmerican Vintage IIシリーズを2本試奏していただきました。American Vintage II 1954 Precision Bassの感想からお願いします。

JINO まずはネックがいいですね。フロントからバックまですごくミーティ(肉付きが良い、しっかりしりている)で最高です。この時代のUネックだけヴィンテージで持っていないんですけど、すごくいいです。音は温かいし、それでいてパンチー(パンチが効いている、力強い)だよね。モータウンからジャズまで何でもいける。スラップしてもいい音がするから、ちょっとびっくりしています。実際のヴィンテージは高くてそうそう買えないですから、こうした復刻はすごくありがたいですね。

──ありがとうございます。

JINO あとは、アッシュボディも大好きなんだ。スティングみたいにさ、ワンピックアップだけで温かい音を出すにはやっぱりアッシュなんだよね。レオ・フェンダーは本当に天才で、これを弾いている時にやっぱりその時代のことを思い出します。51年に初めてプレベが出て、もうちょっとクリアに弾きやすくしようと角張ったボディをラウンドにして。ネックは太いけど、すごくしっかりしているから弾いていて安心しますよね。あとはトーンもいい。プレベは57年からスプリットコイルになったんだけど、これはあまり経験がない。親から勘当されたんだけど、これは感動していますね(笑)。

──(笑)。American Vintageシリーズはほぼ弾いていますよね?

JINO 全部持っていますね。ツアーでオリジナルのヴィンテージを持って行ったこともあるんだけど、ローディーにチューニングしてもらった時に何回か傷つけられちゃって。そんな時、American Vintageだったらオリジナルと99%同じ音がして安心して弾けるので、フェンダーの中でAmerican Vintageが一番好きですね。

──このAmerican Vintage II 1954 Precision Bassは、どんな曲やシーンで使ってみたいですか?

JINO 温かい音だしワンピックアップだけどフロントだから、ソウル、ファンク、モータウン、ジャズ、あとはビートルズ! ああいうロックにもいいと思いますね。ボトムがタイトでバランスがいいので、どんなジャンルでもいけると思います。

──どんな人にオススメしたいですか?

JINO 手が小さい人。僕もそんなに手は大きくないけど、そういう人でもJazz Bassに近いので弾きやすいです。ウッドベースと同じくらい厚みはあるのですが、厚みがあったほうがネックは曲がらないし“鳴る”んですよ。ボディも大事だけど、ネックってエレベで一番大事な部分だと思います。僕みたいなフェンダーフェチの人は絶対に興味があると思う。コレクションの中に一本あったらすごくいいと思います。

──実際にライヴでも使えそうですか?

JINO うん! これはMISIAの「Everything」にもすごく合うと思うし、フラットワウンドで温かいから、ジャズにもいいと思います。かといって、昔のLouis Johnsonみたいにスラップもできたので、なんでもいけます。欲しいですね。買います(笑)!

──ぜひ! では次にAmerican Vintage II 1966 Jazz Bassの印象を教えてください。

JINO 66年を出したのがすごいですよね! 僕、初めてフェンダーのベースをゲットしたのが66年製のMustang® Bassだから懐かしいです。American Vintageシリーズだと62年と64年モデルを持っていて、66年製は本物のブロックインレイを持っているから“やっと66が来た!”って感じで嬉しいですね。(演奏して)とにかく弾きやすい! あと、このラッカーフィニッシュを見てください。すっごくキレイ! 当時の黄色が出ていて色もバッチリだし鳴ってるし。やっぱりAmerican Vintageの大ファンなのね。僕が弾いていたら、みんな“これ本物の66年ですか!?”って言うと思います。実際のヴィンテージを買えない人は、絶対に手に入れたほうがいいと思います。アルダーボディ、ローズ指板、バインディング付きの指板、ドットインレイ、パドルペグ。見た目がめっちゃカッコいいですね。色はこれ(3-Color Sunburst)だけじゃなくてOlympic Whiteのマッチングヘッドもあるし、僕のシグネイチャーモデルと同じSea Foam Green(オンライン限定)も(笑)。一生弾ける楽器だから、弾けば弾くほど鳴ってくると思う。ジャコ(・パストリアス)の音も出るしね。

──62年、64年モデルと比べて音はどう違いますか?

JINO この年代はミッドレンジが違うんですね。ちょっと尖っているから、バンドでも音が消えないと思います。ボイシングを変えた新しいピックアップはミッドがいい感じだから、どのアンプを使ってもちゃんと芯が出ると思います。ジャズベが好きな人は絶対に手に入れないとね。

──American Vintage II 1966 Jazz Bassはどんなシーンで使ってみたいですか?

JINO どこでも使えますよ。僕はセッションにも持っていくしツアーにも持っていくね。昔、Mustang Bassを手に入れた時からJazz Bassが欲しいと思っていて、学校の授業中にJazz Bassを描いたりしてたんですよね。僕のヒーローってジャコとかマーカス(・ミラー)だから、Jazz Bassが欲しいと思って初めて手に入れたのが77年製のジャズベ。ローズウッドとか60’sはあまり興味がなかったんだけど、ジャコを聴き始めてから絶対に手に入れたいなと思っていたの。やっぱりそのトーンが出るよね。すごくいい楽器だと思います。軽いしネックポケットもタイトだし、オールラッカーですよ。安心してどの現場にも持っていけるし、みんな“いいね”って言うと思います。このAmerican Vintage II 1966 Jazz Bassはフェンダーのラインナップの中で最強だと思います。絶対に弾いたほうがいいですよ。超弾きやすいし超鳴ってるから。

左:American Vintage II 1966 Jazz Bass | 右:American Vintage II 1954 Precision Bass


日野“JINO”賢二
幼少の時、父である日野皓正(トランペッター)とともにNYに移住。9歳よりトランペットを始め、16歳でベースに転向。17歳の時、ジャコ・パストリアスに師事する。19歳よりプレイヤーのみならずミュージックディレクターとしてプロ活動を開始。89年にはアポロシアターのハウスバンドの一員として出演。その後、父の日野皓正や叔父の日野元彦のアルバムに参加、NYブルーノートなどのライブハウスを中心にベーシストとして活動。2003年、アルバム『WONDERLAND』でのデビューを機に本拠地を日本に移して活動。数々のライヴサポート、レコーディングワークと共に、エレクトロニック・ジャズ・カルテット SPIRAL DELUXEでの活動や、ジャズ、ファンク、R&Bをクロスオーバーさせた自身のプロジェクトJINO JAMなど、多岐に渡って世界の音楽シーンで活躍するスーパーベーシスト。
https://www.jinobass.com

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