
Cover Artist | go!go!vanillas -前編-
Aのパワーコードを弾いた時、めっちゃ感動しました
2025年は国内のみならず、国外の活動にも意欲的に取り組み、自身の“サイシンサイコウ”をアップデートし続けているgo!go!vanillasが5年ぶりにCOVER ARTISTに登場。インタビューの前編では、楽器を始めたきっかけや、試奏してもらったAmerican Professional Classicシリーズのインプレッションを語ってもらった。自らのルーツに対するリスペクトや音楽を始めた頃の衝動を忘れずに、最新のサウンドも追求するバニラズと同シリーズの相性は抜群のようだ。
好きとか嫌いとかじゃなくて、ただただ衝撃を受けた
──まずは音楽との出会いを改めて聞かせていただけますか?
牧達弥(以下:牧) プリティと僕は中学校が一緒だったんですけど、同じグループの友達のお兄ちゃんがバンドをやっていたんですよね。その影響でハイスタ(Hi-STANDARD)から聴き始めて、そこからMXPXとか、SUM41とか、バッド・レリジョンとか海外のバンドも聴くようになって、当時はセックス・ピストルズとかランシドとかも並行して聴いてました。そこからギターってカッコいいってなって、友達のバンドのライヴを見に行ったりするようになったんですけど、当時、バンドってそんなに流行っていたわけではないから、そういうところもいいなっていうか。みんなが聴いてるJ-POPとは違うものを、俺たちは聴いてるぜ!みたいなね。そこからどんどんハマって今に至る感じです。
──長谷川さんもきっかっけは牧さんと同じ?
長谷川プリティ敬祐(以下:長谷川) ですね。ギターをやってた幼馴染からピストルズの『勝手にしやがれ』を貸してもらって、正直、最初は良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかじゃなくて、ただただ衝撃を受けたというか。でも、その1回じゃわからないから、何回か聴いていくうちに段々…。思い返すと、当時はむちゃくちゃやってるようにしか聴こえなかったんですけど、その衝動に惹かれたんだと思います。それから、牧からMDを貸してもらって、いろいろなバンドを聴くようになりました。
──柳沢さんは中学校に上がったタイミングでバンドを始めたそうですね。
柳沢進太郎(以下:柳沢) そうです。小学6年の時にドラムをやっていた同級生が中学に上がったら、バンドやろうぜって誘ってくれたんですけど、俺も牧さんたちと一緒で、そのドラムをやってた奴の兄貴がピストルズとかニルヴァーナとかを聴いていて。巷で流れている音楽と全然違うというか、音量も音質も違うところに衝撃を受けて、すぐにギターを買ってそいつとバンドを始めて。初めて弾けるようになったのは、ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」だったんですけど、衝撃という意味ではピストルズのほうがでかかったかな。ちょうどそのタイミングでリバティーンズがデビューして、パンクブームがまた来てるぞって、そこから洋楽にハマっていって、ビートルズとかレッド・ツェッペリンとかに辿り着いて今に至ります。
──セイヤさんは小学生の頃からお父さんとギターウルフのコピーバンドをやっていましたが、ギターを弾き始めたのはいつでしたか?
ジェットセイヤ(以下:セイヤ) 中1でした。親父のギターを借りて、最初にラモーンズの「電撃バップ」を弾いたのかな。最初にAのパワーコードを弾いた時、めっちゃ感動しました。それ以来、自分が曲を作る時は基本、パワーコードで作ってます。
──衝動から楽器を始めたところが面白いと思うのですが、皆さん地道に練習をしたというよりは、曲をコピーしながら楽器の弾き方を覚えていったのですか?
牧 そうですね。コード表なんて使わなかったです。見た瞬間、イヤだっていうか無理だと思いました。たぶん教則本を読んだら早かったと思うんですけど、当時の僕は音が鳴らせればオッケーというか、基本的にバレーコードばかりでやってたんで、最初はコピーするっていっても全然完璧じゃなかった。“それっぽかったらいいか”みたいにやってたよね?
長谷川 うん、なんちゃってコピーだった。
──でも、それが楽しかったわけですよね?
牧 そうそうそう。そのうち、CDとかMDとか流しながらバッキングが弾けるようになったり、ちょっとしたフレーズが弾けるようになったりっていうのを最初は繰り返してましたね。
American Professional Classic Stratocasterは全神経をギターに集中できる時に使いたい
──さて、今日は皆さんにAmerican Professional Classicシリーズを試奏していただきました。牧さんにはAmerican Professional Classic Stratocaster(Faded Firemist Gold)を選んでいただきましたが理由は?
牧 見た目がカッコいいのが大きいですね。僕が今持っているギターってローズウッド指板が多いんですよ。だから、メイプル指板とボディカラーのバランスがすごくいい。ゴージャスな中にセンスが感じられるというか、洒落っ気があるところがすごくいいと思って選びました。
──音はいかがでしたか?
牧 すごくパリッとしていていいですよ。僕は基本、ミッディーなほうが好きなんですけど、ジャンルに関係なく、例えばポップスに使っても重たくなくていいと思うし、普通にアンサンブルの中で使うんだったら、こういうギターが一番いいんだと思います。
──今後、どんなシチュエーションで使えそうですか?
牧 進太郎の曲でストラトでソロを弾くことがあるんですけど、音色を変えられることも含め、手元でいろいろなことができるから、全神経をギターに集中できる時に使いたいです。歌いながらガーッて弾く時はTelecasterのほうが好きですけど、自分のピッキングニュアンスが如実にわかるのは、やっぱりストラトなのかなって弾いていても思いますね。
──柳沢さんはAmerican Professional Classic Jaguar(Faded Sherwood Green Metallic)を選びました。
柳沢 激レアカラーですよね。一応、全モデルを弾かせてもらったんですけど、まず思ったのは、どれもウェイトがめちゃめちゃいい。軽くもなく、重くもなく、もちろん軽いという判断にはなるんですけど、持った時の感じがめちゃくちゃ良かったです。これまでいろいろな年代の、いろいろなモデルを手にしてきた中で最初の1本にぴったりだと思います。バイトを頑張ったら買えると思うんですけど、たぶん、そのまま最後までいけちゃうというか。例えばこのギターでデビューしたとして、20年後も30年後も使っていける作りの良さを感じました。
──どんなシチュエーションで使えそうですか?
柳沢 シューゲイザーっぽいエフェクターを積み重ねて、倍音の海みたいにするのにも向いてるだろうし、センターあるいはフロントでカッティングしてもイケるだろうし、ローをカットできるようなスイッチ(Strangle Circuit)が付いていることによってハーフトーンみたいなこともできるだろうし。ストラトで言うところのセンターにしてローカットを入れたら、フロントの音がカットされてモコッといい感じになって、それでボリュームを上げるといろいろな帳尻が合ったんで、出番が増えるんじゃないかなと思いました。
──長谷川さんが選んだのは意外にもAmerican Professional Classic Mustang Bass(Faded Dakota Red)でした。
長谷川 ネックの弾きやすさはベースも同じで、すごくアクセスが良かったです。行きすぎず、行かなさすぎずっていうか、すごくスムーズなんですよね。僕が今メインで使っている1973年製のプレベは、ちょっと行きすぎちゃう時があって、使い始めたばかりの時はけっこう苦戦したんですよ。そういうのが全然ない。トーンをフルで絞ってもいいっていうか、ヴィンテージだと“ここはすごくいいけど、ここは使わないだろう”ってところがけっこうあるんですよ。ライヴ中にトーンを自分でコントロールして、時々、ちょっとやりすぎたって瞬間もあるんですけど、これならそういうこともなさそう。どこに行ってもすごくいい音で鳴るだろうし、その中でどこを選ぶのかっていうのもすごく楽しいだろうなって思いました。
──ルックスはいかがですか? Mustang Bassってちょっと珍しいと思うんですけど。
長谷川 シンプルにカッコいいと思います。僕、けっこう逆張りマンなので。僕みたいに他の人とはちょっと違うところを選びたい人にはいいんじゃないかって思います。あと、ショートスケールだから弾きやすい。どんなシチュエーションでも使えると思うんですけど、10フレットぐらいのハイポジションで弾いた時にハイミッドがすごく抜けたので、ハイポジションでフレーズを弾くのはすごく良さそうだなって。
──セイヤさんは?
セイヤ めっちゃ悩んでるんですけど、この流れで行くとAmerican Professional Classic Telecasterですね。ウィルコ・ジョンソンがめっちゃ好きだから、これを持ってウィルコになろうって思いました。色はFaded Dakota Redが一番好きです。
──試奏してみていかがでしたか?
セイヤ 音色が軽快。俺は直アンでフルテンってスタイルなんでそこまで詳しくないけど、エフェクターの乗りも良さそうですよね。あと、ボディを持った時にしっくりくるというか、体にピタッとなるから弾きやすいと思いました。

>> 後編に続く(近日公開)
go!go!vanillas
牧達弥(Vo,Gt)、柳沢 進太郎(Gt)、長谷川プリティ敬祐(Ba)、ジェットセイヤ(Dr)からなる4ピースバンド。2013年のデビュー以降、ガレージやファンク、R&Bからカントリーまで、様々なジャンルを貪欲に取り込みながら自らのサウンドをアップデートし続けてきた。音楽ルーツへの深いリスペクトを持ちながらも変化を恐れず、柔軟なクロスオーバーのスピリットで生み出される楽曲の数々は、多くのリスナーを魅了。4人の異なる個性がぶつかり合い、強烈なグルーヴを生み出すライヴも醍醐味。2026年3月から〈SCARY MONSTERS TOUR〉アリーナ編を開催。5月5日には〈READY STEADY go!go! vol.11〉を開催。
https://gogovanillas.com/
Text_Tomoo Yamaguchi
Photo_Nobuko Baba

