SCANDAL 『SCANDAL BEST★Xmas2019』レポート
SCANDALが12月24日（火）マイナビBLITZ赤坂にてクリスマスライヴ『SCANDAL BEST★Xmas2019』を開催。その模様をレポート。
2019年12月24日、SCANDALのクリスマスライヴ『SCANDAL BEST★Xmas2019』がマイナビBLITZ赤坂にて開催された。ここは、昨年行われた彼女たちのクリスマスライヴでプライベートレーベル“her”の設立を発表した会場であり、SCANDALの新たな歴史が始まった場所でもある。さまざまなカラーの楽曲をリリースしてきた変化と挑戦の2019年を締め括るライヴとして、会場を埋めるオーディエンスたちの期待は最高に高まっていた。
オープニングSEでさらに熱気が高まるステージにメンバーが登場。配信限定でリリースされたばかりの最新曲「最終兵器、君」でライヴはスタートした。
髪を振り乱しながらパワフルなビートを叩き出すRINA（Dr,Vo）、安定感のあるグルーヴを生むTOMOMI（Ba,Vo）、はじけるようなアクションでギターリフを奏でるMAMI（Gt,Vo）、そしてドラマチックなメロディを高らかに歌い上げるHARUNA（Vo,Gt）。4人が最初から全力で全開のパフォーマンスを繰り広げる。その勢いのまま、アッパーな「Flashback No.5」ではコール＆レスポンスで盛り上がり、ヘヴィなギターリフとキャッチーなサビが鮮やかな対比を聴かせる「マスターピース」で会場を沸かせる。
「最初からメチャメチャいい感じじゃない？ 今日はたっぷりやりましょう、いっぱいいろんなことを用意しているので。年末のラストワンマンだし、忘年会のつもりでいろんなことから解き放たれて騒いでいきましょう！」（HARUNA）
「恋するユニバース」以降、TOMOMIが黒いフェンダーPrecision Bassにチェンジ。アタックがクリアになり、フレーズがグッと前に出てベースの存在感をより強く発揮する。自身のシグネイチャーモデル HARUNA TELECASTER でシャープなカッティングを聴かせるHARUNA、ワイルドな音色でリフを弾くMAMIの個性も際立つ。さらに、会場から大きなハンドクラップが起こるファンキーで明るい「Stamp!」、観客のタオル回しでさらに一体感が増す「エレクトリックガール」と、畳み掛けるようにライヴ映えする楽曲が続く。
そして、HARUNAとTOMOMIの掛け合いヴォーカルが魅力の「LOVE SURVIVE」では、いつも以上の熱量でラウドなサウンドを生み出し、HARUNAが“もっと来いよ！”と会場をエネルギッシュに煽るなど、迫力に満ちた場面を見せてくれた。
この後は、全員で嵐のカヴァー「Love so sweet」を歌ったり、メンバー4人による“利きプリン”のコーナーに突入するなど、くつろいだ流れに。さらに、初となるHARUNAの「Fuzzy」ソロアコースティックギター弾き語りという、スペシャルな企画も用意されていた。
再び各々のポジションに戻り、「ちいさなほのお」をじっくりと演奏し歌う。まさに心に炎が灯るようにじわじわと感動が押し寄せ、静かな美しさに会場が包まれた。
「この一年（2019年）は挑戦の年として、いろんなタイプのライヴをやりたいと思っていて。ライヴをやることで自分たちもワンランク上や、次のフェーズに行きたいという想いでやっていたけど、自分たちだけじゃなく、みんなもそういう想いで来てくれているんじゃないかな。ライヴハウスツアーでも今までに見たことのない熱気があって、一緒にいいライブを作りたいっていう感覚で足を運んでくれているみんなの気持ちが嬉しかった一年でした。しかも、対バンのメンバーやスタッフが、お客さんのことを褒めてくれたのが嬉しかった。そう思わせるみんなが、ウチらのファンでいてくれていることが誇らしかったです。来年もまだまだ頑張るし、かっこいいバンドでいたいし、みんなもカッコいいファンでいてほしい。チームSCANDALで世間を驚かせてやりましょう」（HARUNA）
自分たちを支えてくれるファンへの感謝を述べた後、新曲「A.M.D.K.J.」を国内初披露。TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』エンディング主題歌で、2020年1月8日のリリースよりも一足先に演奏することとなった。この曲以降、MAMIは新しいギター MADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER HH にチェンジ。音色がより明瞭になり、高音から低音まで抜けのいいサウンドが楽曲に引き締まった印象を与えていく。
ライヴ後半は、よりハードな音になって凄みを増した「瞬間センチメンタル」、スピード感溢れる演奏にMAMIの細かなフレーズがくっきりとした音色で浮かび上がる「OVER」、跳ねたリズムがダンサブルな空間を彩る「テイクミーアウト」と、ひたすらテンションを高めていく。
最後は広がりのあるメロディが解放感をもたらす「Image」。スケール感のある歌とともに透き通った音色でカッティングするHARUNA、鋭く突き刺すような高音でソロを弾くMAMI、膨らみのある音色でグルーヴ感を醸し出すTOMOMI、そして全身全霊でビートを刻むRINAと、4人が完璧に一体となったライヴを見せつけてくれた。
盛大なアンコールに応えて笑顔で現れた4人は、夏に行われた「KARAOKE Night」同様に、メンバーが演奏し観客が歌うという趣向で「SCANDAL BABY」を選曲。このスペシャルな企画にさらに大きな盛り上がりを見せた観客たちが大合唱し、その全力ぶりにメンバーも微笑んでいた。
ラストは“これで力尽きようぜ！”とHARUNAが叫んで始まった「STANDARD」。RINAの激しいドラミング、MAMIの歪ませたヴォーカルといった過激な要素満載の高速ナンバーで、爽快にエンディングを迎えた。
プライベートレーベル“her”より、2020年2月12日にアルバム「Kiss from the darkness」をリリースすることが発表されたSCANDAL。このアルバムを携え、2020年3月7日からはツアーもスタートする。まだまだ彼女たちの挑戦は続きそうだ。
セットリスト
01.最終兵器、君
02.Flashback No.5
03.マスターピース
04.恋するユニバース
05.Stamp!
06.エレクトリックガール
07.LOVE SURVIVE
08.Love so sweet（嵐）
09.Fuzzy
10.ちいさなほのお
11.A.M.D.K.J.
12.瞬間センチメンタル
13.OVER
14.テイクミーアウト
15.Image
ENCORE
01.1.SCANDAL BABY
02.STANDARD
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