The Players | 鷲山和希(Suspended 4th)×同道公祐(RED ORCA、PhatSlimNevaeh)
多様なサウンドをもたらす刺激的な楽器を求める、次世代のミュージシャンのためにデザインされた「Acoustasonic®︎ Player Telecaster®︎」。唯一無二の音世界でシーンを切り開くアーティストに、その前衛的なモデルのインプレッションを聞くとともに、ギターとの関係について迫る「The Players」。第6回目は、Suspended 4thの鷲山和希(Gt, Vo)とRED ORCA、PhatSlimNevaehの同道公祐(Gt)による豪華セッションでお届けする。
初めてアンプにつないで音を出した瞬間のドキドキ感を、いつまでも忘れずに
──お二人が音楽に目覚めたきっかけから教えてください。
同道公祐(以下:同道) 母が音大出身でピアノ講師をやっていて、父はジャズトランペッターというのもあって、家にクラシックのCDがたくさんあったんです。両親は音楽の厳しさを知っているので、全然CDを聴かせてくれなかったのですが、こっそりクラシックを聴いたりしていました。だから最初はオーケストラが好きで、ギタリストというよりはヴァイオリニストに憧れがあって。その影響で今もギターでボリューム奏法をやっちゃったりするんです。
音楽は初めから諦めが大きかったのですぐにゲーマーになりまして、中学2年生まで朝から晩までゲームをやっていました。『テイルズ オブ ジ アビス』というゲームが好きで、主題歌がBUMP OF CHICKENさんの「カルマ」だったのですが、それを聴いた瞬間にぶっ飛んじゃって。それまで遠ざけていた音楽熱が、ロックで一気にバコーン!と開花しちゃって。それでエレキギターをやりたいと思って始めたのがきっかけですね。家にあった安いクラシックギターで練習を始めて、アルバイトでお金を貯めてエレキギターを買いました。
あと、公には初めてコピーした曲はBUMP OF CHICKENの「天体観測」と言っていますが、本当はアニメ『けいおん!』の「ふわふわ時間」です(笑)。あとは「Don’t say “lazy”」とか。そのあとにバンプって感じですね。
鷲山和希(以下:鷲山) 流行っていたもんね。
同道 そうそう。わっしーは?
鷲山 津軽三味線がルーツです。母方の実家に三味線があって。三橋美智一さんが俺の師匠で、その人の師匠が三橋美智也さん。つまり、三橋流の一番弟子に教えてもらっていました。だから営業で公民館で演奏させてもらったり、吉田沙保里さんの祝勝会の余興に出たりしていて。
同道 いくつの時?
鷲山 10〜11歳の時。でもその時は野球もやっていて、本当は今頃プロ野球選手だったんですよね。けっこう球も速くて。
同道 ピッチャーだったんだ。
鷲山 野球部のやつらがマキシマム ザ ホルモンを聴いていて、しかも野球部の後輩のお父さんがハードロッカーで、そのお父さんからジャンクギターと“マイフェイバリットソングス”というCDをもらったんです。一曲目に「Smoke on the Water」が収録されていて、“これは三味線みたいに弾けるな”と。で、高校の担任が音楽の先生で学校にアンプとギターを持ってきてて、その先生にヌーノ・ベッテンコートを教えてもらって…という感じで、周りの人のおかげでロックをやれているんだと思いますね。
──さて、改めて素晴らしいセッションでしたが感想を聞かせてください。
同道 緊張感がすごかったです。どちらかがミスしたら終わりだし、大変だなと思いながら、最後はズバーン!とやり切れた感じです(笑)。
鷲山 ここ1〜2週間、今日のセッションのことしか考えていなかったですね。1曲目(動画内1曲目)はこのセッションのために書き下ろした曲で、このAcoustasonic Player Telecasterをゲットして、すぐさま曲を作ろうと思って作った曲です。自分で作っておきながらあまりにも難しくて、無事に弾き終えてホッとしています(笑)。
──相方は同道さん、使うギターもAcoustasonic Player Telecasterと決まっていた上で、意識して取り入れたテーマはありましたか?
鷲山 Acoustasonic Player Telecasterでないと弾けないような曲を作らないといけないなと。このギターって、アーティストが使うには若干ハードルが高い気がするんです。シンプルに使ったことがないし、出会ったことのない楽器なので。アコギとエレキの持ち替えがいらないのが一番の利点だと思うので、エレキっぽいフレーズがありつつ、アコギっぽいバッキングがある楽曲を作れたらと思って臨みました。
──セッションの2曲目(動画内2曲目)は同道さんの曲ですが、同じくテーマなどがあれば教えてください。
同道 この曲は持ち曲として元からあったのですが、Acoustasonic Player Telecasterを手に入れたタイミングで“あ!絶対にマッチするな!”と思っていました。わっしーは普段、Suspended 4thでゴリゴリに弾いているわけですけど、アンビエントな空間の使い方が上手かったり、僕にはないメロディアスなフレーズを作れるので、Acoustasonic Player Telecasterでわっしーにソロを弾いてもらったら面白いなと思ったんです。
──2曲でAcoustasonic Player Telecasterを弾いてもらいましたが、あらためて印象を教えてください。
同道 エレキ的なニュアンスと弾き心地でアコギのトーンが出せて、さらにアンプで鳴らすことが出来る。そして手元でエレキ/アコギの切り替えができるのは魅力的すぎます。あと、指弾きをした時に弦が指に食い込むようなテンション感もすごく好きです。手に入れたのは2ヶ月くらい前ですが、家ではこれしか触らなくなっちゃって(笑)。レッスンやバンドのサポートもやっているけど、レッスンで使うのはこればかりだし、サポートのお仕事でもいろいろな現場に持って行って“いいだろう”ってみんなに自慢しながら弾き倒しています。
──同道さんはRED ORCAとしてツアーや夏フェスにも出演されると思いますが、ライヴでも使えそうですか?
同道 いけそうですね。RED ORCAではスタジオでセッションする時に一度使ってみたのですが、サウンド的にもマッチしました。RED ORCAは激しい曲もあるけれど、シーケンスがアラビアンだったり民族的な要素があるんです。そういう時にアコスタがあればエレキには出せない音が出せるし、アコギに比べてもハウりにくいのでばっちりです。どんどん使ってみたいなと思います。
──鷲山さんはいかがですか?
鷲山 シンプルに“ホビー”としても楽しめるギターだと思うんです。お洒落な部屋に置いてあったら友達と一緒に楽しめるし、カジュアルな入り口であるにも関わらず、アーティストにとってはアコギとエレキを共存させた曲を作らなきゃいけないという、すごく高いハードルを与えてくれる楽器だと思っていて。アーティストの魂というか、“やってやるぞ感を揺さぶられるギター”というのが、手にしてみてのファーストインプレッションですね。 もちろん、ライヴでも使えると思います。僕がAcoustasonic Player Telecasterを選んだのは、操作感が慣れているという理由もあります。そしてエレキ弦を張っているので、違和感なく持ち替えられる。ちょうどこのあとツアーのゲネプロがあるので、試してみようと思っています。
──最後に、これからギターを始めようとしている方やビギナーへメッセージをお願いします。
同道 音楽的な技術やテクニックもすごく大切だと思いますが、何よりも楽しさを忘れてほしくないです。僕の信条は、エレキギターを初めてアンプにつないで音を出した瞬間の訳がわからない爆音、ドキャーン!という衝撃。あのドキドキ感をいつまでも忘れずに楽しく弾いてもらったら、きっと上達するし人の心を打てると思います。僕もまだまだ模索中ですが、そう信じています。
鷲山 まずは友達を作ること。こういう映像を見てギターを始めてくれる人ってたくさんいると思うんですけど、人と音を合わせる緊張感とか楽しさは音楽ならではなんですよ。言葉ではない会話ができるのが音楽の面白いところだと思うので。もちろん、ギターやベースを手に取ってほしいけど、まずは音楽を語り合える友達を作るのが大事かなと思います。
フェンダーの革新的なAcoustasonicプラットフォームは、Acoustasonic Player Telecasterによって進化を続けます。このアコースティック/エレクトリックギターは、6つのユニークなヴォイシングにより、その個性を確固たるものにします。洗練された3ウェイスイッチングが、アコースティックトーンとエレクトリックトーンを隔てなく、自在に行き来することを可能にします。
鷲山和希
2013年、名古屋にて結成されたSuspended 4thのヴォーカル&ギター。
バンドは名古屋の栄で路上ライヴを中心に活動を展開し、その圧倒的なパフォーマンスで注目を浴びる。2019年7月、PIZZA OF DEATHより『GIANTSTAMP』をリリース。2021年、フェンダーが世界の次世代アーティストを対象にしたサポートプログラム“Fender NEXT”の日本代表に選抜。2022年7月20日、1stフルアルバム『Travel The Galaxy』をリリース。9月25日(日)Spotify O-Crestを皮切りに6都市7会場を廻る〈Suspended 4th『Travel The Galaxy』 Tour〉を開催する。
https://suspended-4th.com
同道公祐
RED ORCA、PhatSlimNevaehのギタリスト。
RED ORCA は2019年にソロ活動10周年を迎えた金子ノブアキが活動の集大成としてスタートさせたプロジェクト。メンバーは、金子ノブアキ(Dr)、来門(Vo)、PABLO(Gt)、同道公祐(Gt)、草間敬(Syn,Manipulator)、葛城京太郎(Ba)。同年11月1日に『ORCA FORCE』、8日に映画『MANRIKI』の主題歌として書き下ろした『MANRIKI』を配信リリース。2022年11月、対バン企画第3弾〈RED CONNECTION #3〉を東京と大阪にて開催。
https://www.redorca.tokyo