Welcome to Chara’s Room at Fender Flagship Tokyo

Charaのデビュー35周年を記念した一日限りのスペシャルイベント〈Welcome to Chara’s Room at Fender Flagship Tokyo〉が、彼女のデビュー日である2026年9月21日に開催された。貴重なトークやセッションが繰り広げられたスペシャルイベントの模様をレポートする。


招かれたのは、Charaの“いつもの” リビング

この日、1997年リリースのシングル『タイムマシーン』のジャケットを彩った巨大ギターケース(※レプリカ)が展示され、フェンダーカフェでは2001年リリースのシングル『レモンキャンディ』からインスピレーションを得たコラボドリンク“Chara’s Lemon Candy Lemonade”を提供。Charaのレコードや書籍などを並べたスペシャルPOP-UPも同時開催されていたFender Flagship Tokyoは、ファンにとって胸躍らずにはいられない空間だ。

衣装、ギター、キーボード、小物、家具そしてラグなどが所狭しと置かれていたFender Flagship Tokyo地下1階のイベントスペース。そこには、Charaが音楽制作を行っている自宅リビングが再現されていた。観客が入場した時点で、すでにソファでリラックスしながら過ごしていたCharaと司会のちわきまゆみ。観客が座って観覧するスペースに敷かれていたのは、自宅でも愛用しているというLayoutのラグマット。自宅に招かれたようなムードが見事に作り上げられていた。

リラックスした雰囲気でイベントがはじまると、トークの話題はCharaのデビュー前後の話しへ。フロアに大勢の観客がいたことで急に怖くなり、思わずマイクを離して歌ってしまったというデビュー直後のライヴのエピソードや、これまでの活動におけるターニングポイントなど貴重な話が次々と語られていると、“ピンポーン!”というインターホンの音が鳴り響いた。ステージに現れたのは、Charaの衣装も手掛けているスタイリストの島津由行。二人は島津氏がスタイリングを担当した「レモンキャンディ」Music Videoについて語り合い、彼がこの日持参した同曲の衣装と久々に対面したCharaは懐かしみながらも当時の服のサイズに驚くひと幕も。また、島津氏がクリエイティブ・ディレクターを務めているF IS FOR FENDERから「レモンキャンディ」をモチーフにした周年記念アイテムの製作が進行中であることも発表された。

11月には1stアルバム『Sweet』が35年の時を経て初アナログ盤化されることや、“新しい作品も創りたいし、来年はできたらツアーも開催したい”と今後の活動への意欲をCharaが語ると、二人目のゲストであるギタリストの名越由貴夫が登場。彼の愛器であるJaguar、2本のJazzmaster、Telecasterについてのトークが繰り広げられた。名越が初めてCharaのレコーディングに参加した「あなたと」で弾いたのは、サンバーストのJaguar。“これで弾いたの?”と聞かれ、“ちょっと仕様が違ってるけど、これですね。僕の最初のフェンダーです”と、置かれていたJaguarを指し示した名越。“なごちゃんと言えばこのギターだよね”とCharaが言った白いJazzmasterは、「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」のギターソロで使用された一本だ。

続いて、雑誌『ギター・マガジン』の試奏企画でJaguarとJazzmasterを6時間近く弾き倒した中で、一番気に入ったというINORAN(LUNA SEA)のシグネイチャーモデル、INORAN Jazzmasterが紹介された。その後、話題に上がったのは展示されていたCharaのギター、69年製のSwingerだ。蘭丸(土屋公平)に勧められて購入した一本で、“探してたら「ありました!」と連絡があって、青葉台かどこかのスタジオに持ってきてもらったの。気に入ってそのまますぐに「レコーディングで弾いちゃえ」って「I wanna freely love you」で弾いた”というエピソードが語られた。

ギターに関するトークを経て、Charaと名越のセッションがスタート。披露されたのは「タイムマシーン」。TelecasterのクリーントーンとCharaの歌声が融け合い、温かなサウンドを響かせた。床に座ったりもしながら自由に動いて歌うCharaが、とても気持ちよさそう。名越の奏でるギターが、彼女を居心地の良い場所へと導くのかもしれない。

大きな拍手と歓声が上がると、3人目のゲストとして登場したのは作曲家/編曲家の田辺恵二。彼とCharaは、40年近くにわたる間柄で長年にわたって彼女の音楽制作をマニュピレーターとして支えてきた存在。互いにアマチュアミュージシャンだった頃、板橋のスタジオで知り合ったのだという。二人は、Charaが自宅リビングで行っている楽曲制作の様子を観客の前で実演。使用されたDAWは、Charaが実際に愛用しているFender Studio Pro(旧PreSonus Studio One)。“テンポから決める?”というCharaの一言で、BPMの設定から作業がスタートした。Charaがサウンドをデザインしながら演奏するキーボードのフレーズに、名越のギター、さらには観客の掛け声も重ねて録音。Charaの即興の歌も加わり、曲の原型が完成した。普段の制作も、このような形で進められているらしい。創作の過程がよくわかる貴重な時間だった。

イベントを締めくくったのは、YEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」。Charaの歌声に、名越のTelecasterのサウンドが寄り添い、二人ならではのセッションを披露した。空間系のエフェクトがかけられていても、ギターの音色の粒立ちが抜群に良い。Charaの表現力豊かな歌声と名越のギター。2人の音だけで紡がれるシンプルかつ繊細なアンサンブルが心地よかった。そしてセッションが終わった直後、ちわきまゆみが花束を手渡すと、サプライスでCharaのライヴでもコーラスを務めるシンガーソングライターの平岡恵子、竹本健一と35周年を祝うケーキが登場。突然始まったデビュー曲「Heaven」を平岡、観客と一緒に歌ったCharaは、ケーキに灯されたロウソクの火を吹き消した。

この日限りの“Charaのお部屋”に飾られていた、本人がライヴでも使用しているというAmerican Acoustasonic Telecasterをイベントの最後に紹介。“見た目もかわいいけど、音も自分次第で多様に変化させられる面白いギターです”と語り、座っていたソファの傍らに置かれたギターを愛おしそうに見つめた。観客からの大きな拍手と寄せ書きのプレゼントで改めて35周年を祝福されたChara。Charaらしく愛があふれる温かなイベントだった。

Photo: Takako Noel

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