Fly with Fender Vol.6 | Shinji(SID)

FLY WITH FENDER

平日16時からInterFM897で放送中の『The Dave Fromm Show』内にて、毎週月曜日にフェンダーとのコラボコーナー『Fly with Fender』がスタート! ロックバンドはどんな瞬間にロックで“Fly”してきたのか、そしてこれからロックファンたちをどう“Fly”させてくれるのか。第6回目のゲストはSIDのShinji(Gt)。Dave Frommとジョー横溝の2人のDJと繰り広げられた、10月14日、10月21日放送分の模様をお届けします。

SIDの幅広い音楽性、どんな楽曲にも対応できる、 その最強がストラト
 

DAVE  今回のゲストはSIDのShinjiさんです。よろしくお願いします!

Shinji  よろしくお願いします!

DAVE  ギターを始めたのはいつなの?

Shinji  中学校2年生の時ですね。

DAVE  女の子にモテたくて(笑)?

Shinji  それが8割くらいですね。

ジョー  やっぱりそうなんだ(笑)。結果モテました?

Shinji  全然モテないです。僕が中2くらいの時期って、ちょうどヒップホップがブームだったんですよ。なので、なかなかギターを弾いてモテるっていう感じではなかったですね。

ジョー  じゃあ何でまたギターを始めてみようと思ったんですか?

Shinji  僕の学校って、給食の時間に有線みたいなものが流れていたんですよ。それでB’zの「ZERO」っていう曲が流れて、それを聴いた瞬間に“バンドやろう”と思って友達を集めて、じゃんけんで担当パートを決めた感じです。

ジョー  で、俺はギターだぞと。

Shinji  それが違うんですよ。

DAVE  じゃんけんに勝ってギターを選んだんじゃなくて? どう決め

たんですか?

 

Shinji  それが、ギターが一番不人気だったんですよ。

ジョー  えー!

Shinji  弦が6本あって難しそうっていう理由で。バンドをやりたい連中を集めたわけじゃないので、“俺は弦が少ないベースがいい”とかそういう奴が多くて。

DAVE  じゃんけんで負けてギターに?

Shinji  はい。最後まで負けてギターになりました(笑)。

ジョー  (笑)。でも“残り物には福がある”じゃないですけど、ギターはバンドの華ですから!

Shinji  そうですね。今思えばじゃんけんに負けて本当に良かったです。

ジョー  どうやって練習をしていったんですか?

Shinji  最初の頃はひたすらコピーばかりでしたね。

ジョー  どのあたりをコピーしていたんですか?

Shinji  けっこうBOØWYが多かったですね。

ジョー  じゃあ憧れのギタリストは布袋さん?

Shinji  はい、布袋さんですね

DAVE  耳コピ? それとも映像とかを見ながら?

Shinji  バンドスコアみたいなものが出てて、完璧にコピーしていました。例えばライブ音源があったら、布袋さんがちょっとミスした瞬間までも完コピしていましたね(笑)。

ジョー  じゃんけんで負けて始まったギタリスト人生ですけども、プロになろうという想いはいつ頃から芽生えたんですか?

Shinji  始めた瞬間からその想いはありましたね。で、ひたすら母に“そんなんでプロになれるわけないでしょ。勉強しなさい!”って怒られていました。ちなみに、最初にギターを弾いた瞬間に母に“下手くそ!”って言われたんですよ。ちょうど夕日が差しているシチュエーションで、“うるせぇ”って激怒して“絶対にプロになる!”って。

ジョー  青春ですねぇ。もしかしたらお母さんは、叱咤激励の意味で言ったのかもしれないですよ?

Shinji  だったんですかねぇ…。

ジョー  違うと思うけど(笑)。

Shinji  たぶん公務員になってほしかったんだと思います。

ジョー  今は喜んでくれているでしょ?

Shinji  すっごく喜んでくれていますね!

ジョー  あの時の“下手くそ!”が嘘のように…。

Shinji  嘘のように。出て行った部屋は僕の顔写真ばかりですもん(笑)。

ジョー  どれだけ親バカなんですか(笑)。

Shinji  実家に帰ったら寝れないですもん。

ジョー  中2から期せずして始まったギター人生ですが、改めてギターの魅力とは?

Shinji  一番は、爆音で弾く気持ち良さですよね。それはどんな楽器にも負けないんじゃないかなと思います。

DAVE  初めて爆音で弾いたのはどこですか?

Shinji  実家ですね。実家で窓を開けて、通行人に対して1人でコンサートをやっていました。

DAVE  アンプを外に向けてってこと?

Shinji  はい。

DAVE  大迷惑ですね(笑)。

Shinji  もちろんポリスの方にも来られて(笑)。これは本当にやってはいけないですね。

DAVE  ちなみに、じゃんけんで勝った方でミュージシャンになった人はいるんですか?

Shinji  いないですね。建築士だったり他の仕事に就いています。ミュージシャンになりたいと言って集まったのではなくて、ただ近くにいた友達を集めただけだったので。

ジョー  でも、ShinjiさんもB’zを聴いてじゃんけんに負けてギターを弾いていなかったら、違う道に進んでいた可能性もあったわけですよね?

Shinji  ありますね。僕はけっこう趣味が多くて、スケボーが流行った時期はめちゃくちゃスケボーにのめり込んだので、たまたま大人になる瞬間にギターと出会えたのは大きいですし運命なのかもしれないですね。

ジョー  確かに。じゃあここで1曲、Shinjiさんの中で“ギターと言えばこの曲”という思い出の曲を選んでもらえますか?

Shinji  InterFMなので洋楽でいきますね。MR. BIGの「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」という曲です。僕はBOØWYとか日本のロックをコピーしていたんですけど、その時に“何でお前MR. BIG弾いてないの?”みたいな感じでめちゃくちゃMR. BIGが流行っていて。特にこの曲が弾けないと、その高校では“ギタリストじゃない”と言われる勢いでした。

ジョー  結果的にはこの曲をギターで弾けるようになったと。

Shinji  いや、弾けないです(笑)。

ジョー  来週はギター弾いていただくコーナーがあるので、よければちょっと弾いてみてください!

Shinji  じゃあ触りだけ(笑)。

ジョー  それでは改めて、曲紹介をお願いします。

Shinji  MR. BIGで「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」!


 
 
 
オールマイティさで言うとやっぱりストラトが群を抜いています
 

ジョー  さっそくですが、フェンダーの新しいギターMADE IN JAPAN MODERNシリーズのMADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER HHがスタジオにありまして、もう手に取ってくれています!

Shinji  はい。めちゃめちゃカッコいいですね。自分はサンバーストのギターを持つことが多いので、そもそもこの黒の光沢感が愛おしいですよ。

ジョー  せっかくなので、どんな音なのか弾いていただいてもよろしいでしょうか?

(ギターを弾くShinji)

Shinji  渋い音がすごくいいですね。そして新鮮です。ハムバッカーはリアで弾くことしかないのですが、この温かい音色はジャズに似合う感じもします。うん、いいですね。ちゃんと音の伸びもあるし!

ジョー  Shinjiさんと言えばかなりのStratocaster好き。“できればストラト1本でいきたいくらい”という名言も残していますよね。今日もMADE IN JAPAN MODERNシリーズのストラトを弾いてくれているのですが、普段使っているストラトとの違いを教えてください。

Shinji  僕が持っているストラトよりもMADE IN JAPAN MODERNシリーズのほうがボディが重いので、ヘヴィなサウンドを出すのにすごくいいギターだと思いますね。で、僕がストラトにこだわる理由は、SIDって音楽の幅が広いんですよ。なので、どんな楽曲にも対応できる、その最強が僕はストラトだと思っていて。ストラトだけしか弾かないわけではないんですけど、オールマイティさで言うとやっぱりストラトが群を抜いています。

ジョー  普段、ギターを選ぶ時のポイントは?

Shinji  僕にとってはネックの握りやすさが一番重要ですね。細ければいいわけでもないし、とは言え太いのは難しい…。握りやすさとか、ハイポジションを弾くときに引っかからないとか、そういう部分はかなりチェックしますね。

ジョー  このMADE IN JAPAN MODERNシリーズはどうですか?

Shinji  すごく握りやすいし、ハイポジションも完璧。うん、スムーズですね。

ジョー  ならば…ですよ? 先週も話題に出たMR. BIGの「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」をちょっと弾いてみてください!

Shinji  えっ!? 弾くんですか?

ジョー  そりゃそうでしょ、この流れは!

Shinji  あの曲、ちゃんと弾けないですよ。

ジョー  やれないことをやるのがロックだ!

DAVE  ポール・ギルバートをちょっと真似しつつ。

Shinji  ではバッキングしか弾けないので、バッキングを!

(「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」を演奏するShinji)

DAVE  おお! ありがとうございます。Shinjiさんにとって上手いギタリストは誰ですか?

Shinji  マイケル・ヘッジスですね。けっこうマニアックなんですけど、そういう方向の音を今は聴いていますね。僕は青春時代、本当に日本のロックしか聴いていなかったんですけど、プロになってからそれじゃいかんなと思って、いろんなジャンルの音楽を聴き始めて。それでマニアックなものも聴いています。

ジョー  そんな中、どういうプレイをするギタリストが好きですか?

Shinji  もちろん、速弾きがめちゃくちゃすごい人もいいんですけど、やっぱり僕にはできないようなスタイルで弾いているギタリストを見るとすごいなと思いますね。

ジョー  でも、Shinjiさんのギタープレイを見て“ギタリストになりたい”という人も当然いると思いますよ。

Shinji  出てくれたら嬉しいですね。

ジョー  ご自身のプレイスタイルを言葉にすると?

Shinji  特に意識してきたわけじゃないんですけど、自分の中ではカッティングが得意だとは思っていて、割と楽曲でも駆使していますね。

ジョー  その得意なカッティングを聴かせてくれてら嬉しいなぁ。

Shinji  じゃあBOØWY「BAD FEELING」を弾きますか!

(「BAD FEELING」を演奏するShinji)

ジョー  いえ〜ぃ! BOØWYですよ。思わず歌い出しそうになってしまいました!

DAVE  歌わなくていい(笑)!

Shinji  でもこの曲、本当に思ったようには弾けないんですよ。布袋さんにしか弾けないというか、僕が弾いてもやっぱり布袋さんのようにはならない。独特のリズム感というか、音楽は真似じゃいけないんだってことに気づきましたね。

ジョー  深いですね。さて、SIDは9月にアルバム「承認欲求」をリリースしまして現在は全国ツアー中! 東京公演は11月5日(火)6日(水)中野サンプラザホール、そして追加公演が11月21日(木)東京国際フォーラム・ホールAにて決まっています! ちなみに、ライブのどんな瞬間に気持ちがFlyしますか?

Shinji  僕、本当にFlyしたことがあるんです。

ジョー  どういうことですか?

Shinji  名古屋の日本ガイシホールのステージから落下したことがあるんですけど、その時は本当に死ぬかと思いました。

DAVE  どのくらい落ちたんですか?

Shinji  2メートル以上ある高さから、後ろから落ちましたね。

DAVE  後ろから!?

Shinji  はい。ちょうど滑稽な曲をやっている最中、ヴォーカルと掛け合いになって、ヴォーカルが寄ってきて僕が後ずさりするようなアクションをしていたんです。そしたら、アニメみたいに気付いたら何もないところにいて…ポンっと落ちた感じです。

ジョー  大丈夫だったんですか?

Shinji  無傷でしたね。しかも途絶えることなく弾き切ったんです。

DAVE  落下しながら弾いていたと?

Shinji  はい。その時に自分はプロなんだなと思いました(笑)。

DAVE  そんなところでプロを感じたんですか(笑)!

Shinji  感じましたねぇ(笑)。

ジョー  すごい(笑)。普通はギターから手を離しますよ。

Shinji  普通は中断ですよね。でも弾き切りました。

ジョー  熱いなぁ。ロックだなぁ。じゃあ最後にInterFMリスナーにもロックなメッセージを!

Shinji  僕もギターを中学、高校の時からやっているんですけども、それでも自分の思い通りにいかないことがたくさんある楽器だし、本当に目標が多い楽器なので、みなさんも飽きずにギターに触ってもらって、ギターを愛してやってください! そして、僕らSIDのライブも観ていただいて、みんなでギターを、ロックを盛り上げていきましょう。よろしくお願いします。では最後にアルバム「承認欲求」から聴いてください。「see through」!

FLY WITH FENDER

MADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER® HH


Modernシリーズは演奏の技術レベルが著しく向上している現代のプレーヤーに最高峰のプレイアビリティとトーンを提供するために開発されたメイドインジャパンの新シリーズです。3-Plyの高品質アルダーボディに流線型のスタイリッシュなデザインを採用。厳選したローズウッド指板のサイドポジションにステージ上の視認性向上のための蓄光パーツを装備しています。さらにネックは演奏性の向上を狙ったコンパウンドラジアスに、ハイフレットでの弾きやすさを考慮したヒールカットを採用しています。またチューニングの安定性を提供するロッキングチューナー、ブリッジにはポップイン式の2点支持トレモロを搭載。ピックアップには、ネック/ブリッジポジション共に出力が高く、まとまりのあるトーンを奏でるオルタナティヴミュージックやラウド系ミュージックに適したModern Modified Humbucking Pickupを初搭載。タッチノイズの軽減など、ステージでの演奏を最大限考慮しています。

 

PROFILE


SID
2003年結成。メンバーはマオ(Vo)、Shinji(Gt)、明希(Ba)、ゆうや(Dr)。2008年、シングル「モノクロのキス」でメジャーデビュー。同年11月、日本武道館にて開催されたメジャーデビュー記念ライブでは1万3000人を集めソールドアウト。2013年1月、ベストアルバム「SID 10th Anniversary BEST」をリリース。2017年、9枚目となるアルバム「NOMAD」をリリース。結成15周年を迎えた2018年、46本にも及ぶライブハウス公演を行い、2019年3月にグランドファイナルとして横浜アリーナ公演を開催。9月4日にニューアルバム「承認欲求」をリリース。そのアルバムを引っさげて全国ホールツアー《SID TOUR 2019 -承認欲求-》を開催中。
> › Website:http://sid-web.info/

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