Meet the Players | 岸田繁(くるり)

Meet the Players

Fender Custom Shopマスター・ビルダーの紹介コンテンツMeet the buildersに続き、実際にFender Custom Shop製ギター・ベースを愛用するアーティストを紹介するMeet the Players – Fender Custom Shop – をお届けします。最高峰の技術を持ち合わせたビルダー達によって製作されるFender Custom Shop製ギター・ベース。その魅力や愛器に関わるエピソード、自身の音楽活動での使用から得たインプレッションを語ります。


Fender Custom Shopは明らかに音の良い個体が多いですね。
 

最初に入手したFenderのギター。 購入という意味では、2004年ごろ、現在も使用している’61製のテレキャスターです。これにかなうギターは、今後も出てこないと思っています。私にはこのテレキャスがあれば、他は要りません、と断言しそうになるくらい好きな楽器です。

このテレキャスを買う前は、ストラトキャスターやシンラインも使っておりましたが、全て借り物でした。くるりのベースの佐藤さんの親父さんが楽器をたくさん持っていらっしゃったので、昔はよく楽器を借りました。黒のカスタムショップのストラトは、今でも借りっぱなしで、これも好きな楽器です。ずっと使わせてもらっています。

よければなんでも良い、と、今は考えていますが、当時はヴィンテージが圧倒的に音のバランスやトーン、弾き心地が良いと考えていました。レギュラー・ラインと比べて、カスタム・ショップは悪くないけど、というくらいの印象でした。でも、明らかに音の良い個体が多いですね。


シンラインは以前からこっそり探していました。
 

現在使用しているFender Custom Shopのギターは’66年製シンラインのマスター・ビルト製です。仙台の楽器店で、色がかっこいいので試奏してみたら音もドンズバで、弾いた感じも良かったので即購入しました。

各弦の音のバランス、分離の良さに加え、倍音がとても綺麗です。ネックの感じが手にフィットした、ということもあります。指に弦が張り付いてくるような粘っこい弾き心地で、サスティンが長い印象です。私はソリッドギターも好きですが、ホロウ・ボディーのギターの方が好みではあります。そういうこともあり、シンラインは以前からこっそり探していました。Fホールが付いていなかったり、くすんだ青色塗装というマニアックな本器は、見た目にもポイント高かったです。

凄さを語れるほどカスタム・ショップに詳しくはありません。ただ、このシンラインは、非常にバランス良くできています。勿論オールドスクールな音楽性にも対応させやすいと思いますが、やはり新しい楽器なのでモダンなサウンドへの対応もしやすいと思います。

このギターが良く登場する場面は、コードを綺麗に響かせたい時です。倍音の揃いが綺麗なので、シンプルに音程感が出やすいです。全体的な鳴りはドンシャリっぽい嫌いはありますが、倍音が豊かで、ピッキングのニュアンスも素直に出る印象なのでアンプの音も作りやすいです。くるりでは、アンプのセッティング、あるいは楽曲やアンサンブルの性質上リア・ピックアップを使うことが多いですが、このギターはとにかくハーフトーンがブリブリした音でかっこいいです。

ギターは楽しいです。弾いて弾いて弾きまくってください!

Meet the Players

FENDER CUSTOM SHOP 1968 THINLINE TELECASTER® JOURNEYMAN RELIC® LAKE PLACID BLUE MASTERBUILT BY GREG FESSLER

岸田の愛器は、マスタービルダーのグレッグ・フェスラー製作によるTHINLINE TELECASTER®。  Fホール無しのセミホロウ・アルダーボディという珍しい仕様が目を惹く、魅力的なルックス。Fenderの伝統カラーである鮮やかなLake Placid Blueは長年大切に使用されて来た風合いを再現するJOURNEYMAN RELIC®が施されている。ネックは柾目のメイプル材にローズ指板、ピックアップはブリッジ側にFender Custom Shop製 Hand wound ‘63 Telecasterシングルコイルピックアップ、ネック側にはニッケルカバー仕様のSeymour Duncan® ’59™ハムバッカーが搭載されており、歯切れのよいテレキャスターサウンドから、ハーフトーンではシングルコイルとハムバッカーの絶妙なコンビネーションを堪能できる仕様となっている。

PROFILE


岸田繁(くるり)
1996年9月頃、立命館大学(京都市北区)の音楽サークル「ロック・コミューン」にて結成されたバンド「くるり」のボーカル&ギター。古今東西さまざまな音楽に影響されながら、旅を続けるロックバンド。1998年に「東京」でメジャーデビューを果たして以降、数々のオリジナルアルバムを発表し日本のロックシーンで絶大な支持を得ている。岸田は「ジョゼと虎と魚たち」(03年)、「奇跡」(11年)など映画音楽も多岐に手掛けている。2017年、岸田による交響曲「交響曲第一番」初演の模様を収めた作品「岸田繁『交響曲第二番』初演」をリリース。2020年4月には20年あまりの歳月が生んだコンセプトアルバム『thaw』を発売。6月には岸田が書き下ろしたNHK Eテレ「みいつけた!」エンディングテーマ「ドンじゅらりん」配信。夏にはオンライン・ライブハウス「LIVEWIRE」オープニングシリーズ第1弾として、くるりのワンマン出演が決定している。

› Website:http://www.quruli.net/

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