LUNA SEA -RELOAD- さいたまスーパーアリーナ2DAYS〈振替公演〉レポート
LUNA SEAが『LUNA SEA -RELOAD- さいたまスーパーアリーナ2DAYS〈振替公演〉』を3月27日(土)・28日(日)にかけて開催。その2日目の模様をレポートする。
昨年12月26日・27日に予定されていた〈LUNA SEA -RELOAD-〉の振替公演が、3月27日(土)・28日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された。真矢(Dr)のコロナ感染で延期になっていたライヴの振替であり、定員の50%の収容人数、2部構成で途中には換気タイムを設けるなど、徹底した感染防止対策の中で行われることとなった。
厳かなオープニングSEとともに、メンバーがステージに登場。RYUICHI(Vo)、真矢、SUGIZO(Gt,Violin)、そしてフェンダーのINORAN JAZZMASTER #3LTD, Masterbuilt by Dennis Galuszkaを抱えたINORAN(Gt)と、同じくフェンダーのPrecision Bass、リバースヘッドの通称“ブラックゴールド”(J Precision Bass BLACK GOLD)を携えたJ(Ba)が、精悍な顔つきで各々のポジションにつく。
INORANの奏でる、澄み切ったサウンドによるアルペジオのイントロが一瞬で空気を変え、「LUCA」でライヴはスタート。歓声を上げられない観客たちの心にも、この日のライヴを待ち望んでいた期待の灯がともる。たたみかける真矢のドラムと、硬質なベースサウンドでハードにピッキングするJのコンビネーションがテンションを高める「Déjàvu」で、熱気はさらに上昇していく。
「大変なこの時期に勇気をもってここに来てくれてありがとう。配信で観てくれている人たちも絶叫してほしいなと思います。会場のルールで声を出せないので、みんなの心の声をしっかり受け止めたいと思います」と、RYUICHIがファンを労った後、「Closer」「You’re knocking at my door」といった、アルバム『CROSS』からのナンバーを披露。INORANはINORAN JAZZMASTER #1 LTDに持ち替え、アルペジオの時はきらめくようなサウンドを、カッティングでは分厚いサウンドで曲の表情を彩っていく。
そして、「PHILIA」ではRYUICHIのシャウト、ワウを駆使した激しいSUGIZOのソロに続き、Jがピアノを弾くシーンも。いったん静かなパートに入ったあと、後半では再びエモーショナルなパートに展開し、楽曲のダイナミズムを大胆に表現していた。
「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」では、多彩なSUGIZOのフレージングやこまやかに変化する音色使いに対し、INORANが豪快なギターサウンドを聴かせ、その対比で曲の個性を立体的に浮かび上がらせる。さらに、2人を支えるJの生々しいタッチのベースの音が曲の躍動感を増幅させる。
静けさの内側に熱を潜ませているような「静寂」は、変拍子のリズムも含めて作り込まれたナンバー。INORANはINORAN JAZZMASTER #3LTDにチェンジし、ふくよかなサウンドによるアルペジオで包み込むようなスケール感を担い、RYUICHIのヴォーカルもまた果てしない高揚感をもたらす。
一転して明るい曲調の「Hold You Down」では、軽快なリズムに乗せて会場から大きな手拍子が沸き起こる。そして、ゆったりとした「THE BEYOND」で未来に向けた希望を込め、第1部を終了した。
インターバル後の第2部は「LOVELESS」をはじめ、彼らの代表曲がずらりと並ぶセクション。Jのベースは太いグルーヴでバンドの勢いを加速し、「BELIEVE」ではINORANのカッティングもシャープさにさらに磨きがかかる。
「こんなに静まりかえった会場もなかなかないけど、すごく熱いんだよね。みんなの思いがすごく伝わっているし、今日はどうもありがとう。さいたま、盛り上がっていこうぜ!」と、RYUICHIがライヴ後半に向けて観客を煽る。
全員が一丸となった抜群のコンビネーションを聴かせる「DESIRE」「SHINE」といったナンバーは、30年を超える彼らのキャリアのなせる業だ。安定感溢れる土台の上で、とてつもない開放感が生まれていく。
「gravity」でINORANは再び青いJazzmaster(INORAN JAZZMASTER #3LTD)を手に、揺らめくような幻想的なアルペジオを奏で、JはJ Precision Bass CHAMPAGNE GOLDで、シンプルなフレーズとともに芯のあるサウンドで曲の屋台骨を築く。そこに、しっとりとしたRYUICHIの歌声が物語を紡ぎ上げた。
また「I for You」では、JはOriginal Precision Bassを使用し、繊細な曲調に溶け込みながらも主張のあるクリアなサウンドで存在感を生み出す。そこに、American Acoustasonic Jazzmasterを使用したINORANの粒立ちのあるアルペジオが感情の揺らめきを表現し、端正な演奏が深みをもたらしていた。
ラストに向けては「ROSIER」「TONIGHT」と、一気にピークへ向かう楽曲が連続。全力を出し切る5人のエネルギー量が最高潮に達し、熱気溢れる空気のまま本編を終了した。
アンコールでは大きな拍手に加え、入場時に配られたブルーのフィルムを張ったスマホのライトを観客がかざし、青い光が会場を埋める。
「みんなに青い光を照らしてもらっています。みんなが灯してくれている青い光を、世界中で頑張っている人たちに届けられたらいいなと思っています。絶対にトンネルの出口まで一緒に行こうね!」と感謝の言葉を述べたRYUICHIが、American Acoustasonic Telecasterを弾きながら「Make a vow」を歌い始める。歌を引き立てる、限りなく生音に近いサウンドが、バンドの音にさらに生命感を加味していく。
メンバー紹介のあと、爽快感に満ちた「WISH」。そしてラストはアルバム『CROSS』でも最後に収録されていた「so tender…」を心を込めた演奏と歌で届け、感動のうちにフィナーレを迎えた。
終了後、ステージに出てきて感極まって涙ぐむ真矢、深々とお辞儀をするSUGIZOの姿など、最後までメンバーの思いが深く刻まれたライヴ。あらためて揺るぎない5人の絆を、そしてファンとの強い信頼関係を感じさせてくれたステージだった。
コロナ禍の時代を超え、新たな日常とともにさらに先へ進もうとする意欲的なLUNA SEA。再延期となっている全国ツアーの再開が待ち遠しい。
【SET LIST】
第1部
- LUCA
- Déjàvu
- Closer
- You’re knocking at my door
- PHILIA
- 宇宙の詩 ~Higher and Higher~
- 静寂
- Hold You Down
- THE BEYOND
第2部
- LOVELESS
- BELIEVE
- DESIRE
- SHINE
- gravity
- I for You
- ROSIER
- TONIGHT
ENCORE
- Make a vow
- WISH
- so tender…
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