Music Plus Yourself | 君島大空
ギター自体が友達でもあるような気がします
フェンダーより発表となった新シリーズ「Player Plus」のローンチを記念し、FenderNewsでは現在の日本のミュージック&カルチャーシーンを代表する若き才能にスポットを当てたコンテンツシリーズ「Music Plus Yourself」。今回は、フォーク、ポップス、ロック、エレクトニック…多彩な音楽をまさに空のような自由な発想で描くシンガーソングライター/ギタリストの君島大空が登場。
コミュニケーションを一番早く取れるのがギターなんです
― デビューは2019年ですよね?
君島大空(以下:君島) そうですね。2年前にやっと1st EPを出したって感じです。その前はギタリストとして活動していました。ギターは小さい時からずっと弾いていて、ギタリストになりたかったんです。
― ギターを始めたきっかけは?
君島 家で親父がギターを弾いていて、5歳くらいの時に小さいアコギを買ってもらって。5歳じゃ興味が湧かなくて、レゴブロックのほうが楽しいじゃんって。でもある時、親父に教えてもらったコードが弾けなかったのが悔しくて、ギターと向き合うようになったんです。5〜6歳の時です。
― その歳だとコードも押さえられないですよね?
君島 押さえられないです。人間的にまだ押さえる力がない(笑)。コピーばかりしていましたね。
― どのような曲をコピーしていましたか?
君島 家にあった昭和歌謡の歌本に載っている曲ですね。エレファントカシマシさんの「今宵の月のように」とかも弾いていました。
― では、影響を受けたアーティストやギタリストは?
君島 親父がトム・ウェイツを好きだった影響で、マーク・リボーが一番好きなんです。親が聴いていた音楽は敬遠したのですが、一周して考えたら昔から聴いているし、自分の趣向もジャズだったりフリーな要素の強いものに傾向していったので、リボーのプレイはやっぱりすごく好きだなって。
― 26歳でリボー好きというのは、なかなか周囲からは理解されないですよね。
君島 そうですね。昔から同世代の友達はいなかったですね(笑)。ちなみに、中学生の頃はメタラーだったんですよ。メタルが大好きでどれだけ速く弾けるか。超絶技巧のギタリストが好きな時期があって、それも誰とも会話ができなかったです。プログレッシヴメタルが好きで、ドリーム・シアターとか変拍子ゴリゴリの音楽がすごく好きでした。
― マーク・リボーとドリーム・シアターが好きってすごいですよね。
君島 でも、僕の中では、例えばメタルとアンビエントはすごく近いものを感じる瞬間があるんですよ。音がずっと鳴っている、音の壁があって安心して眠れるというか。自分の中で違う音楽が繋がってゆく感覚が楽しいと思ってそのあたりをずっと調べていたので、当時、周りで何が流行っていたのか全然わからないです(笑)。
― 音楽や楽器と出会って、人生にプラスされたことは何ですか?
君島 僕は小さい頃から今でも、友達と遊んだりすることにあまり積極的ではないです。誰かと会って遊ぶことに対して、想像つかない部分があって。共通の話を探して緊張しているうちに、時間が終わっていたとか楽しめないことが多いです。だけど、楽器をやっていると自然に話が出来る人と出会える機会が増えたんですよね。
高校生の時、隣町の福生市にあるライヴハウスにセッションに通い始めたんです。高校でも軽音楽部に入ってはいたのですが全然面白くなくて。毎週木曜日のフリーセッションに通って、そこで出会った人は未だに一緒に長くやっている人です。King Gnuの新井和輝もそこで会いました。“あ、こうやって人に会えるんだ”って。ここにいるのが自分だと思えたし、楽器と体だけで“これが自分です”って言える。コミュニケーションを一番早く取れるのがギターなんです。ギターがあると思えたおかげで人と話しやすくなりましたね。
― 逆に楽器をやっていなかったらどうなっていたでしょう?
君島 あまり考えたくないです(笑)。ギターがなかったら話せない、コミュニケーションを取れないことが多いですね。前向きな意味で友達がいない人ほど楽器をやったらいいと思う。同時に、ギター自体が友達でもあるような気がします。
― 歌うようになったきっかけは?
君島 周りが歌っていて“いいなぁ”と思って。“俺も歌いたいからサポートを辞めるね”って言いました(笑)。それが19歳くらいの時。自分がやっていることが、自分の音楽じゃないなと思って。“誰かの音楽”で弾いていて、どれだけ頑張っても“自分の音楽です!”って胸を張れないのにジレンマを感じ始めて。自分の音楽を作ろうと思って歌い始めました。
― 歌うようになって何か“プラス”されたことはありますか?
君島 たくさんありますが、楽器との向き合い方が変わりましたね。例えば、ギターが体に近くなってきました。歌いながら弾くと、体に近いことしかできなくなるんです。歌い始めてからギターとの距離が近くなったので、ギターに触るのがなおさら楽しくなりました。
― 音楽活動以外で大事にしていることは?
君島 散歩ですね。歩くのが超好きです。昨日も19キロ歩きました(笑)。
― えっ!? 何のためにですか?
君島 お散歩は、普段は思考のためです。知らない場所を歩くのが大好きで、ツアーで遠征してもずっと歩いていますね。疲れて“ちょっとライヴしたくないな”ってくらい(笑)。
― (笑)。19キロも散歩したらけっこうな時間ですよね?
君島 5時間くらいですね。部屋にいて考えられないことも、歩いていると無意識に出てくるんです。メモを取りながら散歩するのも大好き。歩きながら“曲どうしようかな?”って考えるのが一番有効です。
一人の時間をずっと自分と向き合えるのが楽器の良さ
― ところで、フェンダーとの出会いはいつですか?
君島 フェンダーとの出会いは実は最近なんです。それまではずっと調整されていないギターばかり弾いていたけど、自分のバンドをやる上でちゃんとしたギターを使おうと思ってフェンダーを買いました。それが1年半くらい前で、その時に買ったのが今も使っているStratocasterです。実はTelecasterがすごく好きなので、そのストラトもテレキャスっぽい音が出るセッティングで使っています。すごく好きなギターで、今まで使ってきたギターの中で色々なものが一番自分に合っている気がします。もうこれでいいやって感じです。
― 究極の一本、運命の一本に出会えたと。
君島 そんな感じです。それからギターが欲しくならないですもん(笑)。目移りしなくなりました。
― 今日は新しいテレキャス、Player Plus Telecasterを手にしていただきましたが印象は?
君島 攻めていますよね。そもそも攻めた色ですし。指板材は何ですか?
― パーフェローです。
君島 パーフェローなんですね。あまり馴染みのない手触りで新鮮です。全体の印象としては、とてもオシャレだなと思います。都会的。少しだけ音を出したのですが、すごく使いやすそうです。特に、ノイズレスピックアップってどんな感じなのかな?と前から気になっていましたけど、かなり使いやすそうなので現場でも使ってみたいです。サウンドは、テレキャスって“腰高”な音のイメージがあってそれが良かったりするんです。だけどこのテレキャスは、いい意味で沈む音が出るのがすごく魅力的な気がします。
― 弾きやすさはどうですか?
君島 新製品を弾くことがまったくなくて、すごく久しぶりに新しい楽器を弾いたのですが弾きやすいです。
― コロナ禍でライヴができない状況が続いていましたが、ここ最近の活動は?
君島 最近は一人でのライヴが多いですね。バンドでのライヴは、この間の〈FUJI ROCK FESTIVAL ’21〉くらいですね。
― 次の展開は?
君島 音源を作っています。
― それはバンドでの展開になりますか?
君島 色々です。人が自分の作品に入る(参加する)のが苦手だったのですが、今はみんなで録ったりしていて“バンドって楽しいな”という気持ちになっています(笑)。だけど、やっぱり一人のほうがいいかなと思ったり色々で…ゆっくりと作っています。
― 最後に、ビギナーへのメッセージをお願いします。
君島 一人で向き合う対象としては、ギターはめちゃくちゃいい気がします。
― 能動的でないと何も進まないのが楽器の良いところですよね。
君島 そうですね。一人の時間をずっと自分と向き合えるのが楽器の良さだと思います。映画を見たり、本を読むのとは、また時間の使い方が違うんですよね。特別な時間の使い方だと思う。代えがきかない存在だと思っています。友達のことはいいから、ずっと楽器を弾けばいいと思う。
― 個性的で素敵なメッセージですね。
君島 スマートフォンの電源を切って、ずっと練習するのは最高に楽しいと思いますね。それでいいと思うんです。
PLAYER PLUS シリーズ:フェンダーのアイコニックなモデルの活気に溢れたバージョンであるPlayer Plusは、ギターの未来をあなたの手の中で確かなものにします。
君島大空
95年生まれ。東京都出身のシンガーソングライター/ギタリスト。2014年より活動を開始。同年からSoundCloudに自身で作詞/作曲/編曲/演奏/歌唱をし、多重録音で制作した音源の公開を始める。2019年3月13日、1st EP「午後の反射光」を発表。4月には初の合奏形態でのライヴを敢行。2019年7月5日、1stシングル「散瞳/花曇」を発表。同年7月27日に〈FUJI ROCK FESTIVAL “19 ROOKIE A GO-GO〉に合奏形態で出演。11月には合奏形態で初のツアーを敢行。2020年1月、Eテレ NHKドキュメンタリー『no art, no life』の主題曲に起用。ギタリストとして、高井息吹、坂口喜咲、婦人倶楽部、吉澤嘉代子、adieu(上白石萌歌)などのアーティストのライヴや録音に参加する一方、短編映画『離れても離れてもまだ眠ることを知らない』の劇中音楽や、sora tob sakanaへの楽曲提供などさまざまな分野で活動中。
https://ohzorafeedback.wixsite.com/hainosokomade
フェンダーの公式 Twitter または Instagram をフォローして、アーティストのサイン入り写真を当てよう!!
キャンペーン期間中に、フェンダーのSNSをフォロー & リツイートまたはコメントをしてくれた方の中から抽選でアーティストの直筆サインの入った写真を額縁に入れてプレゼントします!(各1名様)
■ キャンペーン期間:2021年9月17日(金)〜10月31日(月)まで
■ 応募方法:下記のフェンダーの公式SNSアカウントをフォローして、リツイートまたはコメントをしてください。
› Twitterの場合
@fender_official をフォローして、希望するアーティストに関するキャンペーンポストをリツイート!または、#FenderPlayerPlusと希望するアーティスト名のハッシュタグ(例:#CHAI)を入れて投稿!
› Instagramの場合
@fender_jp をフォローして、希望するアーティストに関するキャンペーンポストにコメント
*厳正なる抽選の結果、当選者にはダイレクトメッセージでご連絡いたします。
*アカウントが非公開になっている場合には、確認ができませんので応募は無効とさせていただきます。予めご了承ください。