Players’ After School | ハマ・オカモト -後編-

Players After School

この秋、文化祭を控える高校生バンドを応援するため、綾小路 翔(氣志團)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、Charの3人のアーティストがサプライズで高校の軽音楽部を訪れ、特別講義を行うというスペシャルな企画「PLAYERS’AFTER SCHOOL」が行われた。2人目は、OKAMOTO’Sのハマ・オカモト。後編ではインタビューをお届けする。


部員たちに逆に教えられた気もしました 何か素敵なものを見せてもらったなと
 

―  東洋高等学校での「PLAYERS’AFTER SCHOOL」。講義お疲れ様でした! まずは講義の感想から教えてください。

ハマ・オカモト(以下:ハマ) こういうシチュエーションで話した経験がなく、事前に話すことを組み立てられなかったので、本当の出たとこ勝負でした。でも、話していると“言われてみりゃ、この時こうだったよな”といったことが多々ありましたね。特に楽器やバンドを始めた頃の話は、僕も今日の部員たちくらいの年齢だったので、当時の気持ちがすごく甦ってきました。みんなの気持ちもすごくよくわかりました。みんなすごく緊張していたわけでもなく、僕をなめていたわけでもなく、ちょうどいい塩梅でそれが嬉しかったですね。リアルな高校生の雰囲気に馴染めていたかなと思います(笑)。

―  学生たちの演奏も観てもらいました。「MY ROOM」というガールズバンドでしたが、演奏が終わったあとに褒めていましたね。

ハマ “上手い”という言葉にはもちろん偽りはないのですが、誤解してほしくないのは、技術的なことに関してはまだまだ先がありますし、もちろんそれは本人たちも絶対にわかっているはずなんです。それでもバンドという集合体として、“自分一人でやっているんじゃない”という大前提ができていることがすごく素晴らしかったですし、バンドというかたまりとしてきちんと演奏できていたことに感動しましたね。僕らも振り返ると、バンドで演奏していても個人個人がバラバラだった時代も多かったですし、デビューしてからもありましたよ。

―  なるほど。

ハマ でも、MY ROOMのみんなは部活動とはいえ、一緒にやっている人を気遣って演奏できていました。あれはなかなか、できない人はできない。それができているのはとても素晴らしかった。本人は小っ恥ずかしかったかもしれないですが、ヴォーカルの子が歌詞を忘れちゃった瞬間、隣のキーボードの子に“ごめんね”という表情を見せましたが、曲は止めないわけです。ああいうことが、3分間の中に瞬間的に巻き起こるのがバンドのいいところでもあり、生でバンド演奏することの醍醐味なんですよ。それを見ることができてすごく嬉しかったです。

―  確かに、生のバンド演奏の醍醐味を教えてくれましたね。

ハマ 部員たちに逆に教えられた気もしました。しかも、緊張するじゃないですか? 自分がやれって言われたら無理ですもん。高校生で、プロを前にしかもカメラまで回っていて、そんな状況の中で完璧にやってのけたと思いますよ。歌詞が飛んだのは、気持ちがたかぶったからだと思います。本当に素敵なものを見せてもらったなぁと。こういうものが見られて良かったとしみじみ思いましたね。

―  他にも部員たちから教えられたことがあるかと思いますが、今回の講義を通じてハマさんが得たものは?

ハマ 楽器を始めたばかりというか、好きだからバンドや楽器をやるという熱量は、ずっと持続できるわけではないので、それを見せつけられた感じがします。それは演奏以外のところでも感じさせられました。それから、“僕はまだまだだな”と改めて思いましたね(笑)。こんな企画に呼んでもらえるほど認知してもらって、さらにみんなといい距離感で接することができた。でも、まだまだだなと言った理由は、みんなが僕に気を遣ってくれていたというか、“みんなのベースヒーローは?”って聞いたら、みんな“ハマさん”って。(笑)でも、もうちょっと全体が“わあぁっ!”ってなってもらえるように頑張らないといけないなと。

―  PAをやっていた女子部員は、ハマさんの大ファンで感極まって泣いていましたよね。

ハマ 今日はPAの子のおかげで救われましたね。ありがとうございます(笑)。まだまだだなって常に思わなくちゃなと。頑張ります。

Players After School

―  他の高校でバンドを頑張っている学生、あるいはこれからバンドを始めようと思っている学生たちにアドバイスを。

ハマ 心からやりたいなと思うことは、実はなかなか見つからないものなので、やってみたいと思った時点でやってほしいですし、“やってごらん”と言いたいです。でもそのためには、こういう部活もそうですし、楽器を買うのにもお金がかかるので、僕がこういうことができるようになったからには、そのハードルはもっと下げられるように頑張りますし、全力で応援したいです。ただ、繰り返しになりますが、人生でやりたいことを見つけることは大変なことですし、やりたいなと思う瞬間はどんどん少なくなっていく。制約もどんどん出てきてしまうと思うので、やりたいと思ったが吉というか、始められるならぜひ始めてみてください。でも、あまり上手くなると僕の仕事がなくなるので、そこだけよろしくお願いします(笑)。

全員がライバルだと思っていますから僕は!

―  (笑)。ライバルもですけど、今日でハマさんのファンが増えたと思います。

ハマ 増えてくれるといいですね。でも、部員たちからはベースヒーローとしてKenKenや田淵くん(UNISON SQUARE GARDEN田淵智也)などすごいベーシストの名前が挙がっていましたから、そこに入れるように頑張らないといけないですね。頑張ります。

―  OKAMOTO’Sの今後の予定は?

ハマ 2019年は我々OKAMOTO’S の10周年イヤーなんです。2019年は目まぐるしくいろんなことをやろうと思っています。自分たちから“周年”と言っているくらいですから、お祝いしてもらう気満々ですのでよろしくお願いいたします。

―  これを機に高校の学祭で演奏するのはいかがですか?

ハマ そう言えば、高校の文化祭で演奏したことはないですね。楽器が好きで弾いている自信がありますから、声が掛かればいつでも行きますよ!

› 前編はこちら

ハマ・オカモト(OKAMOTOʼS)
中学校からの同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’Sのベーシスト。2010年日本人男子として最年少でアメリカの音楽フェス「SxSW2010」に出演。アメリカ七都市を廻るツアーや豪州・アジアツアーなど、海外でも活躍。これまでシングル8作品、アルバム7作品を発表。2017年8月2日には約1年半ぶりとなるオリジナルフルアルバム「NO MORE MUSIC」をリリース。また、2017年10月には、東京・中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンを開催し、瞬く間に即完。10月30日より年またぎで全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」を敢行、大盛況のうちに終了した。フェンダーミュージカルインスツルメンツコーポレーションの日本人ベーシスト初となるエンドーサーでもある。
› Website: http://www.okamotos.net/

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