Fender Custom Shop Experience | INORANとKenによるトーク&ライヴ

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フェンダーが誇るトップライン・ブランド「FENDER CUSTOM SHOP」の魅力を堪能するイベント『FENDER CUSTOM SHOP EXPERIENCE』が6月15日、原宿・表参道エリアの2会場で開催。表参道ヒルズ スペース オーでの“ステージ会場”では、新藤晴一(ポルノグラフィティ)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、長岡亮介(ペトロールズ)による“公開カスタムオーダー”に加え、INORAN(LUNA SEA)とKen(L’Arc~en~Ciel)を迎えてのトークセッションとスペシャルライヴを開催。レポート最終回では、INORANとKenによるトーク&ライヴの模様をお届けする。

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30周年記念ライヴを終え、2019年12月にはニューアルバムのリリースが予定されているLUNA SEA。そして、昨年12月にバンド史上初のクリスマスライヴを東京ドームで開催したL’Arc~en~Ciel。それぞれのバンドのギターであるINORANとKenというビッグな2人がトークを行い、FENDER CUSTOM SHOPモデルで奏でる、一夜限りのスペシャルライヴが実現した。

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まずはトークからスタート。2人が大歓声で迎えられ、今回のイベントについて聞かれると、「長く生きていると、こんなにいいこともあるんだなと思います」とKenが嬉しそうに語る。そして、「僕は後から(ラルクに)入ったんですけど、ライヴハウスシーンを知らなかったんです。当時、LUNA SEAはすでに確立していて、“えーっ、すごいな”って。そこから時間を経ていくうちに接近遭遇、ニアミスして(笑)。挨拶はさせてもらってたんですけど、フェンダーのエンドースをするようになって、勝手にものすごく親近感が沸いてきたんですよ。それで、イベントがあるたびに挨拶させてもらう関係になっていったんです。だから、先に確立していた先輩な感じですね」とこのイベントに参加できる喜びを語ると、INORANも「いやいや、(そちらも)すでに確立してたよ(笑)。フェンダーのエンドースをお互いにさせてもらってから、フェンダーのシークレットなパーティでセッションしたりして」と、セッションで接近した話を語る。

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Kenも「“何かやれる?”って(スタッフから)ムチャぶりされるんですよ。ギター1本で何かやれって言われて、途方に暮れて何かやりだしたら、INORAN君が笑顔で“やるぜー!”って参加して(笑)。2年前ぐらいかな」と過去の話に触れると、「フェンダーの忘年会ね。そこでKen君がバンドを従えてセッションしてたんですけど。“おい、INORAN、お前も入れや”って。“はい、わかりました!”って」とINORANも謙遜気味に語る。Kenも「何言ってるの(笑)、そんなことないって。でも、そんないい意味のラフさというか、緊張してはいるけれど一緒に空気が吸える距離にいるんだって。そういう感じにだんだんなってきました」と、じわじわと距離を縮めてきたことを語る。

そして、「それはフェンダーのギターがあったから、そういう空気になれたんだよね」と、INORANがまるでトークのオチのようなコメントをすると、「フェンダーばかり持ち上げると、回し者みたいじゃん。あ、回し者か(笑)」とKenが笑わせ、そこにINORANも「回し者ですよ!」と同調してさらに笑いを誘った。

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ここで、お互いのギターについての話題へと進む。Kenの使用ギターはマスタービルダーのグレッグ・フェスラーが製作したペイズリー模様のStratocasterで、独特のカラーリングが特徴。Kenは「以前にGalaxy Redのストラトを作ってもらって、そのあとTelecasterが欲しくなったんです。テレキャスを作る時にこういう柄で、という話をしていたんですけど、一抹の不安を覚えたんですね。俺はストラトしか使わないんじゃないかなって(笑)。それで、ストラトもお願いしてできたのがこれです。マスタビルダーのグレッグ・フェスラーさんにお願いしました。Galaxy Redが良かったから、次もって。そうやってオーダーをしました」と紹介した。

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INORANのギターは、マスタービルダーのデニス・ガルスカ製作のレイクプラシッドブルーのINORAN JAZZMASTER® #3 LTDだ。JAZZMASTERを3本持つINORANはこのギターについて「JAZZMASTERは1本目がブラックのINORAN JAZZMASTER® #1 LTD で、2本目が白のINORAN JAZZMASTER® #2 LTD、3本目がこのブルーです。スペックの違いはほとんどなくて、この色が欲しかったんです。気に入ると全色欲しくなって」と、色違いのギターを手に入れたくなる欲求を語り、それに応じてKenも「弾いてて気分の上がる柄のものが欲しいよね。ペイズリー柄のクルクルの本数にこだわりだして、もう1本あったほうが気分が上がるとか(笑)」と、ペイズリー柄の模様についてのこだわりを語る。

そして、フェンダーのギターについてINORANが「ヴィンテージは木が鳴って、いい音がするんですけど、フェンダーは新品でもいい音がする。僕はもう9年ぐらい使っていますけど、毎年、音が変わっていくんですよ。ギターと一緒に成長していけるんです。JAZZMASTERも3本持っていますけど、これは元気ないなとか、こいつは元気になったとか、あるんです」と新品でも変化を感じると語り、「新品も一緒に暮らしていけるというか、その時の音で曲ができたりっていう楽しみがあるよね。楽器が曲を呼んでくれるというか。そういう、めっちゃ呼んでくれる楽器というのが、自分にとっていい楽器」とKenもうなずいていた。

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そして、お互いのギターの印象やギタースタイルについて、「INORAN君の音を聴いていて確立したイメージの通りなんですけど、JAZZMASTERってクランチがものすごく個性とかパワーを感じるなと思った。相性いいギターを作ってもらったんだなって思いました。」とKenはJAZZMASTERの魅力を語り、INORANは「Kenさんに褒められた(笑)。今日のセッションのリハーサルをしてみて、“ギターが好きなんだな、この人”って思いました。愛があると応えてくれるんですよ、ギターって。音もそうだし、聴いてくれるみんなにもそうだし。“愛情深い人なんだなこの人は”って思いました」とKenの人柄について語った。

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セットチェンジの時間を経て、いよいよライヴがスタート。数千名の応募者から選ばれたラッキーな数百名の観客の前に、サポートメンバーを加えたINORANバンドが登場。トークの回にも話題に上ったレイクプラシッドブルーのJAZZMASTERを抱えたINORANがクリーントーンでコードを鳴らし、「Come Away With Me」が始まった。 静かなオープニングから一転、続く「grace and glory」を爆音でぶつけると、会場から大きな手拍子が沸き起こる。INORANも激しくシャウトし、演奏も一気に熱量が上がっていく。メロディアスなヴォーカルの「Awaking in myself」では、パワフルなサウンドによるコードカッティングでスリリングに迫る。そして、歪ませたJAZZMASTERのヘヴィなリフが強烈な個性を生む「2Lime s」で観客を圧倒。黒いJAZZMASTERにチェンジしたINORANが「もっと盛り上がりましょう、東京!」と叫び、コール&レスポンスを加えた「Get Laid」で会場をさらに盛り上げる。

ここで、白いJAZZMASTERにチェンジ。トークの相手だったゲストのKenを招き入れ、セッションが始まることに。さらに、「Ken君とはニアミスしてたんですけど、フェンダーのエンドースのおかげで仲良くなったり、たわいもない話をしたりできて。こうして、みんなに初めて(2人のセッションを)観てもらえるのは嬉しいです。そして、フェンダーにはマスタービルダーといって、ジェダイの騎士みたいな人がいるんですよ。どうしても弾きたいっていうので(笑)、スペシャルゲストをもう1人お呼びしました」とINORANが紹介すると、この日のトーク“Experience #2 Custom Order”にも登壇したマスタービルダーのジョン・クルーズがStratocaster持参で登場し、喝采を浴びる。

スローブルースに乗せて3人が自由にフレーズを重ね、三つ巴となってセッションがスタート。3名ともシングルコイルのギターという共通点があるものの、個性的なトーンが飛び交い、それぞれカラーの異なるサウンドで聴かせる。ラストの曲ではジョンに加え、フェンダーミュージックの代表取締役社長 アジア統括、エドワード・コールがヴォーカルを担当し、全員でレッド・ツェペリンの「Rock and Roll」をカヴァー。最高の盛り上がりを見せた。最後は今回のトークに参加したもう1人のマスタービルダー、トッド・クラウスもステージに上がり感謝を述べ、この日のイベントは大盛況のうちに終了した。

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