The New Inspiration | tricot

今年結成15周年の4ピースオルタナバンド・tricot。日本だけにとどまらず、海外にも多くのファンを持ち、海外でのライヴも行っている世界が注目するバンドだ。そんなtricotが、Fender Flagship Tokyoにて行われたFenderNewsの公開収録イベントに登場。当日、会場は抽選で選ばれたラッキーなオーディエンスで満員。イベントが始まりメンバーが登場すると、いきなり4曲のライヴをかましてくれた。しかもこの日は竿隊の3人、中嶋イッキュウ(Vo,Gt)がPlayer II Modified Stratocaster HSS Floyd Rose(Olympic Pearl)を、キダ モティフォ(Gt,Cho)がPlayer II Modified Telecaster(Electric Blue)を、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba,Cho)がPlayer II Modified Active Precision Bass(Sunshine Yellow)と、普段使用していない楽器で演奏するというスペシャルなライヴ。ライヴの直後に、楽器を抱えたままインタビューが行われた。


Player II Modifiedは欲張りタイプの人にぜひ弾いてほしい

──せっかくなのでライヴの感想を。イッキュウさんから。

中嶋イッキュウ(以下:中嶋) 今回は立ち位置の関係上、私のアンプとお客さんが近いんですけど、普段こんなにアンプの近くで直で聴くことはないと思いますので、色々バレたかなっていう。はい、申し訳ございません(笑)。今日はこういう環境だからこそ、普段聴けない私のギターを聴いていただけたということで、大変ありがたく存じます(笑)。

ヒロミ・ヒロヒロ(以下:ヒロミ) いつもと違うフェンダーのベースを使って、アンプもフェンダーを使って演奏しました。新しい楽器というか、いい楽器を持つとすごいテンション上がりますね。なので、気分よくやらしてもらいました。

キダ モティフォ(以下:キダ) いつもと違うギターで演奏するのは、私自身も見ている方も新鮮なのでは(笑)。こんな真っ青なギターを持つことがなかったので、新鮮なtricotをお見せできていたらいいなと思っていました。お客さんとの距離が近くて恥ずかしいんですけどね。

──恥ずかしいんですか?

キダ 恥ずかしいですよ。こんなたくさんの方と目が合って。

中嶋 お互いに恥ずかしめ合ってるってこと?

キダ そうそう。

中嶋 いつも以上の絆が今日のライヴにはありますね。

──そして、フェンダー初登場の吉田さん。ライヴの感想をお願いいたします。

吉田雄介(以下:吉田) 僕も同じく、普段はドラムの音が生で聴こえる距離感でやることはないので、ドラムってこういう音だよって感じです(笑)。

──吉田さんがドラムを始めたきっかけを教えてください。

吉田 趣味が欲しくて。別にドラムがやりたいとかじゃなくて、本当に特技で一つ書けたらいいなと思って習い始めました。

中嶋 そうなんです! 吉田さんはドラムで音楽の覇者になるぞと思って始めたんじゃないのに上手いという、鼻につくタイプなんです(笑)。

──(笑)。他のメンバーの音楽、今の楽器を始めたきっかけも。

中嶋 私はモテたくて始めました。はい! 以上です!

ヒロミ 私は中学3年生の時に、一つ上の仲いい友達にライヴに誘ってもらって初めてライヴハウスに行って。学生のライヴやったんですけど、それを見て、かっこええ!私もこの部活入りたいな!と思って軽音部に入ったのがきっかけです。

キダ 私は父も母もみんな音楽が大好き一家なので自然と音楽に囲まれてた…っていうほど囲まれてはないんですけど(笑)。実家に父のギターがあって、それを弾きたいなと思って始めたのがきっかけですね。アコギもエレキも両方あって、初めて弾いたエレキギターがまさにフェンダーの黒いStratocasterでした。

──オススメの練習方法を教えてください。

キダ 好きな曲を流して同じフレーズをコピーするのも練習になると思うんですけど、私はその曲を聴きながら自分のフレーズを好きなように弾くっていう練習をやっていたので、ぜひやっていただきたいなと。

中嶋 私はtricotのギターに関しては、キダ先輩から一個一個教えてもらってるので。あと、tricotの曲は歌いながら弾くのが非常に難しくて、歌のリズムとギターのリズムが違ったりするんで、とにかく瞑想(笑)。怖いこと言いますけど、一人を二つに分けてですね(笑)。ギターと歌をバラバラでやって、合体させることが必要になります。そうすると私になれます。

──確かにtricotは変拍子も多いですから、弾きながら歌うのはかなり難しい。

中嶋 そうですね。それが精一杯で、細かい技術面はなかなか上達していません。すいません。

──せっかくなのでベースのオススメの練習法も教えてください。

ヒロミ 私はひたすら好きな曲をコピーしてましたね。ひたすら耳コピしたり、家で音源に合わせて弾きまくってました。

──さて、今日は普段使用していないフェンダーの楽器で素晴らしいライヴを披露してくれたのですが、楽器のインプレッションを。イッキュウさんはPlayer II Modified Stratocaster HSS Floyd Rose(Olympic Pearl)です。

中嶋 ルックスがすごくかわいくて、パールがかった感じだけど全体的にクラシカルな色味。私は完全に見た目で選んでしまいました。すごくまっすぐな音が出る感じがします。ピックアップがノイズレスなんですよね。それが大きな理由かなと。

キダ アームでギュイン!ってやってみて。

中嶋 はい! 人生初のギュインです! (試奏)

キダ アハハハハ! どこで使うねんそれ。

中嶋 すいません! けど、めっちゃ楽しかったので家でずっとやろうかなって思ってます(笑)。

──どんな人にオススメ?

中嶋 さっきキダ先輩から“お前にはもったいないスペックのギターだぞ”ってご指摘いただきました。でも10万円台で買えるっていうことですので、もちろんビギナーの方でもいいし、他のギターも試してみたい方にもオススメかなと思います。

──キダさんはPlayer II Modified Telecaster(Electric Blue)を弾いてくれました。

キダ 私は普段、ストラトタイプばかりを使ってるんですけど、テレキャスの形がすごく好きで“持ちたいなぁ”って思いながら日々を過ごしていたんです。普段ならこの色は選ばないんですけど、新鮮な気持ちで選ばせてもらいました。テレキャスの音を出したことがないので、同じシングルコイルのギターでもタイプが違うんだなっていうのが新鮮でした。で、ノブを引っ張ると二つのピックアップが直列になるらしくて、もうハイテクすぎひんかと。音がすごく太くなって、シングルコイルのチャキチャキした音も、ハムっぽいしっかりした音も出せるすごくお得なギターです。

──そのスイッチに関してはストラトにもついています。

キダ そう、一番下のやつを持ち上げてみて。

中嶋 あ! 本当だ。

キダ リアのハムがシングルコイルに切り替わるという。だから中嶋は絶対に使わへんと思うねん。

中嶋 使いますよ! 曲中に引いたり押したりしますよ!

キダ アハハハハ! だってそれ一本で7通りの音色が出せんねんで。

中嶋 じゃあもうこれ一本でいきます。アンプ直で7種類、一曲の中で使います。

──キダさんは実際に今日のライヴ中に使っていましたよね?

中嶋 しっかり見られていますね。

キダ スポーツのビデオ判定みたいな(笑)。

──(笑)。せっかくなのでどう使い分けていたか教えてください。

キダ 曲中で歪みを足してギャーン!といく時に、ノブを引っ張ってより厚い音にしました。

──手元でできるのは画期的ですよね。

キダ はい。すごく便利だなと思いました。エフェクターで音を変えるのもいいけど、ピックアップで音を変えられる選択肢があってもいいんじゃないかと思います。

──Player II Modified Telecasterはどんな人にオススメですか?

キダ キラッとした高音で弾きたい人。あと、細い音も太い音も欲しい欲張りタイプの人にぜひ弾いてほしいなと思います。

──ヒロミさんはPlayer II Modified Active Precision Bass(Sunshine Yellow)。見た目とプレイアビリティを聞かせてください。

ヒロミ この黄色ちゃんがかわいくてこのSunshine Yellowにしました。見た目は200点のかわいさです。あと、私はもともとメイプル指板が好きで、普段使っているのもメイプル指板なので選ばせていただきました。ピックアップで音が変えられて、プレベの音とジャズべの音と、あとミックスの音にもできるんです。これ一本で三つの音色に切り替えられるのがまずはすごいなって。あとは、ベースとミドルとトレブルのEQの効きがすごく良くて、いろいろな音作りが手元でできるのがすごく面白かったです。

──それだけ手元でできると、ライヴにもぴったりだったりしますか?

ヒロミ そうですね。どの現場でも使えそうです。ライヴハウスでもいいし、特殊な環境でも手元だけで音作りができるので。あとは、パッシヴとアクティヴの切り替えですよね。私はアクティヴにしてるんですけど、それでパワフルさが変わったりして、めっちゃ面白いなと思いました。

──ピック弾きでの音の立ち上がりはどうですか?

ヒロミ いいです。そしてとても弾きやすいです。私は普段ジャズベなんですけど、プレベって手がちょっと小さい人には弾きにくいイメージもあったんですけど、これは弾きやすいです。

──どんな人にオススメですか?

ヒロミ そうですね。ジャズベ、プレベのどっちがいいんやろうと迷っていたり、自分だけの新しい音を作りたい人には、いろいろと試せてすごくいいんじゃないかなと思います。

──さて、tricotは今年結成15周年。ここまでどんな感じなんですか?

中嶋 15周年とは思えないぐらいのんびりと、余生かのように過ごしてますけど(笑)。2025年に入って本当に充実した時を過ごしています。今年2月にワンマンライヴをZepp Shinjukuでやったのを皮切りに、今年は15周年だなっていう空気になっている感じですね。

──近いところで言うと9月1日に恵比寿リキッドルーム、9月30日にキネマ倶楽部でライヴがありますが、それぞれどんなライヴになりそうですか?

中嶋 9月1日はtricotの結成日なので、ここ最近は毎年リキッドルームに皆さんに集まっていただいて、一緒にやってみたかったバンドを呼んだ会もありましたし、仲良しのバンドとやったこともあったんですけど、今年はワンマンでやろうと。まだメンバーと話してないんですけど、私的には盛り上げたろうかなと思ってます!

キダ アハハハ! 楽しみやな、それは。盛り上げてくれるんや。

中嶋 そして、9月30日のライヴでは斎藤ネコさんに入っていただいて、いろいろ一緒にやろうと思っているのと、〈マネキ倶楽部〉というタイトルにして他にもゲストを呼べたらいいなと考えているところです。同じ曲だけど違うtricotが見られる貴重な一日になると思うので、絶対に来たほうがいいです。

──15周年を迎えて、ここからのバンドとしての目標は?

中嶋 本当にやりたいこととか、“tricotでこういうことができたらいいな”みたいな夢はたくさん私の中にあるんですけど、一番優先したいのは長く続けること。もしも夢が叶わなくても、続けることだけはやめたくないなと思っています。

──素敵です。バンドを長く続けるためのコツを教えてださい。

中嶋 いっぱいありますけども、やっぱりバンドは15年続くぐらい楽しいものなので。あとは、メンバーを信じるとかすごくシンプルなことです。私は、向き合わないのがある意味正解かなって思うんです。恋人もそうですけど、向き合うよりも同じ目標に向かうほうが心地良く前を向けると思います。それってある意味の信頼というか。“おいおい、ちゃんと練習した?”とか、そういう会話も大事ですが、実際にそこばかり気にする人も多いと思うんですよね。求めたり期待するのも大事なんですけど…私はこのメンバーと一緒にいれたらそれでいいやっていうところがあるので。メンバーと向かい合うよりは、同じ道を、目標に向かって進むことが長生きの秘訣かなと思います。


tricot
中嶋イッキュウ (Vo&Gt)、キダ モティフォ (Gt&Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ (Ba&Cho)、吉田雄介 (Dr) の 4人からなるロックバンド。「このメンバーなら凄い事が出来る ( 絶対 ) !」と確信し、2010 年に結成。展開が予想できない独特でスリリングな楽曲と圧倒的なライブパフォーマンスに定評があり各地大型フェスに出演し注目を集める。 2014年以降は欧米、アジアに活動の場を広げ、2015年にはイギリスのNME.COMで特集が組まれ、同年にアメリカのRolling Stone.comの「あなたが知るべき10組のニューアーティスト」に選出された。 2019年にメジャーデビューを果たし、2022年にヨーロッパにて10カ国20公演と動員数1万人を超える海外ツアーを開催。 2023年にもイギリスにて13公演のツアーを開催し、各地ソールドアウトと大盛況で幕を下ろした。 2024年10月リリースの「おとずれ」がテレビ朝日系NUMAnimation枠TVアニメ「君は冥土様。」のオープニング主題歌に決定、2025年には中国ツアーも開催し、国内のみならず海外でも注目度が急上昇中のロックバンドだ。
https://tricot-official.jp/

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