Fender Custom Shop Experience | 岸谷香によるトークイベント

#FenderNews / FENDER CUSTOM SHOP EXPERIENCE

フェンダーが誇るトップラインブランド“FENDER CUSTOM SHOP”の魅力を堪能するイベント「FENDER CUSTOM SHOP EXPERIENCE」が6月15日、ラフォーレミュージアム原宿と表参道ヒルズ スペース オーの2会場で開催。FENDER CUSTOM SHOP製の最新ギター約200本の展示に加え、アーティストが所有するFENDER CUSTOM SHOP製の実機コレクションを間近で見られる展示会場(ラフォーレミュージアム原宿)では、元プリンセス プリンセスのヴォーカル&ギターであり、現在はUnlock the girlsでも活動中の岸谷香によるトークイベントが行なわれた。

customshop-experience-2019-report-3

岸谷と言えば赤いTelecasterがトレードマーク。この日もステージには、マスタービルダーのデニス・ガルスカが手がけたFENDER CUSTOM SHOP製のTelecasterが置かれていた。62年製のTelecasterをモチーフに、クローゼットクラシック(経年劣化再現)の中でも比較的新しいレリック加工が施されている。

「もともと私はギタリストじゃなかったので、正直デビューしたばかりの頃は、ギターの種類もよくわからなかったんです。当時Telecasterを持っていたのは、クリッシー・ハインド(プリテンダーズ)に憧れて。そう、完全にカタチから入りました(笑)。ギターによって音色がこんなにも違うのか、アンプとの組み合わせでもここまで変わるのか、ということに気づいたのはけっこう後になってからですね。いろんなブランドのギターを試して、8年くらい前からまたTelecasterのブームが到来して。思い立ってカスタムショップに駆け込んだのが、このテレキャスとの出会いです」

言わずと知れた、プリンセス プリンセスのヴォーカル&ギタリストだった岸谷。実は、前身バンドである赤坂小町に加入した時は、ベースが担当楽器だったという。

「当時は16歳で、メンバーの中では最年少。でも、小さい頃からクラシックピアノをやっていたし、バンドでドラムを叩いたこともあって、他のメンバーよりも楽譜が読めたし耳コピも早かったんですよね。それで、デモテープの仮歌を任されるようになったんです。スティングじゃあるまいし、ベース弾きながら歌うなんて無理だよ…と思っていたのですけど(笑)、やっているうちに“変わった声をしているからヴォーカルをやれ”と言われて」

その頃、サイドギターを務めていた渡辺敦子がベーシストへの転向を希望し、そのタイミングで岸谷はヴォーカル&ギターに。フェンダーのStratocasterを譲り受けた彼女は、必死でマスターしたという。

customshop-experience-2019-report-3

「弦も4本から6本になって(笑)、最初はまったく弾けませんでした。何度も挫けそうになったのですけど、楽器を持たずに歌うとなると、踊りもやらされるんじゃないかと思ったんです。当時は歌って踊る女性アーティストが多かったですからね。私自身、踊るのだけはイヤだったので(笑)、意地でもギターを手放せなくなってしまったんです」

そんな岸谷も、今では大のギター好き、大のフェンダー好きに。家の中にはたくさんのギターが置かれているという。

「10年ほど音楽活動をお休みしていたのですが、2011年の再結成をきっかけに再びギターをよく弾くようになりました」

customshop-experience-2019-report-3

現在は、ソロとして弾き語りのツアーを行うかたわら、自身が率いる4人組バンド“Unlock the girls”としての活動など多忙な音楽人生を送っている岸谷。最後に今後の展望を聞かれると、次のように話してトークイベントを締めくくった。

「例えば歌いながら、何気なく刻むエイトビートに味わいがあるような、そんなギタリストになりたい。ものすごくテクニカルなプレイは全然できないけど、歌う人ならではのギタースタイルを、これからも追求していきたいと思います」


NEXT : 来日シニアマスタービルダーによる“セットアップ”のワークショップ

Related posts