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Music Plus Yourself | おかもとえみ(フレンズ)

人との出会いをつないでくれるのは、いつも音楽やベースでした

フェンダーより発表となった新シリーズ「Player Plus」のローンチを記念し、FenderNewsでは現在の日本のミュージック&カルチャーシーンを代表する若き才能にスポットを当てたコンテンツシリーズ「Music Plus Yourself」。今回は、ソロ活動のほか4人組バンド“フレンズ”のヴォーカリストを務め、幅広いアーティストへの楽曲提供など作家としても才能を発揮しているシンガーソングライター、おかもとえみが登場。

最初に弾いた曲は、ザ・ビートルズの「シー・ラヴズ・ユー」

― 音楽に目覚めたきっかけは?

おかもとえみ(以下:おかもと) 子どもの頃はテレビがすごく好きで、野猿やポケビ(ポケットビスケッツ)、ブラビ(ブラックビスケッツ)とか、テレビ企画ものの音楽が超好きだったんです。それとSPEEDが私の中で一番ハマって、ダンスを始めようと池袋のダンススクールに通い始めたのが音楽の始まりです。そこからダンスを3年間習って、ダンスボーカルをやりたいと思って中学校・高校でダンス部に入ろうと思ったのですが、体育会系ノリを経験してこなかったので厳しいのはやっぱり嫌だなと…(笑)。

 ある時に、軽音楽部という部活があることを知ったんです。そこだったら歌えるし、音楽が好きだし、入部しようと思ったのが楽器を始めるきっかけですね。だけど楽器を買うのにはお金がかかるし、同じクラスの友達もお母さんにダメって言われちゃって、一緒にバンドを組める子がいなくて。グループで入部しないといけなかったので、隣のクラスでメンバーを募集していた子たちと一緒に軽音楽部に入りました。その時はギターをやりたいと思っていたのですが、他の子がギターとドラムだったので、“じゃあベースでいいよ”って感じでベース&ヴォーカルになったんです。

― 軽音楽部ではどんな音楽を演奏していましたか?

おかもと 最初に弾いた曲は、先生からの課題曲であるザ・ビートルズ「シー・ラヴズ・ユー」でした。そのあとは、当時流行っていたWhiteberryの「夏祭り」とか、ロードオブメジャー、GOING STEADY、JUDY AND MARY、GLAY、Do As Infinityなどをコピーしていました。

― ベースを弾きながら歌えましたか?

おかもと いや、難しすぎて泣きましたね(笑)。GLAYも泣きましたけど、一番泣いたのはジュディマリの「自転車」です。休符と歌のマッチがどうしても難しくて。

― 頑張ってどうにかなる話でもないですよね?

おかもと でも、どうにかなりましたね。何で歌いながら弾けるの?と聞かれれば、その時にめちゃくちゃ練習したからです。“すごいね!”ではなくて“めちゃ練習したんだね!”って言われたいです(笑)。それは練習の成果です。ここに休符があって運指がこうでって、フレーズを分解しながら練習していました。

― ダンスヴォーカルと、楽器を弾きながら歌うことはやはり違いましたか?

おかもと ダンスは音に乗るものだと思うんですけど、楽器は音自体を作るものなので全然違いますよね。それはお客さんを見てさらに思いました。学生の時、ドラムの子と噛み合っていない時はお客さんも体を動かさず観ているのですが、噛み合った時は身体を動かしてリズムに乗るんですよね。それを見て“これがグルーヴなのかな?”と思いましたし、音楽はリズムで成り立っていることを軽音楽部で学べたのは大きな経験でした。

― プロになろうと思ったきっかけは?

おかもと 中学校3年生の終わりに、ROCK’A’TRENCHのベースの河原真さんにベースを習いたいと思って、mixiでアプローチしてレッスンを始めたんです。スティーヴィー・ワンダーとか、モータウン・サウンドのレッスンやカヴァーをしていくうちに、どんどんベースが弾けるようになって楽しくなっちゃって。その時は1万円とか2万円台の初心者用のベースだったのですが、もっと出したい音があるとこだわりを持ち始めて。その時、黄色のベースが欲しかったんです。

― 黄色のベース?

おかもと Scoobie Doのナガイケジョーさんのベースが、ステージ上の照明の影響で黄色に見えたんです。ボディが黄色で、ピックガードが黒のJazz Bassを河原さんと調べたらなくて、じゃあ作っちゃえ!と(笑)。お父さんにベースを作りたいと言ったら、当時はかなり高い買い物だったのですが、“作るのは良いけど、プロになれよ”って言われて。運良く大学でTHEラブ人間に加入できて、メジャーデビューをさせてもらえたので、その約束は果たせたのかな?と思っています。

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“間違っているかな?”と思わず全部やってみることが大切

― それからベーシストジャーニーが続いているわけですが、音楽、ベースをやっていて“プラス”になったことは何ですか?

おかもと 13歳からベースを持っているので、人生の大半をベースと過ごしているんです。音楽、ベースをやっていて良かったと思うのは、友達と出会えることです。人との出会いをつないでくれるのは、いつも音楽やベースでした。誰かと会う時も音楽の話をするし、“どんな音楽が好きなの?”とか、そんな話からどんどん仲良くなっていきますから。

― 音楽をやっていない時の素のおかもとさんは、どんな人間ですか?

おかもと シナモントーストと、せんとくんが好きです(笑)。あとは漫画と純文学も好きで、ゆるキャラも描いています。ちょっとサブカルですかね?

― ちょっとじゃなくてかなり(笑)。音楽以外で大事にしていることは?

おかもと 思いやりです。例えば、ありがとうが言えるか言えないかってすごく大事で。誰かに対して、物に対して、生活に対して思いやりがなければ、心が豊かにならないなと思いながら生きています。

― ちなみに、フェンダーのベースを手にしたのはいつですか?

おかもと 19〜20歳くらいの時かな…。Precision Bassが欲しいと思って、いろいろな楽器屋さんに行く中で初めて試奏したんです。その前にオリジナルベースを作っていたので、試奏してみるとこんなに音の違いがあるんだってことに気づいて。その時はすでにTHEラブ人間で活動していたのですが、個人的には何本もベースを持つよりも、浮気せずに自分が好きな音を出せる1本でいけるのが理想で。ジャズベはオリジナルのモデルがあるから、プレベも理想の1本が欲しいなと思って出会ったのがフェンダーのカスタムショップ。82年モデルのリイシューかな? それが手に吸い付くようにフィットしたんです。温かさがありつつも前にゴーン!と出るまさに欲していた音だったので、これしかないなと思って。その時に初めてローンを組んで買いました。当時、塾のバイトを週に一回くらいしかしていなかったので、大きな買い物でした。

― それは今でも使っている?

おかもと ほぼメインですね。仕事をする時は基本的にそれを使っています。最近の作品のほとんどは、そのプレベを弾いてます。

― 今、ベースは何本あるんですか?

おかもと そのJazz BassとPrecision Bassの2本です。

― 本当に浮気せずなんですね。

おかもと そうですね。エフェクターもほとんど使わないです。サポートの時はちょっとだけエフェクターを使うんですけど、基本的には“素の音”がいかにハマるかを大事にしています。

― それは嬉しい限りです。さて、今日弾いたPlayer Plus Jazz Bassですが第一印象をお聞かせください。

おかもと 滑らかですね。シンプルだけど温かい色味(オリンピックパール)のベースを持っていなかったので、すごく素敵だなと思いました。アクティヴベースもめちゃめちゃ重いイメージがあったのですが、意外と持ちやすくスマートな印象です。

― アクティヴのJazz Bass、どのように使ってみたいですか?

おかもと ベースが割と前のめりに出るような曲を作りたいと思いました。イメージですが、SUPERCARさんのようにグーン!と前に進むベースで、“ついて来いお前ら!”みたいな曲を作りたくなりました(笑)。フレンズでもツインベースっていいなぁ、なんてちょっと思ったり。

― 全然アリですよね! さて、来年の動きは?

おかもと フレンズもおかもとえみも、コロナ禍で思うように動けない期間があったので、来年はライヴをたくさんしたいのと、会えなかった人たちにまた会えるような機会を作りたいです。それがライヴなのか音源なのか、とにかく突き進む1年にしたいなと思っています。

― 最後に、ビギナーの方にアドバイスやメッセージをお願いします。

おかもと 決まりがあるように見えて決まりはないと思うので、自分が思ったことに対して“間違っているかな?”と思わずに、全部やってみることが大切だと思います。ベースを手にして、本当に弾きたい、自分の気持ちの赴くままにベースを触るのがいいと思います。


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おかもとえみ
板橋区出身の不可思議正統派シンガーソングライター。ゾンビ好きの、平成2年生まれ、元ギャル。ソロシンガーとして活動する傍ら、フレンズのメインボーカルを務める。日本大学芸術学部卒業。10代の頃から音楽活動を始め、THEラブ人間のベーシスト、ボタン工場のボーカルを務める。2014年からソロ活動を本格的にはじめ、自主制作EPを発売後、翌年2015年にミニアルバム『ストライク!』をVYBE MUSICからリリース。その後配信販売で「POOL」を販売。ソロ活動と並行し、神泉系バンド、フレンズを結成し活動が盛んになる。また、各方面からボーカリストとして、作家としての活躍も盛んになり、現在までにさかいゆう、SexyZone、M!LK、吉田凜音から、FRONTIER BACKYARD、illmore、PARKGOLF、TSUBAME等、HIPHOP~CLUB系等ジャンルを超え活動の場を広げている。
https://okamotoemi.com

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