SESSIONS in TOKYO | おいしくるメロンパン
FenderNewsの人気企画「SESSIONS in TOKYO」の公開取材イベント「Stratocaster 70th Anniversary Special Event with Oisicle Melonpan」が、3ピースロックバンド“おいしくるメロンパン”を迎えて開催された。70周年記念コレクションのStratocasterを用いた本イベントの模様をお届けする。
Stratocasterはずっと一緒に音楽の道を歩んできた親友みたいな存在
──今日の演奏はいかがでしたか?
ナカシマ いつもと違った環境で少し不安があったんですけど、すごく楽しかったですね。
原駿太郎(以下:原) ライヴハウスと雰囲気が違うので緊張するのかなと思っていたんですけど、始まってしまえば普通のライヴのような感覚でできて、すごく良かったです。
峯岸翔雪(以下:峯岸) ステージが明るいから毛穴が見えるんじゃないかなと思って。アナログ放送からデジタル放送になった時みたいな(笑)。
──Fender Flagship Tokyoに来たことはありますか?
ナカシマ 僕は初めてです。すごく大きくて、たくさんギターがあって、わくわくする場所だなと思いました。また来たいと思います。
原 初めて来ました。ギターの博物館みたいで面白かったです。3階に白い手袋をした人がいて、“高級品なんだろうなあ”って思いました。
峯岸 僕、これ(American Vintage II 1966 Jazz Bass)を最近買ったんです。ここに来たのは試奏をしに来た時が1回目、買いに来た時が2回目、今日が3回目です。
──Stratocasterが70周年ですので、ストラト愛も語っていただきたいと思います。ナカシマさんはずっとStratocasterを使っているんですか?
ナカシマ はい。ギターを始めた一本目からフェンダーのStratocasterを使っています。他にもいろいろ試そうとしたんですけど、結局フェンダーのStratocasterが一番良くてずっと使い続けています。
──ずばり、あなたにとってStratocasterとは何ですか?
ナカシマ ロックの道に僕を連れてきてくれた存在です。ずっと一緒に音楽の道を歩んできた親友みたいな存在ですかね。
──Stratocasterの何が良くてずっと使い続けているんですか?
ナカシマ 単純に音が好きですね。自分のプレイに対して純粋に応えてくれるというか。それが弾いていて心地いいです。おいしくるメロンパンの音楽性にもすごく合っています。
──どんな音がする楽器だと感じていますか?
ナカシマ “サラサラ”ですかね?
峯岸 わかる。
ナカシマ わかる? 美女の髪みたいな感じです。
峯岸 サラサラでもあるし、シャラシャラでもジャラジャラでもあります。美女も時には怒ったり、時にはくよくよしたりもするわけです。そういう機微を感じる美女、それがStratocasterです(笑)。
──Stratocasterはピックアップが3つありますし、いろいろな音の組み合わせができますが、ナカシマさんはどう使うのが好きですか?
ナカシマ 僕はフロントピックアップをずっと使っています。倍音が豊かなんですよね。ギターが一本の3ピースバンドなので、フロントピックアップのレンジの広さが使いやすいです。
──本日は二本のStratocasterを演奏していただきました。水色が普段使っているAmerican Vintage II 1957 Stratocaster。黒のStratocasterが70周年記念コレクションの70th Anniversary Player Stratocaster。二本を演奏してみていかがでしたか?
ナカシマ 全然個性が違って、“同じStratocasterでもこんなに表情が違うんだ”って感じて楽しかったです。普段使っているAmerican Vintage IIは弾き慣れていて、豊かな倍音が響くんです。包み込んでくれるようなサウンドで、安心感があって頼りになります。70周年記念コレクションのStratocasterは初めて弾かせていただきましたが、弾きやすくて、ピッキングの感触や音の立ち上がりがキレイで魅力的だなと思いました。
──普段使っているAmerican Vintage IIはSea Foam Greenという色で、70周年記念コレクションはNebula Noirという色です。黒に見えるんですけど、よく見るとラメが入っているんですね。
ナカシマ かわいいですよね。赤と紫と青のラメが入っていておしゃれです。ギャルの爪みたい(笑)。
峯岸 わかる。
ナカシマ すごくわかってくれるね。
峯岸 何か平成のプリクラを思い出す感じがしますよ(笑)。
──70th Anniversary Player Stratocasterの弾きやすさについても教えてください。
ナカシマ 僕は手があまり大きくないので、ネックが太いと手が届かなかったりするんです。でも、このPlayer Stratocasterは薄めというか手に馴染む感じで、女性にも弾きやすいと思います。軽いし音にクセがなくて、どんな曲にも合いそうな気がします。すごく良いギターだなと思いました。
──今後、どう使っていきたいですか?
ナカシマ 弾き語りの曲に合いそうなので、弾き語りの曲を作ったらこれでレコーディングしてみるのもいいのかなと思いました。
──Stratocasterを弾くと、どういうアイディアが湧きますか?
ナカシマ コードを弾いた時の気持ち良さがStratocasterにはあるんです。変なコードを弾いてもコード感がしっかりしているから、成立して聴こえるんですよね。普通は使わないようなコードでも、曲に取り入れるチャレンジができる気がします。そこが好きですね。
──ギタリストがギターを持ち替えると、バンドメンバーの気持ちも変わったりするのでしょうか?
峯岸 気持ちの変化は特にないですね。サウンドのレンジ感はこの二本のStratocasterで各々違うので、“ここはギターがこういうモードだから俺もこういうモードで行くぞ”ってなります……。ということは気持ちが変わっていますね(笑)。ちょっとした変化ですけど。
──原さんはいかがですか?
原 僕は感覚的にしか音のことはわからないんですけど、“いつもと違うな”と70周年記念コレクションの音を聴いた時に感じました。このギターを弾いたナカシマの第一声が“弾きやす!”だったんです。同じStratocasterでも、そんなに違うんだ?と感じて面白かったです。
フェンダーは正統派なイメージ。ギターの世界があったとしたら貴族
──フェンダーはどういうイメージですか?
原 楽器を始めたての後輩たちに高校の先輩たちが“何買ったの?”と聞いていた時、“向こうにフェンダーのUSAがいるぞ!”ってなったんです。すごく大盛り上がりしていたので、“ランクが高い楽器なんだな”という印象です。
ナカシマ フェンダーは正統派なイメージがあります。ギターの世界があったとしたら貴族。血統がある感じです。もちろん歴史もありますし、重厚感もある正統派のイメージです。
峯岸 貴族というのはわかりますね。僕のイメージでは、ギター界、ベース界の王様。使ってみると“だからみんな使っているんだ”ってわかるんです。そして、おごらない姿勢があると思います。探求を続けて、より良い音を求め続けているのがカッコいい。それがフェンダーです。
──おいしくるメロンパンの今後の活動について教えてください。新しい作品が出ますね。
原 はい。5月1日に8枚目のミニアルバム『eyes』がリリースされます。
ナカシマ おいしくるメロンパンの新しい扉を開きつつ、らしさもある5曲が入っているミニアルバムです。
原 それと6月8日から『eyes』のリリースツアー〈おいしくるメロンパン eyes tour – 春夏秋冬レイトショー -〉が始まります。全国27カ所を廻るツアーですので、行けるタイミング、行ける場所があったら、ぜひ来ていただきたいです。ライヴは、音源とはまた違った魅力があると思います。
ナカシマ カッコいい作品が出来上がったので、最大限にライヴで表現できるように作り込んでいきます。楽しみにしていてください。
峯岸 長いツアーで新しい曲もいっぱい入ってくるので、自分たちのライヴを見つめ直す意味のあるものにもなると思います。目撃しに来てください。よろしくお願いします!
──最後に、これから楽器を始めようと思っている皆さんにアドバイスやメッセージをお願いします。
峯岸 楽器は思ったよりもとっつきにくくないので、難しいことは考えずに手に取ってもらえたらなと。絶対に人生が楽しくなるので、やってください。応援しています!
原 始めてわりとすぐに壁がくると思うんですけど、踏ん張って越えてもらえればいろいろできるようになって楽しいので、ぜひ頑張ってほしいです。
ナカシマ 僕はピアノや管楽器もやったんですけど、ギターが一番手に取りやすいと思うんです。“楽しい”に辿り着くのが早い楽器だし、持ち運びを考えても音楽を始めるのに適した楽器なので、すごくおすすめです。音楽は人生を豊かにすると思うので、ぜひ挑戦してみてください。
おいしくるメロンパン
2015年9月、峯岸翔雪(Ba)が大学の同級生であるナカシマ(Vo,Gt)と、高校の同級生だった原駿太郎(Dr)を誘い、3人で「おいしくるメロンパン」を結成。2023年に7thミニアルバム『answer』を引っ提げての全国ツアー〈answer tour -回る日傘の方程式-〉〈answer tour -結ぶリボンの方程式-〉を開催。〈結ぶリボンの方程式〉のツアーファイナルは、自身初のホールワンマンとなるLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催し、ソールドアウト。〈answer tour〉はツアーの過去最高動員を更新し、大盛況で幕を閉じた。2024年5月1日に8thミニアルバム『eyes』をリリース。本作を引っさげて6月より〈おいしくるメロンパン eyes tour – 春夏秋冬レイトショー -〉を開催。
https://oisiclemelonpan.com