Ultralist’s Interview II | AssH

2018年からソロアーティストとしてキャリアをスタート。EXILEやYOASOBIを初めとする数々のアーティストのライヴ&レコーディングサポートに加え、自身のYouTubeチャンネルやオンラインサロンも手掛けるAssHが、American Ultra IIシリーズを用いたライヴ&トークイベントを開催。その模様をレポートする。


American Ultra II Stratocasterは一生ものとして使えるギター

──まずはギター、音楽を始めたきっかけから聞かせてください。

AssH うちの家族は音楽をやっている人は実は1人もいなくて。でも幼少期からレッド・ツェッペリンやキッス、プリンスやTOTOといった音楽が当たり前のように流れていて距離感が近かったんです。それから『BECK』というアニメを見て、バンドってカッコいいなって。周りにギターを弾いている友達もいたので、そこに便乗してギターの世界に入ったらどんどんのめり込みました。

──ギターを始めた頃の練習方法を教えてください。

AssH あとから考えると、練習だと思っていなかったのがすごく良かったなと。ギターってプロダクト自体がカッコいいじゃないですか。“俺、家にギターあるんだ”みたいな(笑)。カッコいいな、持ってみよう。鏡を見て、カッコいいな、弾いてみよう。もうずっとこのループ(笑)。だから、自然と触るのが当たり前になっていました。高校に軽音楽部があったので、共通の話ができる仲間もできてさらにずっと弾いていました。自分がやりたいように触って、実験を繰り返して、うまくいかないなぁ、うまくできた。そんな感じでやっていました。


──ビギナーが挫折するのはよくFコードの壁と言われます。AssHさんも経験しました?

AssH はい、僕もFコードで一度、ギターをきちんと辞めたことがあります(笑)。Fコードは“最初のボス”なんて言われることもありますが、あれは日常生活では使わない筋力や指の使い方が関わっているので、そこでつまずくのは自然なことだと思っていて。実際に僕も、約3ヶ月ほどギターを諦めてしまったんです。でも、久しぶりに気が向いてギターを手に取った時、意外と弾けるようになっていた。だから、あまり真面目になりすぎないことが大切だと思います。ギターを始める多くの人は“楽しいな、ギターってカッコいいな”といった初期衝動で始めると思うので、あまりに真剣になりすぎると、せっかく楽しもうと思って始めたのに“自分はできていない”と自分を責めてしまうことになります。それは非常にもったいないことだと思うので、場合によっては少し距離を置くタイミングがあってもいいと思っています。

──現在行っている練習方法、オススメの練習方法があれば教えてください。

AssH そうですね。最初に言った通りやっぱり触ること、自然にギターを触れることが一番だと思います。今はアドリブの練習もYouTubeなどで簡単にできる時代ですし、例えば“Cマイナーブルース バッキングトラック”と調べると、無限に練習することができる。ただ、YouTubeに人の熱量はないんですよね。だからこそ、現場に行くことをオススメしたいと思っていて。現場では間違えると恥ずかしいし、うまくいけば褒めてもらえるというようなハイリスク&ハイリターンな状況があるので、そういった経験がすごく大切だと思うんです。生の人間と一緒にやることで、得られるものも多いと思います。
僕も高校生の頃は、休みになると後輩や先輩を家に呼んで、一緒にギターを弾いていました。朝の9時から夜の10時くらいまで、一日中ギターを弾くんですよね。そういった体当たり的な経験が、今にすごく活きている気がします。結局、現場で人と実際に会って一緒にやることが大事だと思うんです。仕事もそういうところに転がっていることが多いですし、もちろんAI技術を活用するのもいいけど、結局はバランスが大事だと思います。


──初めてフェンダーを手に入れたのはいつですか?

AssH 正確には覚えていないのですが、10年ほど前だったと思います。最初に手に入れたのは日本製のフェンダーで、当時は本当にお金がなくて中古で3〜4万円くらいで購入しました。メイプル指板で、シングルコイルのモデルです。僕はもともと、ハードロックを中心に弾いていたのでハムバッカーのピックアップを使うことが多かったんですよ。だんだんカッティングが入った曲を聴くようになって、シンプルにシングルコイルで弾いたほうが良いのではないかと興味を持ち始めました。そうして買ったのが初めてのフェンダーです。“ギターと言えばフェンダー!”というくらい有名なブランドですし、実際に手に入れた時は本当に感動したのを覚えています。歯切れの良いサウンドや、シングルコイルのフロントポジションの音の太さなど、すごく勉強になりましたね。ギターが変わることで、弾きたいフレーズもこんなに変わるんだなと実感したのは、20歳前後の僕にとってはとても大きな気づきで、それがすごくワクワクしたのを今でも覚えています。

──さて、今回はAmerican Ultra II Stratocasterを弾いていただいた感想をお聞きしたいと思います。まずはルックスについてお聞かせください。

AssH 斬新ですね。こういった色のギターって、あまり見かけません。どちらかと言うと、車の色に近い印象があります。American Ultra II Stratocasterはかなりモダンなモデルだと思うので、ギターの裏側を見ていくとコンター加工があって、ハイポジションでも弾きやすいんです。あと、ネックが少し薄めの作りで、これだから出るフェンダーらしい音のキャラクターもあると思います。さらに嬉しい点として、ロッキングペグが付いていることです。弦交換って初心者の頃はハードルが高い作業ですが、このペグのおかげでその負担がかなり軽減されます。また、アノダイズド処理されたピックガードも特徴的で、これも音に影響を与えていると感じました。

──細かいところまで気づいていただきありがとうございます。

AssH あと、ノイズレスピックアップも特徴的ですね。歪ませてみるとよくわかるのですが、ノイズがしっかりとカットされていて、ゲインを上げていく時に、ザクザクした歪みでもノイズレスで対応できる。それと、ボリュームノブのS-1スイッチを押すことでさまざまな音が作れるので、かなり守備範囲が広い印象を受けました。モダンな見た目や仕様を持ちながらも、フェンダーらしい音、トラディショナルな部分も感じられるので、そこが非常に面白いですね。


──どんな人にオススメですか?

AssH 絞るのはけっこう難しいですね。例えばスタジオワークをしている方など、さまざまなジャンルの音楽に対応しなければならない人にはもちろんオススメです。ただ、最初に感じたのは“弾きやすい”という点。これはすごく大事だと思っていて、さっき言ったFコードの壁などいろいろな壁が来ると思うんですけど、やっぱり弾けると楽しいので長続きするんです。それが、例えば仕事道具として使う場合でも、趣味の延長線で買う場合でも、楽しいから続けられるのは非常に大事なポイントだと思います。
高いギターと安いギターで何が違うかと言うと、やっぱり弾きやすさですね。それに、メンテナンスの回数が少なくて済んだり、結果的に得をする部分が増えるんです。もちろん、American Ultra II Stratocasterに関しては素の音が非常に良いので、知識が増えてアンプやエフェクターボードを追加したとしても、すごく馴染みがいい。そういった意味で一生ものとして使えるギターだと思います。初心者でも上級者でも関係なく楽しく弾けると思いますし、誰が弾いても“いい!”と言うと思うので、ぜひ一度触ってみてほしいですね。

──AssHさんは、昨年ヴォーカリストのニコラス・エドワーズさんとの新ユニット「Kyso」をスタートさせるなど、忙しい中でも新しいチャレンジをされていました。2025年の予定や目標についてお聞かせください。

AssH 昨年は本当に世界中を駆け巡った一年でした。ソロ活動も再開できましたし、フェンダーさんをはじめとする素晴らしいイベントでたくさんの機会をいただき、皆さんと直接お会いできることが増えました。初めてドームでのライヴも経験し、海外ツアーでたくさんの経験を積むことができたので本当に感謝しています。3月にまたソロライヴを開催する予定ですので、ぜひここにいらっしゃる皆さんには、生で見ていただきたいと思っています。できるだけ多くの人と会える機会を増やし、大小問わず、みんなとつながっていけたらなと思っています。

──では、最後の質問です。これからギターを始めようと思っている方にメッセージやアドバイスをお願いします。

AssH 一番大切なのは、シンプルに楽しむことですね。いろいろな人を見ていると、続けていくうちに今の時代、SNSをはじめとする環境で、どうしても他の人と比較してしまうことが多いですよね。例えば10年続けていても、すごく上手な人がたくさんいる中で“自分は全然センスがないんだな”と思ってしまうこともあるかもしれません。そうした比較が無意識に自分を傷つけてしまうこともあります。でも、周りを気にしないことが大事。もし仮にギターを続けていって夢追い人になったとしても、それはとても素敵なことだと思う。やりたいことがあれば、どれだけ大変でも頑張れるし、自分で選んだ道だからこそ、その言葉に責任感も湧いてきます。ギターは体の一部だとか、家族、友達のような存在だとも言われますが、僕自身にとっても本当になくてはならない存在になりました。人生の一つの楽しみ方として、ギターと出会ってもらえたら嬉しいなと思っています。


AssH
17歳の頃よりギターを始め、その後バンド活動においてライブを精力的にこなし、TVCM・様々なアーティストのレコーディングやMV出演など、活動の幅を広げて行く。L.Aに行き現地のライブやセッション、チャーチに参加。2018年ソロアーティストとしてキャリアをスタート、主要都市でのツアーや韓国でライブを敢行。現在もソロ活動を主軸に、AI/EXILE/EXILE THE SECOND/YOASOBI/Cyber Japan Danvers/渡辺美里/HEY!SAY!JUMPを初めとする数々のアーティストのライブ・レコーディングサポートに加え、自身のYouTubeチャンネルやオンラインサロンも手掛ける。2024年からソロ活動と並行して、ニコラス・エドワーズとのユニットの活動をスタート。YouTube関連動画総再生数は6億回を越える。
https://assh-official.bitfan.id/

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