Meet the Players | 島袋優 (BEGIN)

Meet the Players

Photograph by 浜野カズシ

Fender Custom Shopマスター・ビルダーの紹介コンテンツMeet the buildersに続き、実際にFender Custom Shop製ギター・ベースを愛用するアーティストを紹介するMeet the Players – Fender Custom Shop – をお届けします。 最高峰の技術を持ち合わせたビルダー達によって製作されるFender Custom Shop製ギター・ベース。その魅力や 愛器に関わるエピソード、自身の音楽活動での使用から得たインプレッションを語ります。


手に取った瞬間から抱き心地、触り心地の違いを感じましたね。
 

一番最初に買ったエレキギターは中学3年生の時。本当に安いB級エレキギターでストラトではなかったのですが、それから少しづついろんな70年代の音楽を聴いていくうちに、自分が好きだと思ったアーティストは大体ストラトを弾いていることが多かった。例えばエリック・クラプトンとか、スティーヴィー・レイヴォーンとか。でも、中々ストラトを手にする機会はなくて、BEGINでデビューした時も3人で座って演奏していたからセミアコのギターを弾いていました。やっと念願のStratocasterを入手したのは1990年にデビューしてすぐ位の時。「恋しくて」の印税でやっとギターが買える、Fenderのエレキが買える、みたいな感じの思いで買ったのを覚えていますね。

Custom Shopに関してはFenderのショールームを紹介してもらった時、当時自分のストラトはすごく酷使している状態だったので、もう1本買おうと思ったのがきっかけでCustom Shop製を購入しました。グリーンのストラト、 1960 Stratocaster® NOS Sherwood Green Metallicですが、Custom Shop製は手に取った瞬間から抱き心地というか、触り心地が全然違っていて、あ、もうこれだと思って、そんなに悩まずに買いましたね。

それから、もう1本のピンクのストラト、1959 Time Machine Heavy Relic Stratocaster ® Faded Tahitian Coralに関してはある時ローズ指板のテレキャスター目当てでショールームへ行った時、パッと目についたんですピンクのストラトが。「ちなみにあのピンクのストラト鳴らしていいですか?」って触ったら、あ、これだと思って、やっぱり俺はストラト人間なんだなって(笑) 結局Telecasterは買わずにピンクのStratocasterを買いました。ちょっと一目惚れに近い感じだったかもしれません。それまでレリックのギターは1本も持って無かったのですが、ピンクの1本はそれがすごく良くて、見た目で最初「おっ!」と思って、音出して「あ、やっぱりな!」と。それまでサンバーストとナチュラルのストラトしか持っていなかったので、色とか見た目とか含めて見惚れるというか、特にギターやっている人なら解ると思いますが、何でこんなに何時間でも見ていられるんだろうっていう位見ていられます。

ハーフトーンの音が好きなんですが、グリーンのストラトは自分が頭に描く「ストラトの音」がしていて、ハーフトーンの音色が完璧。ピンクの方は音が太くて色んなものに対応しやすい。自分の中ではそういう使い分けのイメージですね。 普段はリアピックアップは使わず、フロントかミドルかハーフトーンばかりです。エフェクターはディレイとディストーション、たまにコーラスくらいしか使っていないので、ギター本体の音が活かされる使い方をしていますね。クリーンの時は何もかけずにストラトの音そのまま。

Fender Custom Shop製ギターの凄さは、やっぱり職人さんが製作しているので作りが丁寧、ビルダーの息がかかっているというか、音も違いを感じるし、削るにしても切るにしてもミリ単位のことで変わってくるし、色とかも含めて職人さんの凄さだと思います。やっぱり職人さんの息がかかったギターって見た目は同じでもやっぱり違う。触り心地とか音の出かたとかも全然違うし、職人さんが手がけているというのは凄く良いのだと思う。


何十年も変わらず色んなミュージシャンに愛されて、同じ形でずっといる楽器というのは何か本当に意味があるのだと思う。
 

今、ギターの世界って凄く進んでいて色んなタイプのギターがある。それはそれで凄く面白いと思うし興味もあるのですが、何か人間らしいんですよねStratocasterというギターは。しばらく使ってなかったらスネたりとか、そういう風に思っています。是非皆さん試しにFenderのStratocasterを楽器屋さんに行く時でも良いので手に取って欲しいなと思います。何十年も変わらず色んなミュージシャンに愛されて、同じ形でずっといる楽器というのは何か本当に意味があるのだと思う。この形に。美というか美しさ、機能性とか色んな意味で、だからこのStratocasterというギターを是非一回手に取って、膝の上に置いたり、肩から掛けたり、試してみたりして欲しいなと。そしたら数々のロックスターが奏でてきた雰囲気が味わえるんじゃないかな。

シングルコイルのエレキはやっぱり結局Fenderのギターを選んでしまうんだろうなと思う。とても美しいギターなので、たまにじーっと見て癒されています。特に今の時期だから自分の部屋にもリビングにも1本づつ置いてあって、それをたまにチラッと見て癒されています(笑)。

Meet the Players

FENDER CUSTOM SHOP 1960 STRATOCASTER® NOS SHERWOOD GREEN METALLIC

2016年に製作されたアルダーボディにメイプルネック、ローズウッド指板、60年代仕様のStratocaster New Old Stock、日本限定のサテン仕上げネックとミントグリーンピックガードが特徴。


Meet the Players

FENDER CUSTOM SHOP 1959 TIME MACHINE HEAVY RELIC STRATOCASTER® FADED TAHITIAN CORAL

2018年に製作された59年仕様のStratocaster Heavy Relic、ハンドワウンドのFat‘50s Stratocaster PickupはミドルポジションがReverse Wound (逆巻き)、Reverse Polarity(逆磁極)となっており、ハーフトーン時にはハムキャンセル効果が得られる。59年の特徴でもある指板材が平面なFlat Lam仕様で接着されており、ローズウッドの使用量が大きく取られていることによる太いトーンが特徴。


PROFILE


島袋優 (BEGIN)
沖縄・石垣島出身の3人組バンド「BEGIN」のギターボーカル。1990年シングル「恋しくて」でデビュー。auのCMで大ヒットした「海の声」作曲など、プロデューサーやソングライターとしてもヒット曲多数。様々なアーティストへの楽曲提供なども多数。
2017年よりハワイのボーカル&ウクレレデュオ「Tegan&Kaylen」の楽曲プロデュース、2018年より沖縄出身2人組三線デュオ「いーどぅし」の楽曲プロデュースを手掛ける。琉球放送ラジオ「島袋優のヤエヤマンインクモジ」にレギュラー出演中。2020年3月21日よりデビュー30周年に突入。

› Website:https://www.begin1990.com

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