Special Interview | SCANDAL -前編-
Haruna Telecaster®︎ Boostはものすごく自分に自信を持たせてくれる
2006年の結成より、アイコニックな4人のキャラクターとともに、抜群のポップセンスと圧巻のライヴパフォーマンスで日本のロックシーンをリードし続けてきたSCANDAL。2017年に日本人女性アーティストとしては初となるフェンダー社とのエンドースメント契約を締結した彼女たちが、“今本当に欲しい一本”と言える新たなシグネイチャーモデルを完成させた。インタビュー前編では、HARUNA(Vo,Gt)、MAMI(Gt,Vo)、TOMOMI(Ba,Vo)の3人にシグネイチャーモデルに込めた想いを聞いた。
ライヴでも思っていた以上に暴れてくれて最高です
―まずは、新たなシグネイチャーモデルのコンセプトから教えてください。HARUNAさんはHaruna Telecaster®︎ Boostですね?
HARUNA 前回のシグネイチャーモデルHaruna Telecaster®をすごく気に入っていて、ここ2〜3年でリリースしたアルバムの曲にもすごくぴったりで、もう“これさえあればいい”と思っていたくらいなんです。でも逆に、それ以前に出した楽曲でライヴの重要なシーンを担う「瞬間センチメンタル」とか「Flashback No.5」などに使える新たな一本が欲しいなと思って、今回Haruna Telecaster Boostを製作させていただくことになりました。
―そのコンセプトを実現するためにこだわったポイントは?
HARUNA やはり、よりパワフルな音を出すために搭載したハムバッカー・ピックアップですね。音圧とか音の幅がものすごく埋まるので全然違います! しかも、ボディ材はフェンダーでは珍しいマホガニーで、マホガニーとハムバッカーという組み合わせでさらに音の重さが増しているので本当に満足しています。
―プロトタイプは2021年の大阪城ホール公演から使っていますが、今年7月の北米ツアーでも使用しましたか?
HARUNA 曲によって使いましたが、ライヴでも思っていた以上に暴れてくれて最高です。
―ギターがパワーアップをすると、ヴォーカルもテンションが上がるのでは?
HARUNA そうなんです。今回の北米ツアーでは最新アルバム『MIRROR』の曲だけではなくて、ライヴの代表曲やSCANDALを知るきっかけとなったであろう曲も演奏したのですが、このHaruna Telecaster Boostがものすごく活躍してくれたので、このギターの音の印象が強く残ってくれたんじゃないかと思います。
―見た目のこだわりは?
HARUNA 前作のHaruna Telecasterが自分にとってのシグネイチャーモデルの基盤なので、そのイメージをあまり崩したくなかったんです。力強い一本を作るにしても、持った時にスタイリッシュでありたかったので、シンプルだけど高級感のあるデザインにしました。パーツもゴールドからシルバーに替えて、大人っぽくなったと思います。
―他の2人から見てHaruna Telecaster Boostはどうですか?
MAMI むちゃくちゃパワフルで、すごく頼り甲斐があるなって。HARUMNAが一人で歌いながら弾くシーンも、すごく安定していましたね。芯のある音がするから、メロディも取りやすいのかなと聴いていて思いました。
TOMOMI 強キャラだなと思いましたね。ギタリストのためのギターという雰囲気もあるし、華がある感じがしました。
―どんな人にオススメですか?
HARUNA すごく弾きごたえのあるギターだと思うので、私は初心者の方にオススメしたいと思っているんです。まだそこまでギター経験がない人でも、ものすごく自分に自信を持たせてくれる一本だと思います。
SCANDALの16年間のどの楽曲にも合うのは感動しました
―MAMIさんはMami Stratocaster®︎ Omochiですね。前のシグネイチャーモデルと比較して、今回はどんなものを作ろうしましたか?
MAMI 前回(Mami Stratocaster®︎)は本当にスタンダードなストラトが欲しくて作ったのですが、“いま一番必要なものってなんだろう?”と考えた時、これからずっとメインで使っていける一本が必要だなと思ったんです。HARUNAと一緒でピックアップもハムですし、使いやすさを重視してトーンコントロールも一つしかありません。実際に動きながら弾く時に、一番上のノブが私には邪魔だなと思ってなくしました。ライヴをする上で使いやすい仕様ですし、長く使いたいと思えるようにすごくシンプルなデザインにしています。
―なぜ“Omochi”なんですか?
MAMI 見た目がきな粉餅っぽいのと、ピックアップに自分でデザインした幾何学模様というか和柄っぽいモチーフが彫ってあって、色と模様から“Omochi”と名付けました。
―使いやすさ重視ということですが、ネック周りのスペックは?
MAMI ネックシェイプは、ローフレットからハイにかけてModern CからDに変わるコンパウンドバックシェイプとコンパウンドラジアス指板を組み合わせています。ヘッドに近いほうは丸みがあるんですけど、ハイポジションにいくにつれてフラットになる仕様です。それによって、弦高を低くしても音詰まりしなくて、リードギターをストレスなく弾けるのがポイントです。今までの楽曲にもすごく馴染むので、これからどんどん試していけばさらにレベルアップしそうな気がします。
―Mami Stratocaster Omochiはどんな人にオススメですか?
MAMI 一本で何でもできちゃうギターなので、初心者の方に弾いてもらうのも嬉しいけれど、何本もギターを持っている方でも、いろいろな隙間にスッと入れ込める音を出せると思います。
―HARUNAさんから見てMami Stratocaster Omochiはいかがですか?
HARUNA 今まで色々なギターを見てきましたが、これはとても音作りがしやすいギターなんだろうなって思いました。
―同じハムバッカーでも、HARUNAさんのよりMAMIさんのほうがパワーが強いんです。
MAMI 初期の自分たちの勢いもある、すごくカッコいい歪みだなと。
HARUNA 「DOLL」はこれでした?
MAMI うん。だから初期に使っていたエフェクターとか、ファズっぽい荒々しい音もこのギターはすごく合うんですよ。だから、SCANDALの16年間のどの楽曲にも合うのは感動しました。これが欲しかった!っていう感じです。
―TOMOMIさんはTomomi Jazz Bass®ですね。
TOMOMI 前回(Tomomi Precision Bass®)はプレベだったので、ジャズベにトライしてみようと思ったんです。そもそも初期はずっとジャズベを使っていたので、あらためてジャズベを作れるのは嬉しかったですね。スタックノブ(60〜61年のごく初期のJazz Bassに見られるノブ)に憧れがあって、それを最初に決めました。
―なかなかマニアックですよね(笑)。カラーも相当こだわりましたよね?
TOMOMI そうですね。クリアフィエスタと言って、フィエスタレッドでありながら木目が透けて見えます。何回も打ち合わせをさせてもらって、やっと行き着いた境地です。今回の北米ツアーでは、ほぼ持ち替えなしでTomomi Jazz Bassを使ったのですが、何でも対応できるというかオールマイティな感じがして。初期の楽曲にもハマったし、プレベで弾いてきた楽曲にも馴染みました。ヒールカットされているから、ハイポジションもすごく弾きやすいです。
―購入を検討している人にメッセージを。
TOMOMI Tomomi Jazz Bassにしかないオシャレなカラーです。あと、自分の好きな音がまだ見つかっていない人にもぜひおすすめしたいです。
MAMI 本当に優秀なギターとベースだと思います。どれにしようか迷っているなら一度弾いてみてほしいなと思います。最初にこのギターを持っていたら、“他のギターが欲しい!”って思わないかもしれないです。
―さらに、ストラップのシグネイチャーモデルも出ますね。
MAMI このストラップも北米ツアー中にずっと使っていました。めちゃ良かったです。
TOMOMI 自分たちで色もロゴの配置も決めました。
HARUNA “それぞれのシグネイチャーモデルに合うように”ということでBlack、White、Brownの3色にしました。
MAMI ストラップを作るにあたって、個人的には滑らないようにしたいという想いがあって。滑りにくいレザーなのでめちゃくちゃありがたいです。 TOMOMI 楽器の重さをあまり感じさせず、いい感じに分散してくれるので疲れにくい気がするのでオススメです。
SCANDAL
2006年、大阪にて結成。メンバーはHARUNA(Vo,Gt)、MAMI(Gt,Vo)、TOMOMI(Ba,Vo)、RINA(Dr,Vo)。2008年、シングル「DOLL」でデビュー。翌年にリリースされた「少女S」でレコード大賞新人賞を受賞。2012年、異例の早さで日本武道館公演を達成。2013年には夢であった大阪城ホール公演を5分で即完させる。2015年、世界9カ国41公演を廻る単独ワールドツアーを大盛況に収め、初の東名阪アリーナツアーでは4万人を動員。2016年8月に結成10周年を迎え、結成地である大阪にて1万人を動員した野外コンサートを開催。2017年、ベストアルバム『SCANDAL』をリリース。2022年1月26日に10枚目のアルバム『MIRROR』をリリースし、3月より国内に加え北米とヨーロッパを廻るワールドツアー〈SCANDAL WORLD TOUR 2022 “MIRROR”〉を開催。
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