Cover Artist | ASIAN KUNG-FU GENERATION -前編-

“うまくなりたい”より“曲を作りたい”という気持ちのほうが強かった

国内外で活動の幅を広げながら、今もなお現在地を更新し続けるASIAN KUNG-FU GENERATIONが「Cover Artist」に登場。前編では、メンバーそれぞれの原体験、楽器を手にした瞬間の記憶や、独学で積み重ねてきた試行錯誤を振り返るとともに、試奏したAmerican Professional Classicシリーズのインプレッションを語ってもらった。


最初はノエル・ギャラガーのモノマネから入った

──まずは皆さんが楽器を始めたきっかけについて教えてもらえますか?

喜多建介(以下:喜多) 僕は10代の終わり頃ですね。もともと音楽が好きで、ユニコーンやTHE BLUE HEARTSなど、いわゆるバンドものをよく聴いていました。家に大学生の兄が弾いていたガットギターがあって、それをたまに触らせてもらうようになったのがきっかけです。歌本を見ながらコードを覚えていくうちに、だんだん面白くなってきて。エレキも家にあったものを勝手に弾いたのが最初だったと思います。

後藤正文(以下:後藤) 最初に憧れたのはユニコーンの奥田民生さんでした。楽器は親父のギターを弾かせてもらったのがきっかけだったんですけど、指が痛すぎて(笑)。“これ、人間の指でやるものじゃないだろ”と思って一度は諦めました。でも大学に入ってUKロックに触れた時、もう一度やりたいと思うようになったんです。

山田貴洋(以下:山田) 小さい頃からアニメソングや『ザ・ベストテン』で紹介された曲を聴いたり、親のレコードを勝手にプレーヤーに乗せて回したり、カセットを聴いたり、日常の中に常に音楽がある環境でした。原体験で言うと、小学校2〜3年生の頃にテレビで放送されていた『アニメ・ザ・ビートルズ』が大きかったですね。そこで流れるビートルズの楽曲や、4人が演奏するシーンに強く惹かれました。最初に手に取ったのはギターなんですよ。中高生になると、周りにギターを弾ける友達が増えて、ちょっと悔しくなって。家にあったクラシックギターでコードを覚えて、なんとなく弾けるようになっていたんですけど、大学に入る時、“ギターだけだとバンドに入りづらいかも”と思ってベースを始めたんです。3〜4万円くらいの入門用を買って、アコギと両方持って上京しました。“ベースもギターも弾けます”ってアピールしたかったんですよね(笑)。

伊地知潔(以下:伊地知) 僕は中1の時、マーチングバンド部に入ったのがきっかけです。そこから1年半、スパルタでスネアを叩き込まれました。先輩の前では笑っちゃいけないし、しゃべっちゃダメ。毎日ランニングと筋トレから始まり、最初はほとんど楽器にも触らせてもらえない。いざ叩かせてもらったら、今度は手から血が出るまでやる…みたいな世界でした(笑)。でもその経験があったからこそ、半年くらいでロールやダブルストロークが叩けるようになったんですよね。

──それぞれ、どのように上達していったのでしょうか。

喜多 エレキは完全に独学ですね。スコアやタブ譜を見ながらコピーするところから始めました。ただ、大学に入ってすぐにアジカンを組んで、いきなりオリジナル曲をやっていたので、実はコピーとかあまりやってなくて。今になって“基礎をちゃんとやりたいな”と思うこともありますね。

後藤 僕はとにかく毎日ギターを弾いていましたね。最初はノエル・ギャラガーのモノマネから入って、どんなコードを使っているのかを調べながら、曲を作る中で覚えていった感じです。“うまくなりたい”というより、“曲を作りたい”という気持ちのほうが強かった。次に大きかったのがウィーザー。パワーコードやオクターブ奏法を知って、“全部押さえなくていいんだ”と気づいた。パワーコードならアンサンブルも組みやすいし、歌いながら弾くのもラクになる。ずっとバレーコードの3度が邪魔だなと思ってたんですよ。3度を抜くと4度や2度も入れやすくなるし、そこから一気に視界が開けた感じがありましたね。

山田 ゴッチと建ちゃんと同じサークルだったので、サークル内のいろんなメンバーとコピーバンドも組んでいました。レディオヘッドやMr.Children、LINDBERG、サード・アイ・ブラインドなど、本当にジャンルはバラバラ。いろんなパターンを経験する中で、自然と引き出しが増えていったと思います。その蓄積が、後々のアレンジやプレイにつながっているのかも。当時は今のように演奏映像を簡単に見られる時代ではなかったので、いろんなベーシストの音を聴きながら、“どの弾き方が一番フィットするんだろう”と探っていました。今もピックを変えてみたりニュアンスを試したりと、試行錯誤は続いてますね。

伊地知 僕が一番苦労したのは足ですね。部活ではずっとスネアしかやってこなかったので。当時は今みたいにYouTubeで調べられる時代でもなかったし、テレビでも詳しく解説してくれない。大学1年の時に4年生の先輩に教わって、そこでようやく腑に落ちて本格的に練習を始めました。あと、ドラマーは人数が少ないから、とにかく掛け持ちが増えるんですよ。学祭の時は5つ以上やってましたね。それも今思えば練習になったと思います。


American Professional Classicはモダンさとヴィンテージ感のバランスがある

──今回弾いてもらったAmerican Professional Classicについても、少し印象を聞かせてください。

喜多 僕はAmerican Professional Classic Telecasterを選びました。最初にハーフトーンで弾いた時、ものすごくいい感触があって。抜けが良くて、特にハーフトーンとフロントの音色がかなり気に入りました。自分の家にはCustom Shopのジョン・イングリッシュ製があるんですけど、それに比べて今回弾いたものはよりモダンな印象があります。ネックも思っていたより平べったくて弾きやすかったですし、正直かなり欲しくなりましたね。

後藤 僕はAmerican Professional Classic Stratocasterを選びました。やっぱり安心しますね。モダンさとヴィンテージ感のバランスがあって、自分の持っているStratocasterより押し出しが強い印象がある。握り心地や構えた時の感触も自然でストレスがない。初めて弾くギターにはいくらかの違和感がつきものだけど、これはそれがまったくなかった。若い人が最初の1本として選ぶのもいいし、もちろん自分が使っても充分いける。エフェクターボードと組み合わせたら、また違った表情が出そうですね。

山田 やっぱりPrecision Bassを見ると、どうしても弾きたくなりますね。まず思ったのは、意外と軽いな、ということ。でも音はしっかり重心が低くて、押し出し感もある。僕が“いい音だな”と感じるポイントは艶やかさや粘りなんですが、そのあたりもきちんと備わっていると感じました。

伊地知 アジカンは結成当初、ギターが3人いたんですよ。そのうちの1人がJaguarを使っていて、それがめちゃくちゃカッコ良かった。しかも本人もおしゃれだったから、余計に(笑)。見た目のカッコ良さも含めて、やっぱりあの形には惹かれます。

American Professional Classic Telecaster | American Professional Classic Stratocaster | American Professional Classic Jaguar | American Professional Classic Precision Bass

>> 後編に続く(近日公開)

左から、シャツ ¥41,800、スウェット ¥29,700、アウター ¥41,800、ジャージージャケット¥35,200、テーラードジャケット ¥59,400(すべて税込)/F IS FOR FENDER(エフ イズ フォー フェンダー)


ASIAN KUNG-FU GENERATION
後藤正文(Vo,Gt)、喜多建介(Gt,Vo)、山田貴洋(Ba,Vo)、伊地知潔(Dr)からなる4ピースロックバンド。1996年に大学の音楽サークルにて結成。2003年にミニアルバム『崩壊アンプリファー』でメジャーデビューを果たし、翌年の2ndアルバム『ソルファ』でオリコンチャート1位を獲得。エモーショナルなメロディと骨太なギターサウンドで日本のロックシーンを牽引してきた。自主企画フェス〈NANO-MUGEN FES.〉の開催や、数々のアニメタイアップでも広く知られる。2025年5月に両A面シングル「MAKUAKE / Little Lennon」をリリース。2026年3月25日にEP『フジエダ EP』をリリース。結成30周年となる2026年4月4日(土)5日(日)には有明アリーナにて〈30th Anniversary Special Concert “Thirty Revolutions”〉を開催。ジャカルタ、中南米を含むワールドツアーも決定している。
https://www.asiankung-fu.com/

Text_Takanori Kuroda
Photo_Kazumasa Kawasaki

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