Special Interview | 春畑道哉
TUBEのギタリスト、春畑道哉のシグネイチャーストラップ「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE STRAP」と、シールドケーブル「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE」、「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE MADE IN JAPAN LIMITED」が発売。シールドのシグネイチャーモデルとしては、日本人初となる製品である。どちらも春畑のイメージカラーと言えるブルーがアクセントとなっているデザインが印象的だ。春畑のこだわりのサウンドを支えるライヴ用ケーブルとレコーディング用ケーブル、そしてすでに愛用している高級感あるレザーストラップについて話を聞いた。
> 製品について詳しくはこちら
僕が欲しい音は、フェンダーのケーブルだったんです
──今回、シグネイチャーモデルとしてストラップとシールドケーブルが発売されました。まずは「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE STRAP」ですが、どのようなストラップにしたいと考えていましたか?
春畑道哉(以下:春畑) ストラップ自体が体に擦れて痛い素材や、硬い素材がパーツに使われているのが嫌だったので、すごく柔らかいレザー素材のストラップがいいなと。10年以上も愛用しているストラップが、Fender Custom Shop製のギターに付属される非売品のストラップなので、それをベースにしてカスタムしようと思ったんです。他にも、素材感や高級感も取り入れてほしいとリクエストしました。いろいろな皮の素材の中から選んだのですが、とても柔らかいレザーなんです。
──Fender Custom Shop製ストラップとの違いは表皮の素材で、使い込んだように柔らかくわずかなストレッチが感じられるリアルレザーで、表面にはラグジュアリーな印象のスムースレザーを使用。裏面のレザーはカスタムショップ付属のものと同様、滑りにくいスエードを使用しています。
春畑 今年2月のBillboard Liveでのソロツアーから使っていて、使い心地はすごく気に入っています。レザーは当然使っているうちに伸びてくるので、より自分の好きな長さとフィット感になっています。
──デザインもシンプルで高級感のあるストラップですよね。
春畑 僕は青が好きなので、ステッチのカラーをブルーにしてもらいました。ステッチの糸の青の濃さも、目の覚めるような青や水色に近いもの、紺に近い青もあって、その中から決めていきましたね。
──春畑さんのサインとロゴも入っています。
春畑 特にこだわったのは、MICHIYA HARUHATAとサインを組み合わせたロゴの部分です。サインもいろいろな色で試して、結果、青にしました。
──続いては「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE」と「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE MADE IN JAPAN LIMITED」です。日本人としては初のシグネイチャーケーブルとなります。
春畑 今回シールドケーブルを10本以上聴き比べてみるブラインドテストをしたんです。自分では良いケーブルを今まで選んできたとは思っているのですが、“違いが分かるかな?”と少し不安だったんです。入門モデルから高級オーディオケーブルまで、自分のギターテックも一緒に参加してチェックしたのですが、やはり音が違うんですね。ケーブルごとに個性があって、テストしていく中で、僕が欲しい音はフェンダーのケーブルだったんです。明るさと音の抜けの良さと派手さもあって、それをベースにしながらさらにパンチのある音になるようリクエストしました。完成した「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE」はライヴで使っていて、ワイヤレスの受信機からエフェクトボードにつなぐ部分と、エフェクトボードとアンプをつなぐ部分で使っています。迫力のある音ですしレスポンスも速いし、とてもいいですよ。
──ワイヤレスでなく、ワイヤードで使ったことはありますか?
春畑 ケーブルを踏んだ時にどうなるのかチェックしたくて、Billboard LiveでのソロツアーやフジテレビNEXT『Char meets 春畑道哉 ~TALKING GUITARS~』の時に試しました。滑りにくいとか、ヨレにくいとか、ケーブルがよじれた時にストレートに戻りやすいなどリクエストしました。
──音はどんな特徴でしょうか?
春畑 音の太さとレスポンスの速さ。ゴンッという低音域から、メロディを弾いた時の中音域の太さ、バンドで合わせた時の高音域の抜けもあります。派手さもあるので、ぜひ体感してほしいですね。
──ハイグレードの「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE MADE IN JAPAN LIMITED」(以下:MIJ LTD)はどういう音を目指しましたか?
春畑 レコーディングでメインで使うことを考えて、「MICHIYA HARUHATA SIGNATURE CABLE」のさらにグレードを上げた高級ケーブルを目指しました。上から下までレンジは広くなり、音のレスポンスも速くなりましたね。
──MIJ LTDは Fender Flagship Tokyoのみの限定販売です。MIJ LTDは日本の職人によるハンドクラフトで、コネクター部分は純銅の削り出し。シグナルロスが限りなく少なく、スタジオユースに最適な解像度の高さを誇ります。使ってみていかがですか?
春畑 日本製の99.9%純銅プラグが聴いてわかりますよね。レスポンスもさらに速く、パンチもさらに強く、レンジもさらに広くなっています。これからレコーディングで使い倒したいと思います。
──デザインもまた異なっていますね。
春畑 デザインでこだわったのはブルーカラーのケーブルネットですね。ノイズを防ぐケーブルネットを青で統一しています。
──今回のアイテム、どういう方に使ってもらいたいですか?
春畑 楽器を始めたての人やバンドを組んだばかりの人も、良質なケーブルを使うとプレイの表現力も上がってもっと楽しくなると思います。“ケーブルでこんなに変わるの?”と自分も思ったので、それを皆さんにも体感してほしいですね。MIJ LTDは、作品を残すためにレコーディングする人や音質を追求する人にぜひチェックしてほしいです。ストラップに関しては、超いいレザー素材なので、どんな方にも使っていただきたいですね。
──このストラップとシールドの発売と同日に、ソロワークのスコアブックが発売されるそうですね。
春畑 20年ぶりとなるスコアブックが発売されます。『YOUNG GUITAR』でスコアにしてほしい曲のリクエストを募って、その上位が掲載されます。ピアノ曲も収録されていますので、ぜひそちらもチェックしてください。
春畑道哉
85年、TUBEのギタリストとして「ベストセラー・サマー」でメジャーデビュー。86年、3rdシングル「シーズン・イン・ザ・サン」の大ヒットでバンドとしての地位を確立。87年、TUBEと並行してソロ活動を始め、現在までにシングル5枚(配信限定曲含む)とアルバム13枚をリリース。92年、シングル「J’S THEME(Jのテーマ)」が日本初のプロサッカーリーグであるJリーグのオフィシャルテーマソングとなる。93年のJリーグオープニングセレモニーでは国立競技場の約6万人の観衆を前にライブを行った。2002年5月9日、フェンダーと正式にアーティストエンドース契約を締結。日本人のギタリストとしては初めてのシグネイチャーモデルを発売。これまで、Michiya Haruhata Stratocaster®︎、Michiya Haruhata BWL Stratocaster®︎、Michiya Haruhata Stratocaster® III、そしてマスタービルダー、ジェイソン・スミスの師匠であるジョン・イングリッシュが生前製作したMichiya Haruhata Stratocaster IIIプロトタイプの復刻モデル、さらに2022年にはMichiya Haruhata Stratocaster® Heavy Relic® by Jason Smithを発表している。2019年3月リリースのソロアルバム『Continue』は、第34回 日本ゴールドディスク大賞 “インストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤー“を受賞。2022年4月、ソロデビュー35周年アルバム『SPRING HAS COME』をリリース。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/MichiyaHaruhata