Ben Gibbard Mustangのデザイン
Death Cab for Cutieのベン・ギバードは、数年前に惚れ込んで以来、70年代のMustangをコレクションしてきました。今回は、いかにして彼のお気に入りのギターと同様に、Ben Gibbard Mustangをカスタマイズしたのかをご紹介します。
A Melodic Masterpiece
90年代後半、Death Cab for Cutieをソロ・プロジェクトとしてスタートしたベン・ギバードは、大学のラジオ局や、Sam Goody、FYEのようなミュージックストアを愛するマニアの間で話題となりました。その時、彼がその後数十年に渡りインディーロックの中心的な存在になるとは誰も想像しなかったでしょう。
しかし、ベンは成し遂げたのです。カセットテープに収録したデビュー作『You Can Play These Songs with Chords』でカルト的な注目を浴びた後、彼は才能あるミュージシャンたちを集めてDeath Cab for Cutieを正式なバンドにし、その後、数々のヒットアルバムやグラミー賞にノミネートされるなどの成功を収めて行きました。
2000年代半ばにはプロデューサーのジミー・タンボレロとタッグを組み、The Postal Serviceという時代を定義するもう一つのバンドを結成しました。ベンの生み出した耳に残るリズム、ポップな感性、そして個人的なストーリーテリングの手法は、その後何世代にもわたって続くミュージシャンのためのステージを作り上げたのです。
Treasure Found with an Iconic Sound
Benの天才的なサウンドは、今でもよく耳にするでしょう。「Kintsugi」(2015年)や「Codes and Keys 」(2011年)といったスマッシュヒットアルバムのサウンドを作るのに役立ったのは、紛れもなく、70年代のFender Mustangだったことを忘れてはいけません。
ベンがMustangに辿り着くまでの道のりは、それほど曲がりくねったものではありませんでした。彼は、Death Cab for Cutieを始めた頃に「ショートスケールのFender Bulletを愛用していた」と言っています。その後、友人との交換で70年代のMustangを手に入れたとき、彼はすぐに夢中になってしまったのです。
「このギターの機能のおかげなのか、手の大きさとネックの幅の問題なのかわからないんだけど、バンドの初期の頃、アクロバティックにギターをプレイしたり、アルペジオをプレイすることができるって気がついたんだ」とベンは言います。「すぐにMustangは僕のお気に入りになったよ。それから振り返ったことは一度もないんだ」
Modding His Mustang
それ以来、温かみのある70年代スタイルのピックアップと、そのシンプルで使いやすいギターに惚れ込み、カスタマイズを施しながらも当時のMustangのコレクションを集めてきました。
それらのギターと同じ様なカスタマイズが、このBen Gibbard Mustangにも施されています。チェンバーアッシュボディ、22フレットのModern Cシェイプのメイプルネック、9.5インチのラジアス指板など、クラシックなモデルを大胆にアレンジしています。また、コントロールを1つのマスターボリュームと3ポジションのロータリーピックアップセレクターに変更することで、彼がいつもステージで演奏するギターと同じようにしたいと考えていました。
「このギターを自分の思い通りに仕上げることができたのは、とても驚異的なことだよ。歌とギターを同時に演奏する人のためのギターを作りたかったんだ。それは、ギターを弾くための障害となるものを取り除き、可能な限りチューニングを安定させることも意味するんだ」彼は言います「このギターを弾くのは本当に楽しいことだよ」