Meet the Legend Behind the Scenes | Char x 雫(ポルカドットスティングレイ)

Char x Shizuku

フェンダーが主宰するライヴイベント『MEET THE LEGEND』が、9月23日(月・祝日)恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催される。今回はそのイベントの打ち合わせに参加し、事前の対談を行なうことができた。このイベントは“受け継ぐもの、そして、受け継がれるもの”をテーマに、日本のロックシーンを語る上では欠かすことのできないギタリストのCharと、いま注目を集めるポルカドットスティングレイ、CHAIという2組の若手バンドが出演。まずは、結成4年目で日本武道館公演も成功させた4人組バンド、ポルカドットスティングレイの雫(Vo. & Gt.)とCharの対談をお届けしよう!

ライヴはどれだけ楽しむかも重要。音楽に集中して演奏を楽しみたいね

盛り上がるところでギターバトル
してもらっても大丈夫です(笑)- 雫 –
 

『MEET THE LEGEND』はそれぞれのライヴのみならず、Charがそれぞれのバンドに加わってのセッション、さらにギターにまつわるワークショップ形式のトークショウなども行なわれる盛りだくさんの内容だ。先日、フェンダー社から発売されたばかりの“CHAR MUSTANG”には、もっと若手のギター人口を増やしたいというCharの想いも込められている。今回のイベントでは、日本のレジェンドギタリストCharから2組の若手バンドへ、どのような想いが受け継がれるのだろうか。当日イベントに足を運んでいただき、その瞬間をぜひ共有してもらいたい。

―  今回、初めてお会いするということですので、簡単な自己紹介をしていただけますか?

雫   ポルカドットスティングレイという4人組バンドで、ヴォーカル&ギターをしています福岡県出身の雫です。まだ結成4年の新人バンドですが、今回はよろしくお願いいたします。

Char   えーと、この辺出身で40数年ギターを弾いている新人です(笑)。

雫   ハハハ(笑)。10倍以上ですね。それはすごい。

Char   福岡と言えば鮎川(誠)くんと一緒だよ。全員、福岡出身なの?

雫   私とリードギターのエジマハルシが福岡出身で、ドラムのミツヤスカズマが佐賀。ベースのウエムラユウキが鹿児島ですね。

Char   バンドのメンバーとはどこで出会ったの?

雫   Twitterで募集して出会いました。

Char   今どきだね。

雫   現代っ子ですね(笑)。

―  では早速、Charさんがセッションで加わるポルカの曲を聴いてみましょうか。

(曲をスタジオで流す)

Char   ギターって1人なの?

雫   リードギターがいるので2人ですね。

Char   (ギターソロが流れて)リードギターが弾きまくってるね。

雫   この曲は半分、ギターソロなんですよ。

―  セッションする予定の曲は、ギターソロがふんだんに入っていて、Charさんは得意そうな曲ですね。

Char   そんなことないよ(笑)。

雫   ハルシが、Charさんに自分のギターソロを聴かれるのはめっちゃ緊張するって言ってました

Char   もう遅いよ、聴いちゃった(笑)。でも、すごくいいじゃん。

雫   ハルシが聞いたらすごく喜ぶと思います。自分も今かなり緊張しました(笑)。褒めていただけて良かった。

―  曲調からは、ポルカのリードギタリスト、ハルシさんとのギターバトルも想像できそうですが。

雫   それ、ハルシがヤバいですね。

Char   ただでさえ曲がギターばかりだから、そんなに弾きまくったらヴォーカルがかわいそうだよ。

雫   私は、それも大歓迎ですね。

―  Charさんはどのようにアプローチしますか?

Char   ちゃんとサイドギターもいるし、リードもいるからどうしようかな。

雫   ラストのサビが終わったらずっとギターソロで、そこはいつも手拍子が入って盛り上がるところなので、ギターバトルしてもらっても大丈夫です(笑)。

Char   わりとギターソロがメロディックだったし、リフも曲の合間にしっかりと考えられて入っているから、そこはハルシくんに任せて俺は見てようかな。

雫   ハルシの緊張がヤバいですよ(笑)。

Char   手元をじっくり見てようかな(笑)。

―  雫さんからCharさんへリクエストはありますか?

雫   弾いてもらえるだけで嬉しいです! 

―  Charさんも女性ヴォーカルのバンド(スモーキー・メディスン)をやっていましたが、女性ヴォーカルと一緒に演奏する難しさはありますか?

Char   高校くらいの話だけど、デビューするまではけっこう女性シンガーのバックもやっていて。基本的に男性よりもキーが高いから、ギターのアプローチが少し違うんだよ。なるべくヴォーカルの音域とぶつからないように弾くとかね。あとは、ヴォーカルが活きるようなフレーズを弾くことだね。

雫   ありがたいお話です。うちのギターは時々やりたい放題しちゃって、歌が入っても弾きまくっていることがあって。“いま歌入っているんだけどなぁ…”っていう時もあって(笑)。ギターソロが長い時に、自分が何をやればいいのかイマイチわかっていなくて。そのタイミングは少し恥ずかしいですね。

Char   ハルシを邪魔すりゃあいいじゃん(笑)。

雫   確かに(笑)。ポルカはほとんどの曲にギターソロが入っているから、ギターソロってなるとライヴの時にはハルシが常に前に行っちゃう。でも最近1曲だけ、ギターソロを弾かなくてもハルシの前に行くようにしていて。ハルシが目立っているのを見て、何か悔しくなっちゃって(笑)。お客さんにもっと自分を見てほしいなって。

―  若手のバンドでギターソロが多いのは珍しいですね。

雫   そうかも。ギターソロは意図的に多く入れていて。ギターソロが多い若手バンドっていう空いたポストに入ろうかなって(笑)。だからTwitterでメンバーを集めてオーディションをした時に、ハルシが来てくれてカッコいいギターソロを弾いてくれたからよろしくって誘ったんです。

―  Charさんが福岡に住んでいたら、加入していたかもですね。

Char   Twitterで応募するよ。でもちょっと歳かな(笑)。

―  まだ結成4年ほどですが、すでに武道館でのライヴも成功させたんですよね?

雫   先日、武道館でライヴをさせていただきました。

―  Charさんと共演するステージは、武道館よりもお客さんとの距離も近いですし、バックにはCharさんというシチュエーションですよね。

雫   めっちゃ緊張しそう。


Char x Shizuku

セッションできることが嬉しいよ
でも俺めっちゃ音大きいよ(笑)- Char –

―  雫さんは今、フェンダーのTelecaster Thinlineを弾いていますが、選んだ理由は何ですか?

雫   私、ギターのことが本当にわからなくて。

Char   俺もそうだよ。そういうことに興味を持つ暇がなかったんだよ。耳コピしたり、練習することに必死だったから。それにギターは、だいたい兄貴のお古だったから。

雫   なるほど。

Char   フェンダーなんて一生買えないって思っていたから。

雫   フェンダーって高かったんですか?

Char   俺が小学生くらいの時から、新品で20何万円もしていたから。50年以上前の話だよ。

雫   それは買えないと思いますね。

―  Charさんは、最初に買ったStratocasterが盗まれてしまってMustangと出会ったんですよね。それで名曲「Smoky」が生まれて、今回新しく“CHAR MUSTANG”も誕生して。

Char   そうだね。

雫   (CHAR MUSTANGを手渡されて)Mustangって小さいギターですね。

Char   もともとステューデントモデルだから。アメリカの学生用みたいな。

雫   すごく小さいですね、ちょうどいいかも。私は体が小さいから、最初に“Mustangを弾かないの?”って言われたことがあるんですが、“何それ?”って(笑)。私はギターのことがわからなさ過ぎて、ストラト、テレキャスくらいしか知らなくて。

―  CHAR MUSTANGはどうですか?

雫   カワイイぐらいしかわからないけど、サイズがいい感じですね。

Char   カワイイっていう反応で問題ない。最初は、ギターを手にして鏡を見て気に入るかが大切。いろんなカラーバリエーションもあるよ。

雫   青がカワイイ。青好きなんですよね。今使っているギターの緑も好きだけど。

Char   Mustangって東京オリンピックがあった年に作られ始めて。それで、この白色が“オリンピックホワイト”って呼ばれていて。また東京でオリンピックがあるなって思った時に、もう一度Mustangを少しハイブリットなモデルにして復活させたいって考えてね。何本かカスタムショップでは高いモデルを作ってもらっていたんだけど、ギター人口を増やすために買いやすい値段設定で作れないかなってフェンダーさんに提案して。特に女子が増えたらいいよね。

雫   まだ男子のほうがギター人口は多いですよね。

Char   でも、最近の男子は練習しないじゃん(笑)。ハルシくんは珍しいよね。若いのにあれだけ弾けるんだから。

雫   でも練習嫌いですよ(笑)。

Char   どっかで練習してきたから、あれだけ弾けるんだよ。

雫   高校の時に、周りが自分よりもギターが上手かったから、悔しくてめちゃくちゃ練習したって言っていました。

―  ポルカの音楽は、フェンダーのギターの音が特徴にもなっていますよね。

雫   ありがとうございます。いつもフェンダーさんには良くしていただいています。ハルシは音にすごくこだわりを持っていて、このフェンダーのギターの音がとか言っていますね。

―  ちなみにこれまで、他のアーティストが加わってセッションした経験はありますか?

雫   ないと思いますね。対バンもほぼしないくらいなので。

―  初セッションの相手がCharさん?

雫   ヤバイですね。周りに自慢しよう(笑)。

Char   やりたい放題暴れて、もう2度と一緒にやりたくないっていう演奏にしてやろうか(笑)。

雫   それはトラウマになります(笑)。ハルシも緊張すると思うけど、Charさんとのセッションを楽しみにしているはず。

Char   あれだけギターを弾けるギタリストが、若いバンドにいるってことが嬉しいよね。それに、そういうバンドとセッションできることも嬉しいよ。すごく楽しみだね。でも俺、めっちゃ音大きいよ(笑)。

雫   (笑)。私たちも頑張って、いつも通り演奏させていただきます!

Char   それが一番大切だよね。いつも通りにできないからライヴって大変なんだよ。でも、それが面白さだから。ライヴでは、どれだけ自分たちが楽しむかもすごく重要だから、音楽に集中して演奏を楽しみたいね。

Char x Shizuku
Char x Shizuku
 

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Char x Shizuku

CHAIとポルカドットスティングレイに加え、世界的ギタリストCharも参戦。チケット好評発売中!

PROFILE

Char
本名・竹中尚人(たけなか ひさと)。10代からバックギタリストのキャリアを重ね、76年にシングル「Navy Blue」でデビュー。ソロと平行してJohnny, Louis & Char、Phychedelix、BAHOなどのバンド活動も積極的に行い、2009年にインディペンデントレーベル「ZICCA RECORDS」を設立し、2017年にWebメディアOfficial ”Fun”club「ZICCA ICCA」を開設。ギターマガジン主催の「ニッポンの偉大なギタリスト100」でグランプリに選出されるなど、日本を代表するプレイヤーのひとり。
› Website:https://www.zicca.net


ポルカドットスティングレイ
福岡出身の4人組ギターロックバンド。2015年活動開始。 活動歴が他アーティストと比較しても短い中でそれを感じさせないバンドアンサンブルと教祖的存在感で、 早耳のリスナー、メディアの投稿から引火し現在までバズりあげる。 TOURのチケットは即完売し、活動・結成4年にして初の日本武道館公演は即完。 10月16日に3作目のミニアルバム「ハイパークラクション」をリリース予定。
› Website:https://polkadot-stingray.jp/

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