The New Inspiration | tonun
注目のシンガーシングライター、tonunがFender Flagship Tokyoで開催された〈FenderNews Public Recording with tonun at Fender Flagship Tokyo〉に登場。満員のオーディエンスを前に4曲のミニライヴを披露し、tonunのギタープレイ、そして歌に魅了されるオーディエンスの表情は多幸感満載だった。ライヴ後、オーディエンスがいる前での公開インタビューは終始なごやかで、リラックスしたトークが繰り広げられた。そのインタビューの模様の一部をお届けする。
Stratocasterは何か渋いんです（笑）。だから好きです
──まず気になるのがそのアーティスト名。tonunはどこから？
tonun 普通に本名をもじってtonunになりました。後付けで言うと、ローマ字表記だし“どこの人なんだろう？”と興味が湧くかなと思って。
──沸きました！
tonun 意外と覚えてもらいやすいかもしれないですね。
──音楽、楽器を始めたきっかけは？
tonun 小学校の時、友達の家にアコースティックギターがあって何かカッコいいなと思って。その時に初めてギターを見たのかな。ちょっと弾いてもらったらめっちゃカッコいいと思い、そこからギターを触るようになりました。
──子どもの頃、どんな音楽を聴いていたのですか？
tonun 時期によって聴く曲がバラバラだったんですけど、小学校や中学校の時は兄も音楽をやっていて、RADWIMPSや東京事変などのバンドを教えてもらったんです。その時に東京事変の長岡亮介さんをすっごく好きになって、そこからエレキギターにのめり込んだかもしれないですね。
──どんな練習をしていたんですか？
tonun まずは指が動かないと話にならないと思ってクロマチック練習をやったり、あとはカッティング。結局、単音の動きが大きくなったのがカッティングなので、右手の柔軟な動きがめちゃくちゃ大事で。あと、フォームも気にしていたかもしれないです。あまり手をバタバタさせないというか、なるべく指板にくっついた状態でちょっと動かす感じ。そういうのを最初は気にしながらやっていましたね。
──ギター教室に行くとか、誰かに師事するとかではなく独学で？
tonun 高校生の時に、楽器屋さんのギター教室に3年ぐらい通っていたかな。ある程度基礎を習って、あとは独学に近いです（笑）。
──コピーもしたんですか？
tonun そうですね。高校生の時はもうギタリストになりたくて、ずっとギターばかり弾いていたんです。最初は日本のアーティストしか知らなかったけど、そのうち海外のギタリストにたどり着いて。ジョン・メイヤーはすごく衝撃的でした。
──さて、tonunさんにとってフェンダーはどんなイメージでしたか？
tonun エレキギターと言えばフェンダーのイメージがあって。自分も高校生の時に初めて買ったエレキギターがフェンダーでした。その前に初心者用セットを弾いていたんですけど、やっぱりちゃんとしたギターが1本欲しいなって。当時は広島にいたけど東京まで行く機会があって、そこで選びに選んでフェンダーのギターを買いました。今も使っている白のStratocasterです。
──普段からストラトを使っている？
tonun そうですね。ほぼストラトを使っているかな。逆に他のギターをあまり使ったことがないぐらいです。
──エレキを買う時にいろんなギターを試奏されたと思いますが、ファンダーのギターは他社と何が違いましたか？
tonun 単純に音が好みだったのと、バランスがいいなと思ったんです。本当にどんな曲にでも合うんですよね。（今回のライヴで使用したPlayer II Modified Stratocasterを試奏しながら）フロントピックアップもすごく甘い音がするし、センターは絶対にカッティングが合うし、リアもちょっと詰まった音というか特徴がある音。すごく好きなんですよね。Stratocasterは何か渋いんです（笑）。だから好きです。
──さっきのライヴを見てて思ったのですが、けっこう顔で弾きますね！
tonun あははは！ ジョン・メイヤーに憧れているので。ジャンルはいろいろあるけれど、ブルースはやっぱり顔で弾くんですよね。それと、ブルースって少ない音数で無限に弾けるんです。弾く位置とちょっとの音の並びで無限に弾ける、最強のスケール（マイナーペンタトニックスケール）だと思うんですよね。
──さて、今日のライヴで使用したギターについてインプレッションを教えてください。まずは後半の2曲で使用したPlayer II Modified Stratocaster（Harvest Green Metallic）。モダンスペックのギターで、何と言ってもピックアップがノイズレスなのが特徴です。最初に買ったストラトと比べていかがですか？
tonun 俺のよりちょっと音が太い気がしますね。同じメイプル指板なんですけど、音が甘くてとても好きです。最初に買ったストラトはもうちょっとパリッとしてるんです。だからこのPlayer II Modified Stratocasterを弾いて、“うわぁ、もうずっと弾いとけるな”ってそんな感じです。やっぱりフロントの音がめっちゃ好きだな。ダイナミックスもつくし、ニュアンスがすごく出る気がする。フォー！ テンション上がります！
──弾きやすさはどうですか？
tonun めちゃくちゃ弾きやすいですよね。そう、Stratocasterって弾きやすいんです。これからギターを始める方も一番持ちやすいし弾きすい気がします。
──こんな人にオススメとか、こんな曲で使ってみたいとかありますか？
tonun これからギター始める方はもちろん、ジャンルレスに音楽が好きな方にも対応してくれる1本だと思いますね。1本あれば全曲いけるんじゃないかなって。
──ピックアップが3シングルなのですが、トーンノブに備えられたプッシュ／プルスイッチの切り替えでTelecaster的な音も出せます。
tonun すごい！ 全然変わる！ おぉ！ これはTelecasterの芯のある音ですね。すげえ！ この金属音的な感じがやっぱりいいですね。
──1本でいろんな使い回しができると思います。色も含めてルックスはどうですか？
tonun すごくいいなと思います。緑色が好きなんです。でも、この色は初めて見たかもしれない。この配色カッコ良くないですか？ あまり人と被らない気がする。あとはやっぱりストラトの形が好きなんですよね。丸みを帯びている感じとか。
──続いては、ライヴ前半で弾いたPlayer II Modified Stratocaster HSS（Olympic Pearl）。こちらはハムバッカーが搭載されています。
tonun （試奏しながら）俺の中で甘いトーンはさっきのPlayer II Modified Stratocaster、こっちのPlayer II Modified Stratocaster HSSは俺が思っているストラトよりも若干パワーがある気がする。低音も出るし。
──ハムバッカーはいかがですか？
tonun （試奏して）おぉ！ きたー！ より渋い。スモーキーというか。
──どんなシーンで使ってみたいですか？
tonun ドライブ感がある曲に使いたいですね。やっぱり音にパワーあるから、今日のセットリストの中でもドライブ感のある曲で使わせていただきました。うん、躍動感がありますよね。
──どんな人にオススメですか？
tonun ライヴでガッツリ弾きたい人に向いていると思います。あと、歪ませてもけっこう鳴りそうですね。普段、あまり歪ませないのですが（笑）。
──このPlayer II Modified Stratocaster HSSを歪ませて、今までとは違う曲を作ってみるのも。
tonun 確かに（笑）。いい機会になるかもしれない。
──新しい竿を持つと違う音が生まれますから。
tonun 音色によって気分も変わってくるので、それはあるかもしれない。ピックでガッツリ弾きたい。そんな1本です。
──さて、今後のアーティストとしての目標や夢は？
tonun 今は着々と知ってもらうことが目標ですね。こういったライヴもそうだし、音源もそうだし、その結果コミュニティが増えたらいいなって思います。
──これからギターを始める人や、ビギナーにアドバイスやメッセージをお願いします。
tonun ギターってどうしても最初は難しいんですよ。俺も全然ダメで、Dコードですら難しくて。だから弾けなくても、とりあえず触ることが大事なんですよね。テレビを見ながらでもいいし、常にギターを持ってとにかくその体勢に慣れる。それが一番大事かもしれない。あと、いいギターを買ったらモチベーションが上がるので、好きなギターを買うのは大事です。僕と一緒のファンダーのストラトとか。いいギターって一生使えるんですよね。なので、最初からいいのを買ったほうがいいと思います。
──弾きにくいギターを買うと挫折のもとですからね。
tonun そうなんですよ！ 結局、弾きづらくなってダメになっちゃうから。いいギターって本当に弾きやすいので、試奏して自分に合ったものを見つけてほしいですね。
tonun
甘くスモーキーな歌声と、グルーヴィーで心地良いトラックが魅力のシンガーソングライター。
特徴的な甘い声と絶対的なメロディーセンスを武器に、洋楽の影響を色濃く受けたサウンドを掛け合わせることで独自の世界観を作り上げている。全国規模のワンマンツアーや大型フェスに加え2024年には自身初のアコースティックギター1本での弾語りワンマンツアーを行い全公演SOLD OUTさせる。「YouTube Music Sessions」、「Spotify RADAR:Early Noise」などに選出、さらにファーストアルバム「Intro」は CD ショップ大賞 2024 に入賞し話題となった。
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