Color Your Style | 吉田沙保里
女子レスリング五輪3連覇を成し遂げた“霊長類最強女子”吉田沙保里。SNSにアップしている弾き語り動画がバズったことをきっかけに、“ギター女子“としても話題に上がることが少なくない。“自己流で楽しくやっているだけ”という彼女がフェンダーのアコースティックギター、California Series Redondo Miniを片手に弾き語りの楽しさを語ってくれた。そんな吉田流“弾き語りのススメ”は、これからギターを始めようと考えている人の背中を押してくれるはずだ。
Redondo Miniは弾きやすいしキレイな音も出るし、私のタイプです(笑)
──吉田さんがギターを弾き始めたのは、いつ、どんなきっかけだったのでしょうか?
吉田沙保里(以下:吉田) 新型コロナウイルスの巣ごもりの時です。家から出ることもできないし、やることもないなと思った時、音楽の授業や楽器が好きだったことを思い出したんです。
──もともと音楽が好きでいらしたんですね?
吉田 はい。本当は子どもの頃、ピアノも弾きたかったんです。でも“ピアノが弾けても強くならん”って父親に言われて、習わせてもらえなかったんですよ(笑)。そんなことを思い出しながら、そう言えば、中学校の音楽の授業でギターを弾いた時、すごく楽しかったなと思って。弾けるかどうかわからないけど、一度思ったら私すぐに行動に移す人なのでその場で調べました。ネットを見たら、5万円ぐらいの小さなギターがあったので早速購入して、ギターを弾ける知り合いからコードを教えてもらって、自己流でやっていたら楽しくなっちゃったんです。その中で、阿部真央さんとか、あいみょんさんとか、やっぱり同じ女性としてギターを弾きながら歌っている姿がカッコいいと思ったので、それもあって歌もいけるかなと思ってやってみました。
──そしたら、けっこうできたと。
吉田 ただ、コードが難しすぎるとできないので、初心者モードのコードでごまかしながら(笑)。“弾き方がちょっと違う”っていうコメントも時々もらいますけど。
──あ、弾き語りの動画に対して。
吉田 ええ。でも、自己流で楽しくやっているんだし、誰にも習ってないからいいかみたいな。一応、弾けてるは弾けてるので(笑)。“すごくいいです”とか“歌声も好きです”とか言ってくれる人も多いので、動画もそういうふうに思ってくれる人がいるなら載せようかなっていうだけで、ただ楽しんでいるだけなんです。
──始めてみたら、すっかりはまってしまったんですね。
吉田 はい、楽しいです。ギターもですけど、歌うことも好きなので。カラオケも好きだからよく行くのですが、行けない時は家で弾いて、歌って、発散します(笑)。歌うのもギターを弾きながらだと、より楽しくなるんですよ。そこはギターの魅力ですね。
──練習方法はコードを覚えて、弾き語りしながら?
吉田 そうです。弾き始めたらできるまでやる人なので、もう1回、もう1回って何回も練習しています。難しいコードは、“こっちのコードのままいけるな”ってちょっとごまかしちゃう時もありますけど、歌っていて変じゃないってわかればこの音でもいけるなって。そういうのもやっていくうちに、何となくわかってきました。
──弾き語りする曲は、どんなふうに選んでいるんでしょうか?
吉田 ギターコード譜とかピアノコード譜とかが見放題のアプリがあって、その初心者向け簡単コードを選んでるんですけど、人気ランキングがあるんです。そこで上がってきた中から自分の知っている曲を、季節とかタイミングを考えて選ぶのですが、一番バズった光GENJIの「勇気100%」は昔に『忍たま乱太郎』を見ながら歌っていたなと思って、いい曲だし応援歌になると思って弾き語りをしたらいろいろな人が見てくれたみたいで、そこからフォロワーも増えていったんですよ。
──今日はRedondo Miniを弾いていただきましたが、いくつか候補がある中からこれを選んだのはどんな理由からだったのでしょうか?
吉田 今は小さいアコースティックギターを使ってるんですけど、それがすごく弾きやすかったので小さいのが良かったんです。大きいと、左手が届かなくて大変なんですよ。Redondo Miniも小さくて、色も形もかわいいから選ばせてもらいました。ヘッドもおしゃれですよね。
──弾き心地はいかがでしたか?
吉田 弾きやすいしキレイな音も出るし、私のタイプです(笑)。
──ところで、フェンダーというブランドはご存じでしたか?
吉田 すみません、そういうの全然知らなくて。
──アメリカのカリフォルニアを本拠地としている楽器メーカーで、1949年にソリッドギタータイプの、いわゆるエレキギターを世界で初めて量産したんです。
吉田 そう言えば、エレキギターは中学生の時にお年玉で1〜2万円とか、それくらいのやつを買いました。でも、いい音が全然しなくて。その時は、アンプにつながないといけないってことを知らなかったんですよ(笑)。それきり弾かなくなっちゃいましたけど、あのギター、どこに行っちゃったんだろ。
──動画も話題になっているから、この先、弾き語りしてくださいなんて声がかかるかもしれないですね。
吉田 そうなったら、弾き方もジャンジャン!じゃ恥ずかしいから本当に習ったほうがいいと思います。ただ、後輩たちの壮行会とか追いコンとか、そういうところでなら、私の歌でよければってことぐらいはできるかもしれないです。
──では最後に、これからギターを始めたいと思っている人たちにアドバイスをいただけますか?
吉田 アドバイスをできる立場じゃないですけど、例えばSNSのコメント欄で“私もギターに挑戦したんですけど、挫折してしまいました”とか“指が痛くて続かなかったです”とか“難しいコードを押さえられてすごいですね”とか、そういうコメントをくださるフォロワーの方がけっこういらっしゃるんですよ。でも、それはもう自分で頑張るしかないんですよね。
──吉田さんは指が痛くても挫けなかったわけですね?
吉田 私、指は痛くならなかったんですよ。指の皮が厚いのかな。痕はつきましたよ。何でもそうなんですけど、慣れってありますよね。だから、遊びながらでも毎日ギターに触っていると、段々、指も動かせるようになるので。あとは楽しみながらやることが、やっぱり何でも一番続くのかなと思います。
──弾けるようになると、楽しいからもっとやってみようと思うし。
吉田 次はこの曲に挑戦してみようかなとか。曲はいっぱいあるので、その中で自分の好きな曲を弾きながら歌えたら楽しいし、曲の最初しか弾けなかったのが最後まで弾けるようになったら、成長しているなって感じるし。私も以前はコードを押さえる左手を見ながら弾いていましたけど、最近は左手を見ずにCとかDとかEmとか変えられるようになったんですよ。FとかBmとかはまだ見ちゃうんですけど、それでも成長してると思えるし、その成長が嬉しかったりするので、ぜひぜひ、頑張ってほしいと思います。
California Series Redondo Mini(Sunburst)
吉田沙保里
1982年10月5日、三重県津市出身。女子レスリング世界大会16連覇。個人戦206連勝。2012年には13大会連続世界一を記録し国民栄誉賞を受賞。紫綬褒章受賞(2004年、2008年、2012年)。2019年に現役引退し、現在はTV番組やCMなどを中心に活動中。
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