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Evolving Dreams | ヤジマレイ、レイ キャスナー、荒井藤子(FAITH)

唯一無二さを、アーティストとしても、個人としても確立したい

新たな時代を切り開く若きアーティストたち。進化し続ける彼らは、これまでどのような道を辿り、今どのような夢を抱き、そしてこれから何をクリエイトしていくのか。今後の音楽シーンを彩っていくであろう、等身大の表現者たちからのメッセージを、セッションを交えながらお届けする新コンテンツ“Evolving Dreams”。7回目は、長野県伊那市発の男女4人組バンド“FAITH”が登場。

― コロナ禍での活動はいかがでしたか?

レイ キャスナー(以下:レイ) FAITHとしては他アーティストとのコラボやRemix含め7曲のシングルをリリースしました。ただ、コロナ禍でなかなかみんなで集まることができなかった時期に作ったんで、リモートでアイディアを出し合いながらパソコン上で曲を作っていくという作業を初めてやりました。今まではみんなでスタジオにこもってセッションしながら曲を作っていたので、そういう意味では制作方法が今までとは変わり、新しい体験ができたのは収穫でした。

― FAITHは4月28日にニューアルバム『Sweet Error』がリリースされるので、新しい体験の成果が楽しみです。さて、改めてギター/ベースを始めたきっかけを聞かせてください。

レイ 自分の親が音楽好きだったのと、自分の叔父もアメリカでギタリストをしていたりというのもあって、親が僕に音楽をやらせたかったんです。小さい頃、アンプが付いてる子供用のギターを兄ちゃんが買ってもらって、それを触ったりはしていたんですけど、どうやって弾くかはわからなくて。それから月日が経って、兄ちゃんが中学生ぐらいでちゃんとしたギターを買って、それを見て自分もやりたくなったんです。兄ちゃんが高校に上がったタイミングでお古のギターをもらえたので、パワーコードとかパンクロックから入り始めました。で、ヤジマと出会ってブルースの世界を教えてもらって、新しい扉が開きました。

― レイさんにブルースを教えたのはヤジマさんだったんですね。

ヤジマレイ(以下:ヤジマ) そうなんです。自分も親が音楽好きで、古い曲が家で流れていて。たくさん聴いているうちに、小学校5年生ぐらいでギターを弾きたくなって誕生日プレゼントにアコギを買ってもらって。その時初めてギターを弾いたんです。当時はJ-POPのYUIさんとかゆずさんの曲を弾き語りしていました。中学校に入るタイミングでギター教室に行き始めて、教室の先生からギターがカッコいい曲を教えてもらって、その中にブルースがあったんです。ブルースは“ギターで歌う”感じがして、ギターが主役みたいで超カッコ良くてどんどんハマっていきました。

― 荒井さんは?

荒井藤子(以下:荒井) 兄が弾いていたので、ベースという楽器自体は知ってはいたんですけど、私が始めたきっかけはレイが“ベースやらない?”って声を掛けてくれたからです。それからレイが好きなニュー・ファウンド・グローリーやオール・タイム・ロウを中学生の時に教えてもらって、バンドの曲をちゃんと聴くようになりました。レイが教えてくれる前はヤジマと同じで、J-POPをずっと聴いていたんです。なので、ベースを始めてからバンドに触れたと言っても過言ではないです。

― それぞれフェンダーにはどのような印象を持っていましたか?

レイ 最初はパンクロックが好きだったので、ハムバッカーのギターに惹かれていたんです。ヤジマと出会って、ある日ヤジマがピカピカの新品のStratocasterをスタジオに持ってきて。“何それ!カッケー!”“フェンダー買ったの?”ってメンバー全員がざわついて。それで俺も買うってソッコー決めて、すぐに東京に買いに行ったんです。“このギター何かカッコいい”という憧れと、そう感じさせる威厳みたいなものがある存在でしたね。

― FAITHにフェンダーを持ち込んだヤジマさんは?

ヤジマ ブルースを聴くようになって、ギターの素晴らしさ、生々しさを肌で感じたんです。何でギターってこんなに生々しいんだろう?と思って映像とかを見たら、みんなフェンダーを使っていて、“あ、フェンダーのサウンドが生々しいんだ”という結論に行き着いて。自分の好みはこの音だなって中学生くらいで感じて、それからフェンダー大好きマンになり今に至っています(笑)。

― 荒井さんは?

荒井 フェンダーの印象で、パッと最初に浮かぶのはカラーがかわいいっていうことです。私は洋服とか靴とか美術的でクリエイティヴなものとかがもともと好きで。だから、フェンダーの楽器の色にすごく惹かれたんです。それが私の第一印象ですね。


― さて、今日はフェンダーのニューシリーズ“Made in Japan Hybrid II”をレイさん、荒井さんに弾いていただきましたが、感想を教えてください。

レイ Stratocaster、Telecaster、Jazzmaster、3本とも見た感じは本当にトラディショナルなフェンダーという印象なんですけど、持ってみると弾く前からネックが違うなって。細いというよりも指板が弾きやすくて、ハイポジションのチョーキングもすごく弾きやすかったです。サウンド的にもモダンな音で、3本ともどんなジャンルでもいけちゃうなって弾いてみて思いました。

― 3本弾いた中からジャズマスを選んだポイントは?

レイ ジャズマスは楽器屋さんで何回か試奏したことはあるんですけど、じっくり弾いたことがなかったんです。いつもテレキャスを使っているんですけど、弾いてみた感じ、テレキャスに比べて重心がグッと下がった感じがしたんです。もともとパンクをやっていた身としては、メッチャ良くて、もう一発で気に入っちゃいました。あと、ジャックの部分でシールドケーブルが抜けづらくなっていて、ライヴでも安心して使えるのもいいなぁと。

― 荒井さんはいかがでしたか?

荒井 私、めちゃくちゃ手が小さいんです。プレベとジャズベを弾かせてもらったのですが、プレベはネックが太いイメージがあって、今まで手が小さいというコンプレックスからなかなか手が出せなかったんです。だけど最初に持った時、“あれ?思っていたのと違うな”ってすごく良い意味で思ったんです。手に馴染みが良くて、持った途端、弾きにくそうなイメージが一気になくなりましたね。私と同じように、手が小さくてなかなか手が出せないと思っている人にも絶対に大丈夫だと思いました。弾いてみた感じも、プレベ特有のどっしりとしたミッド感があって欲しい!って。でも、結局はジャズベを選んだんですけど(笑)。プレベもジャズベも、両方ともちょっと弾いただけでFAITHだったらこういうフレーズを弾きたいなとか、こういうフレーズを弾きたいなってアイディアがたくさん湧いてきました。アイディアを引き出してくれる素敵な楽器だなと、2本を弾いてみて思いましたね。

― Made in Japan Hybrid IIシリーズを使った2人のセッションを聴いて、ヤジマさんいかがですか?

ヤジマ めちゃくちゃ羨ましかったですね。今回のシリーズ、まずは見た目がめちゃくちゃカッコ良くて。僕自身、トラディショナルな形が好きなのでたまらないですね。それに加えて、ニューカラーが入っているのにもやられました。それぞれの特色を活かしつつ、いろいろな音作りができるなっていう印象があります。本当にいろいろな曲やジャンルに対応できるギターなんだなと思って、セッションを見ていました。

― 本当はヤジマさんにも弾いていただきたかったのですが、レフティ(左利き用)が間に合わなくて…。

ヤジマ ゲットしたら即弾き倒します!

荒井藤子: Made in Japan Hybrid II Jazz Bass®、レイ キャスナー: Made in Japan Hybrid II Jazzmaster®、ヤジマレイ: Made in Japan Hybrid II Stratocaster®

― さて、本インタビューのコンセプトが“Evolving Dreams”(進化する夢)ということで、それぞれの夢を教えてください。

レイ FAITHは海外進出を夢に活動しているので、世界中の誰が聴いても好きと言ってもらえるような曲作りや音作りをしたい。それがバンドとしての夢です。プレイヤーとしての夢は、テクニックの向上はもちろんなのですが、ただ上手いだけじゃなくて“レイ キャスナー色”があるサウンドを確立したいですね。

ヤジマ バンドとしては、世界に羽ばたいて多くの人に愛されたいし、その中で他とは違う唯一無二さをアーティストとしても個人としても確立したいです。

荒井 2人が言った通り、身近な人から海外の人まで、たくさんの人に届けられるようなカッコいい音楽を作り続けるのがバンドとしての目標です。プレイヤーとしては、今日も手が小さいけどプレベは弾ける!という新しい発見があったのですが、そういう新しい発見をこれからもどんどんしていきたい。それと、自分のスタイルというか“荒井藤子”をもっと好きになりたいなと思っていて。ひとつひとつの音で荒井藤子らしさを今後も探し続けていきたいので、自分のことを大事にしていきたいです。

― 最後に、楽器を始めたばかりのビギナーへメッセージを。

レイ 楽器って始める時が一番テンション上がるし、新しい楽器を買う時が一番伸びしろがある時期だと思うので楽しんでほしいですね。“これはこう弾かないとダメだよ”って言ってくる先輩もいるかもしれないけど、自分がカッコいいと思うものを、自分が楽しめる形で自分のペースで楽しんでいれば絶対に上達するし、何よりもずっと楽器を好きでいられると思うので。自分の心が思うままに楽しんで、楽器を弾いてください。

ヤジマ ビギナーでもどんなに上手い人でも、同じギタリストだしベーシストです。ギターを持って弾いている時点でカッコいいので、本当に好きなようにやってほしいし、そんな自分に酔いしれてほしいなって思います。

荒井 楽器をやっていく上で、上手くいかないなとか、上手く弾けないなと落ち込むことって誰にでもあると思うんですけど、そこで気づくこともたくさんあるんですよね。楽器って楽しいなとか、楽器好きだなっていう気持ちがどんどん増してくと思うから、気負わず自分のペースで弾きたい時に楽器を手にするというか。ほどよい距離感でいいと思います。2人も言っていたけれど、好きな時に自分の好きなように楽器をそばに置いてあげてほしいですね。上手く付き合ってあげてほしいです。私もそうしていきたいと思います。


FAITH

長野県伊那市発の平均年齢21歳の男女4人組バンド。メンバーは、Akari Dritschler[アカリ ドリチュラー](Vo)、ヤジマレイ(Gt,Vo)、レイ キャスナー(Gt,Vo)、荒井藤子(Ba)。2015年、別々の高校に通うメンバーが伊那GRAMHOUSEに集まり結成。90年代洋楽をルーツに感じさせるサウンドに、メインストリームのメロディが融合した、新世代が鳴らすグローバルポップ。ヴォーカルAkariの瑞々しく伸びやかな歌声も魅力。 2017年開催の10代限定夏フェス〈未確認フェスティバル2017〉ファイナリスト。同年11月リリースの1st Mini Album『2×3 BORDER』が、Apple Musicの今最も注目すべき新人アーティスト作品に選出される。 2018年12月、“ロックプリンセス” クリッシー・コスタンザ率いるAgainst The Currentワールドツアー東京公演のオープニングアクトに抜擢。 2019年4月にリリースされた2nd EP『Yellow Road』は、タワーレコードの推薦作品 “タワレコメン”に選出。 2020年1月15日、メジャー1st Album『Capture it』をリリース。全編英詞の新人としては異例となる全国71ものラジオ/TV局・番組でアルバム収録曲がパワープレイに選出され、ラジオオンエアチャート2020年上半期2位を獲得するなど、音楽へのピュアな熱量とボーダーレスな本格サウンドを兼ね備えた新時代のニューカマーとして話題を呼んでいる。2021年4月28日、2nd Album『Sweet Error』をリリース予定。

› Website:https://www.office-augusta.com/faith

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