OKAMOTO’S 15th Anniversary FORTY SEVEN LIVE TOUR -RETURNS-
デビュー15周年を迎えたOKAMOTO’Sの全国47都道府県ツアー〈OKAMOTO’S 15th Anniversary FORTY SEVEN LIVE TOUR -RETURNS-〉。約7ヶ月間で各地を廻るツアーの初日は、9月1日(日)Zepp Shinjuku公演。活動休止していたハマ・オカモト(Ba)の復帰の場ともなったこのライヴの模様をレポートする。
かけがえのないOKAMOTO’Sの魅力を再確認したツアー初日
開演を告げるSEが鳴り響き、メンバーたちが次々登場する中、一際大きな拍手と歓声を浴びたハマ・オカモト(Ba)。オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(Gt)、オカモトレイジ(Dr)、お馴染みのサポートプレイヤーであるブライアン新世界(Kb)、5人が勢揃いした姿にワクワクさせられる。そして演奏がスタートするや否や、構築されたアンサンブルは最高だった。観客は早くも興奮を露わにしていたが、音を奏でているステージ上のメンバーたちも実に嬉しそう。ライヴの序盤から極上サウンドの連続となった。
ツアーは今後も続くので披露された曲の紹介は最小限にとどめるが、15周年という節目にふさわしい内容となっていた。ライヴでやるのが久しぶりの曲や新曲が盛り込まれているのも要注目。そして、各メンバーが奏でるサウンドを体感するのは、本当に至福の時間だった。約5ヶ月ぶりにステージに立ったハマはJazz Bassもプレイしつつ、トレードマークとも言うべきPrecision Bassを鮮やかに鳴り響かせていた。
貫録たっぷりのサンバーストが目を引くヴィンテージのPrecision Bassの他、存在感を大いに発揮していたのは、Olympic Whiteのボディカラーが精悍なシグネイチャーモデルHama Okamoto Precision Bass “#4”の本人仕様プロトタイプ。このベースには骨太でグルーヴィなサウンドがとてもよく似合う。「Beek」「Dance With You」「BROTHER」といった強力な定番曲を弾きながら響かせた音色、多彩なフレーズは、各曲に熱い血を通わせる心臓のようだった。Jazz Bassのスリムなネックシェイプを採用して実現したスムーズな演奏性も相まって、完全にハマの身体の一部となっているのだと思う。
ショウが数曲で使用したAmerican Acoustasonic Telecaster(Natural)、コウキのVintera II 60s Telecaster(Fiesta Red)も素晴らしいサウンドを聴かせてくれた。コウキがメインヴォーカルの「Flowers」では、ショウのAmerican Acoustasonic Telecasterの豊かなコードの響きが曲にひと際美しい彩りを添えていた。この曲でコウキは、ビグスビーのビブラートテイルピース、クリアのピックガードという独自の仕様を加えたVintera II 60s Telecasterをプレイ。美しいクリーントーンを響かせながら輝いたFiesta Redのボディが、コウキの瑞々しい歌声を彩っていたことも思い出される。
ショウのAmerican Acoustasonic TelecasterとコウキのVintera II 60s Telecasterの絶妙なコンビネーションに関しては、「Dancing Boy」にも触れておきたい。ハマが復帰した15周年ツアーの初日だからこそ選んだのだというこの曲は、10周年を迎えた際に開催された初の日本武道館ワンマンライヴの本編ラストで披露された曲だ。
「15年やってきた中での一番大きいステージって武道館1回なんですよ。それがめっちゃ悔しいなと思って。俺たちは絶対にもう一度武道館のステージに立ちたい。もっとでかいステージにも立ちたい。だって俺たちはずっと一番カッコいい音楽をやってるんだから。俺は心の底からそう思ってる。だから死ぬ気でやってもっとでかいステージに立って、もう一度しっかり世界制覇を目指します!」。同曲を披露する直前のMCで語ったショウ。15周年を経てさらに前進する決意を伝えてくれた。
「バンドマンとしていろんな場所に出て行くのが自分の使命というか決めていたこと。それをしっかりと思い出せました。皆さんのおかげですし、メンバーのおかげでございます。戻ってこられましたので、今日からよろしくお願いします」
活動再開の心境を序盤で語ったハマ。さまざまな仕事の機会があることに感謝しつつも、目まぐるしく過ぎて行く日々の中で心のバランスが崩れたのが活動休止に至る理由だったと説明した彼に、温かな声援と拍手が送られた。来年の1月22日に10枚目のオリジナルアルバム『4EVER』をリリースする旨を発表し、今後の活動への意欲に満ち溢れていたOKAMOTO’S。待ち侘びていたファンにとって、かけがえのない魅力を再確認させてくれたツアー初日だった。
All photos by Goku Noguchi
OKAMOTO’S:https://www.okamotos.net/