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Unlimited Expression | Rei

フェンダーが提案する新機軸のギター「American Acoustasonic」シリーズを使って、アーティストが自由に、そして無限の表現を繰り広げる「UNLIMITED EXPRESSION」。今回は、卓越したギタープレイとヴォーカルを持つReiが登場。フェンダーとの出会い、3本所有するというJazzmasterへの想い、そしてAmerican Acoustasonicシリーズについて話を聞いた。

Jazzmasterは斜に構えている青レンジャー的な存在

― フェンダーギターとの出会いを教えてください。

Rei エレクトリックギターを弾き始めたのが5歳の時だったんです。今も弾いている赤いStratocasterがあるのですが、すでにその時にはそのStratocasterを所有していました。体が小さかったので、そのギターを弾けるようになったのはもう少し歳を重ねてからですけど、今でも一番思い入れのあるフェンダーのギターはその赤いストラトです。

― 子供心にフェンダーってどんな印象でしたか?

Rei 自分にとってのスタンダードがフェンダーで本当に良かったなと今も思います。フェンダーライクな楽器ってたくさん市場に出回っていると思いますけど、本家のフェンダーは本物の音がする。レオ・フェンダーが築いてきたすべてのフォルムやスペックには理由や意図があって。そういうものってすごく信憑性を感じますし、それが自分のスタンダードになったことによって、楽器を選ぶ基準ができたのかなと思います。

― 現在、フェンダーのギターは何本お持ちですか?

Rei 把握していないので今度数えてみます(笑)。今日はAmerican Acoustasonic Jazzmasterを弾かせてもらいましたけど、Jazzmasterは3本持っています。

― Jazzmasterはどんな存在ですか?

Rei 斜に構えていて、青レンジャー的な存在かなと思います(笑)。でも、みんなが一度は持ってみたいって思う楽器ですよね。私が最初に手にしたJazzmasterはシェルピンクの99年製で、レリック加工されたものでした。プリセットスイッチも回路から外されていて、天邪鬼な音がします。ストラトより一回り大きいシングルコイルなのですが、とても鋭利なトーンで新鮮さがありましたね。あと、オフセットボディのビジュアルも含めてすごく大好きになりました。

― なるほど。

Rei それから、American Originalシリーズのターコイズのボディにべっ甲のピックガードのもの、American ProfessionalシリーズのオリンピックホワイトのJazzmasterも持っていますが、どちらもネックがCシェイプで、私の手に合っているということもあって愛用しています。

そもそもJazzmasterが誕生した時に、プリセットボリューム・トーンがとても革新的だったわけですよね。それによって、リズムギターとリードギターのどちらも担えるのがJazzmasterの強みだと思うんです。じゃじゃ馬のイメージもありますが、実はすごく幅広く演奏できるギターだと思う。その幅広さというか、個性が強いように見えて意外とどこにでも馴染めるような特性を、Acoustasonicにもピックアップのスペックなどは違いますが、受け継いでいるのかなと思いました。

― 確かにストラトとテレキャスは“これぞ!”というど真ん中がありますが、Jazzmasterって使い方次第ではいろいろなところのど真ん中にもなり得ますね。

Rei そうなんですよ。個人的な見解ですけど、ストラトとかテレキャスってすごく幅広く使えるような楽器に見えて、実はすごく個性が強いと思っているんです。

― 言われてみるとそうかもしれないですね。さて、今日のAcoustasonicシリーズですが、ちゃんと弾くのは初めてですよね?

Rei そうです。

― 発表になった時、どんな印象でしたか?

Rei 最初は疑いの目で見ていましたよね(笑)。“フェンダー、大丈夫?”って思ったけど、改めて演奏してみて納得しました。ちょっとしたスピンオフではなくて、本気でこれを新しい楽器としてプロモートする気がフェンダーにあるんだなと伝わってきました。


― 弾いてみての感想は?

Rei この楽器の一番優れている点を一言で言うと、柔軟性だと思います。新しい楽器としての価値もありますし、エレキを主に弾かれる方にとってはエレキギターにもなれるし、アコースティックギターを弾かれている方にはアコースティックギターにもなれる。今の時代って、良くも悪くも消費者に対してどのくらいフィットできるかが、楽器のみならず商品にはすごく大事なことだと思うんですけど、それをすべて叶えている楽器なのかなと思います。

― なるほど。

Rei その上で強調したいのが、Acoustasonicはエレクトリックとアコースティックのプレイアビリティが両方備わっているギターだということです。私は例えとして、エレクトリックギターは”鮫”で、アコースティックギターは”鯨”だと思っているんです。見た目は似ているんだけど、魚か哺乳類かって実は全然違ういきものですよね。エレキとアコースティックって、ギターとしてのフォルムは近いのですが、実は奏法が全然違うんです。

― というと?

Rei アコースティックは、響きをすごく大切にするギター。エレクトリックギターはミュートを大事にするギターなんですね。そこの違いを把握しきれてないと、存分に楽器の良さを引き出せないと思っています。その両方を、Acoustasonicで練習できるのはすごく良いことだと思います。

― 実戦でも使えそうですか?

Rei もちろん使えると思います。例えば、長いセットリストで曲間の流れをスムーズにしたい時とか、ギターの持ち替えをせずにセレクターを変えるだけで音色を変えられるので。

― 今後が楽しみです。では最後に、ビギナーの方にアドバイスをお願いします。

Rei 自分が好きな曲を演奏することじゃないですかね。楽しくないと続かないと思うので。そういう意味では、自分が楽しく弾ける楽器を探すことだと思います。ビジュアルから入るのも大正解だと思いますし。フェンダーは新しいカラーもどんどん出ているので。

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Hair and Make-up: Haruka Miyamoto

― 今日の洋服もフェンダーギターのカラーからインスピレーションされたとか?

Rei はい。私、ピックガードの色を変えるとか、そういう見た目のカスタムもよくやっていて。そういう意味でも、楽器は奥深いですよね。

― 小さい頃から練習していたら誰でもReiさんみたいになれますか?

Rei なれないと思います。私は特別なので(笑)。それは冗談です。

できないことはないと思います。それは楽器に限らずすべての挑戦にいえることです。楽器を幼い頃からやっていないからという理由で諦める必要はなく、いくつになっても楽器を始めることは、自分の心の支えになりますから。私は学生時代、友達があまりいないタイプだったので、いつもギターを抱きしめて“僕の友達はギターだ”という感じでした。今でも、本当に心細い時には話しかけるような相手ですから。お友達としても楽器を始めるのはよいのではないでしょうか。

― 世の中に天才と言われるギタリストっていますよね。ジミヘン、ジェフ・ベック…何が違うのでしょうか?

Rei 天才なんて言葉は幻です。努力っていう後ろ盾があって、天才に見えているだけだと思います。でも、“音楽の神様に呼ばれているなこの人”という瞬間をライヴで目にすると、やっぱり天才が降臨しているのかなって思う時はあります。なので、自分が音楽の神様に見初められる天才的な瞬間を、いつも夢見て演奏していますね。ずーっとひたすら弾き続けて、練習し続けて、ライヴの前にひと目惚れで誰かに恋に落ちたとして、その感情のエッセンスが一滴だけテクニックに加わったことによって魔法になるんだと思います。


American Acoustasonic™ Jazzmaster® はフェンダーアコースティックギターの進化を加速させ、音楽をさらなる高みへと導きます。フェンダーとフィッシュマン®により共同開発されたアコースティックエンジンは、きっと素晴らしいインスピレーションを与えてくれるはずです。アコースティックのフォーキーなサウンドからエレクトリックギターのリズムトーンまでをこなすこのギターは、無限の可能性を秘め、新しい扉を開く革新的なモデルです。


Rei
卓越したギタープレイとヴォーカルを持つシンガーソングライター/ギタリスト。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターを始め、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。2015年2月、長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、1stミニアルバム『BLU』をリリース。FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVAL、ARABAKI ROCK Fest、SXSW Music Festival、JAVA JAZZ Festival、Les Eurockeennes、Heineken Jazzaldiaなどの国内外のフェスに多数出演。2017年秋、日本人ミュージシャンでは初となる「TED NYC」でライヴパフォーマンスを行った。2020年11月25日、専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)CMソングの「What Do You Want?」、SOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボレーション楽曲「Lonely Dance Club」を含む2ndアルバム『HONEY』をリリース。2021年2月14日、〈Rei Release Tour 2021 “SOUNDS of HONEY” at EX THEATER ROPPONGI〉を開催。2021年2月26日、1stアルバム『REI』のInternational Editionが、US/Verve Forecastレーベルより全世界配信。
› https://guitarei.com

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