Fly with Fender Vol.8 | Grant Nicholas & Taka Hirose(FEEDER)-前編-
平日16時からInterFM897で放送中の『The Dave Fromm Show』内にて、毎週月曜日に フェンダーとのコラボコーナー『Fly with Fender』がオンエア中! ロックバンドはどんな瞬間にロックで“Fly”してきたのか、そしてこれからロックファンたちをどう“Fly”させてくれるのか。第8回目のゲストはフィーダーのグラント・ニコラス(Vo,Gt)とタカ・ヒロセ(Ba)。Dave Frommとジョー横溝の2人のDJと繰り広げられた、11月11日と18日に放送された模様をお届けします。
それからずっとJazzmasterなんだ
Grant Nicholas
DAVE 今回のゲストはフィーダーのグラントさんです。
グラント 久しぶりだね! 2人とも元気かい?
DAVE&ジョー 元気です。グラントさんは?
グラント 元気だよ! しかも日本は大好きな国だからとてもハッピーだよ。
DAVE アルバム「TALLULAH」も好調なようだし、リスナーからもたくさんフィーダーのリクエストをもらうよ。
グラント リクエストが来るのは嬉しいな。UKでもアルバム「TALLULAH」がチャートインしててとても気分がいいんだよ。
DAVE アルバムタイトル「TALLULAH」は誰かの名前?
グラント うん。実は妻の友達の娘の名前なんだよ。
DAVE なぜその子の名前をタイトルに?
グラント 彼女はまだ8歳なんだけど、とてもしっかりとした、そして自由で自立心が旺盛な子で興味を引かれたんだ。アルバムの中でも僕が特別気に入っている曲が「TALLULAH」で、子供や家族の大切さを実感させてくれる曲で、作曲家としての自分の人生を変えるほどのインパクトがあった。で、ちょうどその頃にアルバムのアートワークをアーティストと考えていたんだけど、アートワークが女性的であり不思議な雰囲気を放っていてね。今までのフィーダーにはない感じだったんだよ。それを見た時に“TALLULAH”が僕の頭に浮かんできたんだ。シンプルで強いし、フィーダーっぽくないタイトルも気に入ったんだ。
DAVE なるほど。ギターのことも聞かせてほしいんだけど、どんなふうにギターを始めたの?
グラント ギターを始めたのは10歳の時だよ。初めてギターを持った時はアンプがなくて、エレキギター1本でスタートしたのを覚えているよ。
DAVE アンプがないのにどうやって弾いたの?
グラント アンプなしでシャカシャカと(笑)。
DAVE どんな曲を弾いていたの?
グラント 初めて弾いた曲は、ディープ・パープルの「Smoke on the Water」。シンプルなロックだよ。それからブラック・サバスを学校で弾いていたりしたね。
DAVE 10歳で人前で弾いていたんだ?
グラント 両親は喜んでいたけど、けっこう下手だったと思うよ(笑)。その時はドラムとギターの2ピースバンドで、歌はなかったんだ。もともと歌を歌うつもりはまったくなかったので、まさか自分がヴォーカルとして歌うとは思わなかったよ。
ジョー 10歳の頃からギターを弾いていたということは、ギター歴40年超えですよ!ギターの魅力を言葉にすると?
グラント 最初、トランペットを吹き始めたんだけどあんまりハマらなくて、ギターを自己流に弾き始めたらたくさんの音が出て感動したんだ。それからギターの音を聴きながらそれにハミングをしていくと、気が付いたら歌も歌うようになっていた。ギターにはそういう魅力がある。当然、ソングライターとしてはギターもしくはピアノがベストだしね。
ジョー スタジオにMADE IN JAPAN MODERNシリーズのMADE IN JAPAN MODERN JAZZMASTERがあるので、よかったら弾いていただいて感想を教えてください。
グラント これは日本だけで発売してるの?
ジョー はい。いまのところはオンリーインジャパンですね。
(ギターを弾くグラント)
グラント 僕は普段、フェンダーのJazzmasterを使っているんだ。当時、Jazzmasterはそんなに人気ではなくて、テレキャスとかストラトが人気だったんだけど、初めて見た時にハマってしまって、それからずっとJazzmasterなんだ。
ジョー なぜJazzmasterを手にしたんですか?
グラント エルヴィス・コステロが弾いているのを見て、Jazzmasterのファンになったんだ。
ジョー 普段使っているJazzmasterと比べて、MADE IN JAPAN MODERN JAZZMASTERはどうですか?
グラント いま使っているJazzmasterは初期の頃のボロボロのギターで、使い古したギターだから自分としては心地いいんだけど、このMADE IN JAPAN MODERN JAZZMASTERもとても心地いい感じのギターだね。
ジョー ありがとうございます! では、グラントさんがロックで“FLY”した曲を1曲選んでもらってオンエアしようと思いますが、曲は何を?
グラント バンドとしてやっと弾けるようになった時に、学校でバンドを組んでプレイした曲がブラック・サバスの「パラノイド」なんだ。しかも、ブラック・サバスは初めてライヴを観たバンドなんだよ!
メインステージに出た時に“FLY”した
Taka Hirose
DAVE 今回のゲストはフィーダーのタカさんです。
タカ どうもです。お久しぶりです。
ジョー お久しぶりですね。痩せました?
タカ 痩せたね。犬を飼ったのよ。で、散歩を毎日するようになって体重が10キロくらい減ったかな。
DAVE そうなの? 散歩だけで(笑)!?
タカ そのくらい運動していなかったってことなんだけど(笑)。毎日1時間半から2時間くらい歩くからね。
DAVE 犬のおかげでシェイプアップできたと。
タカ そう、犬のおかげで(笑)。
ジョー でも、日本に来ると犬いないですからね(笑)。
タカ だから、ツアーに出るとだんだん体重が戻ってくるんだよね(笑)。
ジョー (笑)。さて、人生で初めてロックで“FLY”した瞬間を覚えていますか?
タカ フィーダーが初めてレディングのメインステージに出た時かな。あの時は“ウォ〜!!”ってきましたね。飛んだ感じでした。
DAVE タカさんはもともとはグラフィックデザイナーでしたっけ?
タカ もちろん英語も勉強したかったんだけど、グラフィックデザイナーの勉強もしたいなと思ってロンドンに行ったんだけど、そっちは思いっきり挫折してなぜかミュージシャンに(笑)。まぁ、もともとベースはやっていたことはやっていたけど、ロンドンに行った時はまったく弾いていなかったですね。
ジョー 最初にベースを始めたきっかけは?
タカ 中学生の時に音楽好きの友達がいてさ、うちの兄貴が4つ上ですでに家にギターがあったのね。で、みんなが“楽器買おうぜ、ギター買おうぜ”って言うんだけど、“ギターあるしな、じゃあ俺はベースを買うわ”ってことになったのね。
DAVE ギターはもう見飽きたと(笑)?
タカ そうそう(笑)。ギターはうちにあるから。ベースを買いに行ったのはいいんですけど、楽器屋さんにいた人が“ベースをやるんだったらロックも面白いけど黒人音楽を聴いたら?”って、ソウル、ファンク、その頃はディスコもあったからそのへんを聴けと。で、それを聴いているうちに“ベースって面白いじゃん”と思うようになって。中学高校の頃は友達とロックやポップスを弾くんだけど、家ではファンク系を聴いたり練習したりしていましたね。だから自分の中で、ロックベーシストとしてはそういうノリがありますね。
DAVE 当時、ベースプレイヤーとして誰の真似をしようとしていた?
タカ ルイス・ジョンソンとかラリー・グラハムですね。
ジョー ブリブリじゃないですか(笑)!
タカ スラップとかね。でも、スラップよりも普通のツーフィンガーの弾き方をしていたかな。だから、ピックで弾き始めたのもそれこそフィーダーに入ってからですね。それまではずっとツーフィンガーだったから。
ジョー ファンクを弾く時とロックを弾く時、要求されるものもまったく違いますか?
タカ もちろん違いますよ。特にリズムの取り方かな。ロックをずっとやってきた人って“バンバンバン”って感じだけど、ソウルとかレゲエをやっている人は、もうひとつ置く感じのリズム。そういうリズムの取り方の違いはありますね。
ジョー 改めてベースの魅力って何なんですか?
タカ ギターと少し違って、1人で弾いてても面白くはないんだよね。ベースばかり弾いてて楽しいっていう人もいるかもしれないけど、自分はドラマーと一緒に合わせるのが好きですよね。リズムセクションというだけあって、そこで音楽になっていくんですよ。ベースだけで練習するのももちろん楽しいけど、音楽って人と一緒にやるものだし、一緒にやりたいんだよね。ギターは1人だけで弾いている人も多いじゃないですか。友達がいない人とかね(笑)。
DAVE (笑)。タカさんをライヴで観ると、本当に楽しそうに弾いてますよね。でも、周りのミュージシャンにタカさんのベースのことを聞くと、“音デカイね”って言いますけど(笑)。
タカ 音はデカイかもしれないですね。申し訳ないです(笑)。
DAVE (笑)。さて、今回のフェンダーのMADE IN JAPAN MODERNシリーズのベースの印象はどうですか? 今、手に持っていますけど。
タカ 正直に言うと、新品のベースは好きじゃないんですよね。買うとすぐに改造しちゃうんですよ。でも、Jazz Bassのシェイプは大好きですからね。これは好みですね。
ジョー ちょっと音を鳴らしてもらってもいいですか?
(MADE IN JAPAN MODERN JAZZ BASSを弾くタカ)
タカ うん。悪くないよね。
DAVE 普段はどういうところを改造するんですか?
タカ 例えばピックアップ。今はイギリスのヨークシャーに住んでいるんですけど、ピックアップを1人で作っている人を見つけたんですよ。その人がかなり面白いピックアップを作っていて。形も普通のものとは違うし音も違う。それからピックガードを作ってくれる人も見つけて、カスタムで作ってもらっています。あと、新品が嫌だから自分でわざと汚したりね(笑)。
DAVE そういうところにこだわる理由は?
タカ 持ってしっくりくるのが大事だから。例えば、ネックも少しペーパーで擦ってしっくりくるみたいなね。
DAVE こだわって自分のものにする?
タカ そうだね。だから、キラキラしているとちょっと照れちゃうんだよね(笑)。このMADE IN JAPAN MODERN JAZZ BASSも気に入ったから、ゲットして改造したいよね。
ジョー お好きなようにいじっていただければと!
タカ OK! もっとロックにしますよ。
ジョー さて、先ほどロックでFLYした経験を話してもらいましたが、曲で何かあればオンエアしたく!
タカ 小さい頃に洋楽ラジオを聴き始めて、そこで聴いたキッスの「Detroit Rock City」にはヤラレたね。それで写真で見ればあんな格好だし、憧れましたね、ジーン・シモンズは。
ジョー ジーン・シモンズのプレイはタカさんから見てどうですか?
タカ あの人、あまり取り上げられないけど、すごくリズムを取るのが上手い人だよ。ベースもすごく上手いですよ。上手いというか、もちろんこんなことを言ったら失礼ですけど、ジーン・シモンズはイメージばかりが先行しがちですけど、ベースもしっかりしている。だから好きでしたね。
ジョー では、曲の紹介をお願いします!
タカ キッスで「Detroit Rock City」!
MADE IN JAPAN MODERN JAZZMASTER®
Modernシリーズは演奏の技術レベルが著しく向上している現代のプレーヤーに最高峰のプレイアビリティとトーンを提供するために開発されたメイドインジャパンの新シリーズです。3-Plyの高品質アルダーボディに流線型のスタイリッシュなデザインを採用。厳選したローズウッド指板のサイドポジションにステージ上の視認性向上のための蓄光パーツを装備しています。さらにネックは演奏性の向上を狙ったコンパウンドラジアスに、ハイフレットでの弾きやすさを考慮したヒールカットを採用しています。またチューニングの安定性を提供するロッキングチューナー、Tune O-Maticスタイルブリッジを搭載。ピックアップはフロント/リアともに第4世代のノイズレスピックアップを搭載。タッチノイズの軽減など、ステージでの演奏を最大限考慮しています。本製品は、モダンなスペックが凝縮された次世代型のJazzmasterです。
MADE IN JAPAN MODERN JAZZ BASS®
Modernシリーズは演奏の技術レベルが著しく向上している現代のプレーヤーに最高峰のプレイアビリティとトーンを提供するために開発されたメイドインジャパンの新シリーズです。3-Plyの高品質アルダーボディに流線型のスタイリッシュなデザインを採用。厳選したローズウッド指板のサイドポジションにステージ上の視認性向上のための蓄光パーツを装備しています。さらにネックは演奏性の向上を狙ったコンパウンドラジアスに、ハイフレットでの弾きやすさを考慮したヒールカットを採用しています。またブリッジには豊かなサスティーンと安定したピッチを実現するHiMass Vintage Saddleを搭載。ピックアップはネック/ミドルともに第4世代のノイズレスピックアップを搭載。内蔵されている18Vのプリアンプによりノイズレスなサウンドを実現し、タッチノイズの軽減など、ステージでの演奏を最大限考慮しています。本製品は、モダンなスペックが凝縮された次世代型のPJタイプのJazz Bass®です。
PROFILE
FEEDER
英出身のロック・バンド。メンバーはグラント・ニコラス(g,vo)とタカ・ヒロセ(b)。1992年にニコラスを中心に結成され、95年にヒロセが加入。97年のデビュー・アルバム『ポリシーン』はメタル・ハンマー誌で最優秀アルバムに選ばれるなど高評価を獲得。その後、米進出、英ツアー、フェス出演などを成功させ、人気を博す。2002年にオリジナル・メンバーのジョン・リーの自殺という悲劇が襲うも、サポートを加え、メンバーチェンジを重ねながら活動を継続し、質の高い作品を提供。2012年の『ジェネレイション・フリークショウ』以降は個別活動が続いたが、2016年に9thアルバム『オール・ブライト・エレクトリック』をリリース。2019年8月9日、デビュー20周年の節目を通過し、通算11作目となるオリジナル・アルバム『TALLULAH』「タルーラ」を発表。
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