amplified : vol.2 | 山内総一郎(フジファブリック)

フェンダーアンプの多様性をアーティストと共に探っていく、「amplified」。今回も12種類のアンプ、12種類のエフェクト、5種類のEQを備え、シンプルながらもハイクオリティなサウンドを可能にするヘッドフォンアンプ“Mustang Micro”をフィーチャー。

大音量が出せない日本の住宅事情にも優しい、部屋での練習などにも最適なコンパクトタイプ。スマートフォンなどからBluetooth経由で本機に接続すれば、YouTubeなどの音源を鳴らしながらの練習もでき、さらにUSBでPCに接続すれば録音も可能だ。3月からすでにMustang Microを使用しているフジファブリックの山内総一郎に、その使用法を聞いた。


あれこれ細かく設定できるからいいわけじゃない、という潔さをこのエフェクトに感じました

― Fender Mustang Microを使用して、どのくらい経ちますか?

山内総一郎(以下:山内) 3月からなので約1ヶ月ですね。これまで大掛かりなシミューレーターは試したことはあったのですが、こういった小型のヘッドフォンアンプは持っていませんでした。デジタル製品だと音の遅れ(レイテンシー)が気になりますが、Mustang Microにはそれがないので驚きました。普段は真空管アンプを好んで使いますが、メンテナンスも重要ですし、手軽さという点についてはデジタル製品の方がいいですね。

操作性に関してはいかがですか?

山内 簡単ですよね。余計なものがついていないのが一番いいポイントだと思っていて。機能性の幅が広すぎるとわかりにくいけど、Mustang Microはやれることがすぐに把握できる。手軽で簡単。エフェクトに関しても、“これだけあったらいいですよ”っていうところを押さえてある。しかも、手軽に呼び出せるのはいいですね。

※ 本映像はMustang MicroよりUSB-C経由で直接録音しています。

― アンプの機能、クリーン、クランチ、ハイゲインのサウンドについてはいかがでしょうか。

山内 アンプに関しては、個人的には良いクリーンが出てほしいんです。ストラトでもテレキャスでも、ボリュームで変化をつける時に、クリーンが良い音で出てくれないと厳しい。特に僕は、ボリュームを絞ることで音色をコントロールしているので。Mustang Microはボリュームを絞っていくと、ちゃんといい感じで減衰してくれる。そこは重宝するところですね。特に“BLUE”は気に入りました。あとはクランチの“YELLOW”。ハイゲインは“ORANGE”が好きですね。ドンシャリになる感じがあって、シングルコイルでもメタルの音がしてくれる。普段、クリーンかちょっと歪んでいる音で弾くことが多いので、あまり使わない音色が出てくれるのは楽しいですし、リハの時もそういう音色を試してみると、メンバーもノッてくれたりします。ハードな歪みでも高音域が伸びてくれるのがいいですね。

― シングルコイルとの相性も良さそうですね。

山内 これは絶対、シングルコイル向けのチューニングにしていると思います。ハムバッカーでもいいのですが、フェンダー特有の高音域の伸びが強調されている気がして。そういう意味では、歪みもクリーンも、フェンダーギターとの相性を考えているんだろうなと。クリーンはいい感じにコンプレッションがかかっていて、弾いてて楽しくなる音色です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: amplified-vol-2-b-1024x683.jpg

― エフェクトに関してはいかがでしょう。

山内 ディレイのタイミングが気持ち良いですね。あと、リバーブも“WHITE”は薄くかかっているのですが、かけっぱなしで弾けるぐらいのリバーブでした。コーラスも良かった。こういう風にサクッとエフェクトを変えられると、悩まなくていい。あれこれ細かく設定できるからいいわけじゃない、という潔さをこのエフェクトに感じましたね。

― 特にエフェクトに慣れていない人は、どこまで細かく設定すればいいのかわからないと思います。

山内 僕も数字に弱いので(笑)。ディレイで設定してタイムを合わせたのに、なぜか合わない時もありますからね。Mustang Microはざっくり変わるのがいいです。マニアックで沼みたいなところではなく、入り口というか、風通しのいいところが手軽さと相まっていいんじゃないかな。

― 沼に行く手前の段階として便利ですね。

山内 すごくいいですね。ここから追求しようと思うと、フェンダーもデジタルアンプがありますし。

― 初心者の方はエフェクトやアンプを片っ端から試せないですし。

山内 僕も、ディストーションとかオーバードライブを知らない頃には、どんな音なのかわからなかったですから。そういう時にMustang Microだと、“RED”の感じとか色で覚えられるのはいいかも。エフェクトの特徴に触れようと思った時に便利な、代表的なエフェクトが入っていますからね。

― EQも5種類です。

山内 そのくらいがいいですね。ざっくりしているから割り切れる。“こんな小さな箱の中にすべてが入っている”ではなくて、この小さな箱の中に入っているものは音楽への入り口なので。

― リハや部屋で弾くのにも便利ですね。

山内 ライヴ前、楽屋に楽器をスタッフにセッティングしてもらっているんですけど、弾かない日もあるんです。申し訳ないなと思いながら。でも、これならめっちゃラクです。これからはこれにしよう。ステージに立つ前のウォーミングアップもバッチリですね。

― これから購入する人へ、オススメの使い方はありますか?

山内 まずはパソコンやスマートフォンにBluetoothでつないで、曲に合わせて弾いてみる。アンプはなかなか家で鳴らせないですけど、これならスムーズに鳴らせますから。あれこれいじってみたら、カッコいい音が見つかると思うので、まずはいろいろな人の音楽に合わせてみるのがいいですね。

― 今後“こうしてほしい”など、要望はありますか?

山内 モデルのバージョンを増やしてほしい。フェンダーアンプも1年単位で音が変わっているんですよ、スピーカーが違うとか。それこそ沼みたいな話ですけど(笑)。50年代のフェンダーアンプだったらDeluxe Ampが代表されると思いますけど、そういったものに特化したり、70年代以降のアンプに特化したり。Super Reverbがあったり、Princeton Reverb、Pro Reverb、もちろんTwin Reverbも。そういうファンを唸らせるものがあってもいいんじゃないかな。外装がツイードとか(笑)。これぞ、ザ・フェンダーですよ。間口の広さは素晴らしいので、音の再現はこの1台でできる。あとは、もうちょっと伝統的な仕様があったり、遊び心満載なものがあると最高ですね

MUSTANG™ MICRO 人気のMustang™アンプシリーズの豊富なプリセットトーンをフィーチャーした、場所を選ばないポケットサイズの超小型アンプ。簡単に素晴らしいトーンを得ることができ、おうち時間の合間でも、外出先でも幅広く活躍します。


山内総一郎(フジファブリック)

1981年大阪市茨木市生まれ。15歳から音楽を始める。大学在学中からプロミュージシャンとして活動、その後は東京に拠点を移す。2004年1月フジファブリックにリードギタリストとして正式加入。現在の体制となってから、フロントマンとしてヴォーカル&ギター、作詞作曲を手掛ける。愛器はフィエスタレッドのStratocaster。2016年、フェンダー社とエンドースメント契約を締結、アンバサダーとして活動。また自身のギターをモデルとしたシグネイチャーモデルも販売した。
https://www.fujifabric.com

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