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SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』at 大阪城ホール

日本を代表する4ピースガールズバンドのSCANDALが、結成15周年を迎えた8月21日(土)に大阪城ホールにてワンマンライヴ〈SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』〉を開催。その模様をレポート。


2021年8月21日、ワンマンライヴ〈SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE 『INVITATION』〉が大阪城ホールにて開催された。大阪城ホールでのライヴは2014年以来7年ぶり。結成当初、大阪城公園周辺(城天ストリート)でストリートライヴを行なっていたこともあり、4人にとっての思い出の地でもある。この日のライヴの模様は、国内および世界52カ国で生配信された。

開演前、楽曲投票サイトで行われた人気楽曲投票のランキング結果が巨大スクリーンに映し出されると、抑えきれない歓声が漏れ聞こえ、早くもオーディエンスの熱が上がる。オープニングSEが流れ、巨大スクリーンに美しい花や蝶が舞い、初の試みとなる“PIXMOB”(LEDリストバンド)を付けた観客1人1人の光が客席を幻想的に照らす中、温かい拍手に包まれながらメンバーが登場した。

この場所で披露することをイメージして作られた「eternal」からライヴはスタート。神秘的で壮大なメロディと、清冽で伸びやかなHARUNA(Vo,Gt)の歌声が観客の心を揺さぶる。15周年に相応しい「記念日」では、MAMI(Gt,Vo)がフェンダーのAmerican Professional Telecaster Deluxe ShawBucker”でポップかつキャッチーなギターリフを弾き、メンバー全員がこの日を迎えたことへの喜びを表現。“大阪城ホールも、配信も、全員で最高の夜にしようね!”とHARUNAが呼びかけ、投票1位に選ばれた「SCANDAL BABY」につなぐ。

パワフルなビートを、時折笑顔を見せながら叩き上げるRINA(Dr,Vo)、タイトなリズムで安定感を感じさせるTOMOMI(Ba,Vo)、ポップで軽快なサウンドをテンポよく奏でるMAMI、心にストレートに響く声で歌い上げるHARUNA。4人の揺るぎないサウンドが、さらに会場のボルテージを上げていく。

“結成15周年ということで、節目の2021年8月21日には絶対に大阪城ホールでやろうと何年も前から決めて準備していました。ここ1年くらい、苦しいことが私たちにもみんなにもたくさんあって、15周年の大阪城ホールだけは絶対にみんなと一緒にライヴしたいと思っていたので、これだけの人が集まってくれた事実だけでも幸せです。過去に2回大阪城ホールでライヴをやっているけれど、不思議とその時よりもみんなとの距離も近く感じるし、1人1人の顔がすごくよく見える。前よりもみんなを感じながら今日を迎えられるのが、とても嬉しい。声は出せないけれど、今日は最高の夜にしましょう! みんなをハッピーにするつもりで来ているので、今日は全部任せて思いきり楽しんでください”(HARUNA)

その言葉通り、疾走感溢れる「瞬間センチメンタル」ではMAMIの骨太なギターリフが会場を貫き、”大阪、もっといけるでしょ!”とHARUNAが観客を煽ったあと、アッパーチューン「最終兵器、君」で畳み掛ける。RINAによる体の芯に響くビートと、TOMOMIのスクワイヤーの SCANDAL TOMOMI JAZZ BASS SKY BLUE “Bluetus”によるうねるようなベースラインが会場に鳴り響く。続いて、HARUNA TELECASTERが生み出す解像度の高いコードストロークから始まる「セラミックブルー」では、突き抜けるようなHARUNAの声と相まって繊細かつしなやかな印象を与える。HARUNAのストレートなヴォーカルとTOMOMIの甘いヴォーカル、力強いサウンドが相まって切なさを感じさせる「Departure」では、観客のLEDライトが桜の花びらが舞う様子を思わせ、会場にさらなる一体感を醸成させる。

ここで、この日に誕生日を迎えるRINAが節目の30歳を迎えたことを報告。”人生の半分をバンドで生きてきました”と感慨深く振り返る。他のメンバーも、15年という月日を“15歳というと思春期”と例えて盛り上がり、“やっと自我が芽生えてきて、やりたいことが見つかっている感じがする。今の自分たちに出会えた喜びを、みんなと共有できていることが嬉しいです。今日から結成16年目に突入。やめ方もわからないし、やめようと思ったこともないし、このまま一生やるんじゃないかな”(HARUNA)と語った。

続けて、コロナ渦の中でRINAが書いた新曲「蒼の鳴る夜の隙間で」を初披露。一音一音に思いを込めるように叩き上げるRINA、鼓動音を思わせるようなアタックの効いたTOMOMIのベースラインとともに、4人のハーモニーが凛と空間に広がる。MAMIがメインヴォーカルを務める「アイボリー」では、柔らかいアコギサウンドとエモーショナルな歌声で会場を温かな空気で包み込み、観客もじっくりと聴き入っていた。さらに、スピード感溢れるロックナンバー「声」、MAMI STRATOCASTERの歯切れの良いカッティングが冴える「Tonight」と続く。

「カゲロウ」でHARUNAは、ホワイトの新しいテレキャスターに持ち替え、“ここからはみんなの腕の見せどころ。上げていきますよ!”とパワフルなアンサンブルで魅せる。アッパーチューンの「A.M.D.K.J」では、TOMOMIの突き上げるようなサウンドと、MAMIがかき鳴らすギターリフが疾走感をさらに際立たせる。ダンサブルな「テイクミーアウト」では、RINAが観客の熱量をさらに上げるような激しいビートを奏で、「会わないつもりの、元気でね」では4人それぞれの鮮やかな個性をサウンドに乗せて紡いでみせる。さらにはパワフルで疾走感溢れる「Image」へと繋げ、畳みかけるようなSCANDALサウンドでオーディエンスを満たし、よもやクライマックスという展開。

本編ラストは、“大阪城ホールで歌うことをとても大切にしている曲”(HARUNA)という「one piece」。無数のしゃぼん玉が美しく漂う中、想いを噛みしめるように楽曲を届けようとする4人の姿に、会場からは温かな拍手が送られた。

アンコールでは、9月29日にリリースされる「one more time」を披露。“こんな世の中だけど、好きな曲を聴いている間は、みんなの心が開放的で楽しい気持ちになってもらえたらいいなと思って作りました”(HARUNA)という新曲では、TOMOMIも新たなフィエスタレッドのジャズベースへと持ち替え、ダンサンブルで横ノリ感満載のポップチューンに色彩を加える。

ラストの「マスターピース」では、HARUNAとMAMIの二人も新たなモデルへと持ち替える。MAMIは初登場となったハムバッカー搭載のホワイトのストラトキャスターで重厚な歪みのギターリフを奏で、HARUNAは笑顔でテレキャスターをかき鳴らし、最後はRINAのもとへ3人が集まり、それぞれのサウンドを会場いっぱいに響かせた。15年間、挑戦をやめず進化し続けてきたSCANDAL。バンドとして新たな可能性を期待させるには充分すぎるライヴだった。


【SET LIST】
1.eternal
2.記念日
3.SCANDAL BABY
4.瞬間センチメンタル
5.最終兵器、君
6.セラミックブルー
7.Departure
8.蒼の鳴る夜の隙間で
9.アイボリー
10.声
11.Tonight
12.カゲロウ
13.A.M.D.K.J
14.テイクミーアウト
15.会わないつもりの、元気でね
16.Image
17.one piece

ENCORE
1.one more time
2.マスターピース


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