GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025“Back To The Pops”Presented by GLAY EXPO

昨年11月8日の大阪城ホール公演を皮切りに、全国8都市を巡った〈GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025 “Back To The Pops” Presented by GLAY EXPO〉。ツアーファイナルは、1月18日、19日に横浜アリーナで行われた。このレポートではAmerican Ultra II Jazz Bassを愛用しているJIRO(Ba)に焦点を当て、18日の公演の模様をお届けする。

JIROの身体の一部となり、幅広いニュアンスの音を放つAmerican Ultra II Jazz Bass

オープニング映像が大型スクリーンに流れたあと、ステージ上で浮かび上がったメンバーたちのシルエット。そしてオープニングを飾ったのは、最新アルバム『Back To The Pops』に収録されている「なんて野蛮にECSTASY」だった。レーザービームが激しく飛び交う中、ビートが激しく躍動。力強い歌声と演奏を受け止めた観客は、夢中になりながら歓声を上げていた。続いて「天使のわけまえ」と「ASHES-1969-」も披露されたが、観客の腕に巻かれたLEDリストバンドが無線制御によって色彩を変化させるのも美しい。曲に合わせて揺らぐ光が作り上げた風景には、ものすごいエネルギーが渦巻いていた。

この日、2本のAmerican Ultra II Jazz Bassを使用していたJIRO。メインはNoble BlueのAmerican Ultra II Jazz Bass。ブラックのアノダイズドピックガードがシルバーに変更されていたのが目を引いた。照明によってボディカラーがブラックに近いダークな色合いを浮かべると、シルバーのピックガードが美しい形をひと際くっきりと浮かび上がらせていたのが思い出される。メタリックなNoble Blueとシルバーのコンビネーションは、まぶしい照明を浴びた時、どことなく近未来的な印象を放つ。外見が浮かべる多彩な表情でもワクワクさせてくれるベースだ。

身体に絶妙にフィットするボディ加工、ハイポジションへの移動を容易にするテーパードネックヒールなど、高いプレイアビリティも大きな魅力のAmerican Ultra II Jazz Bass。完全にJIROの身体の一部となり、幅広いニュアンスの音を放ち続けていた。彼のプレイスタイルは、「SOUL LOVE」などでも発揮された力強いストロークを交えたピック弾きがお馴染みだが、「May Fair」「さよならはやさしく」 などは、繊細な指のタッチを交えたプレイで彩られていた。ウォームなトーンからアグレッシヴなプレイまで対応できるJazz Bassのポテンシャルを引き出しながら、American Ultra IIシリーズならではのモダンな魅力も鮮烈に示したJIRO。彼のプレイを目の当たりにして、“ベースを弾いてみたい”と思った観客も少なからずいたはずだ。

観客の明るい掛け声が加わった「Buddy」。温かなメロディの「シェア」。ドラマチックな展開を遂げた「BRIGHTEN UP」。最新アルバムの3曲を経て突入した「口唇」は、イントロが始まった瞬間に会場中のファンが沸き立った。JIROはステージの端まで移動し、激しいストロークを交えながらプレイ。「紅と黒のMATADORA」は、ステージ上で立ち上った何本もの火柱と、ベースのボディが浮かべるブルーのコントラストが美しかった。

集まった観客に感謝の言葉が届けられたMCタイムを挟み、ライヴは後半に突入。ピアノの瑞々しい音色で彩られた「Beautiful like you」と「Eternally」は、GLAYがうっとりとさせられる美メロの宝庫であることを再認識させてくれた。ダイナミックに躍動するベースを浴びながら、観客が興奮を露わにしていた「whodunit」。グラマラスなメロディが高鳴った「Romance Rose」などを経て、爆発的な盛り上がりとなったのが「誘惑」。観客の大合唱が起こり、心の底から嬉しそうな表情を浮かべていたメンバーたち。そして「V.」「疾走れ! ミライ」「Back Home With Mrs.Snowman」も届けられて、本編は締めくくられた。


アンコールを求める歓声に応えてステージに戻ってきたメンバーたち。各々が想いを語った。「今回のツアーはすごく充実感があって、本編があっという間に終わるという感じで、楽しく演奏しています。ありがとうございます」と観客に感謝したJIROは、明け方に見た悪夢についても触れた。夢の中で某有名アーティストのバックでベースを弾くことになったが、最初のコードが思い出せず、パニック状態になりながら飛び起きたのだという。「そんなことがあったから、今日は丁寧に弾いてる(笑)。今回のツアーで一番良かったんじゃないかな」と明るく笑っていた。

そんな彼がアンコールの1曲目「HOWEVER」で使用したのは、Texas TeaカラーのAmerican Ultra II Jazz Bass。もともとのピックガードはシルバーだが、ブラックに変更することで全体的にスタイリッシュで精悍な印象となっていた。そして「彼女の”Modern…”」では、Noble BlueのAmerican Ultra II Jazz Bassを再び手にしてプレイ。アグレッシヴな演奏と歌声によって、1994年にリリースされた曲が不朽の輝きを放った。ラストを飾ったのは、グルーヴィなベースライン、骨太なギターリフ、シャウトを交えた熱い歌声が響き渡った「ACID HEAD」。飛び跳ねながら盛り上がる観客のエネルギーによって、横浜アリーナが心地良く震えていた。

「また必ず会おうぜ。その日まで、いってきます!」という言葉を届けてステージを後にしたTAKURO、TERU、HISASHI、JIROを、観客の“いってらっしゃい!”が見送った。ライヴ中に何度も観客に感謝しながら、40周年、50周年への意欲にも満ち溢れていた4人。本編のMCの中で出てきた「次また会おうと言えるバンドであり続けたい」という言葉が思い出される。ファンとの絆を大切に育みながら30周年を迎えたGLAYの温かさにも、たくさん触れられたライヴだった。


【SET LIST】
1. なんて野蛮にECSTASY
2. 天使のわけまえ
3. ASHES-1969-
4. May Fair
5. SOUL LOVE
6. 海峡の街にて
7. さよならはやさしく
8. Buddy
9. シェア
10. BRIGHTEN UP
11. 口唇
12. 紅と黒のMATADORA
13. Beautiful like you
14. Eternally
15. whodunit
16. Romance Rose
17. 会心ノ一撃
18. 誘惑
19. V.
20. 疾走れ! ミライ
21. Back Home With Mrs.Snowman

ENCORE
1. HOWEVER
2. 彼女の”Modern…”
3. ACID HEAD


GLAY:https://www.glay.co.jp/

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