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Unlimited Expression | INORAN(LUNA SEA)

フェンダーが提案する新機軸のギター「American Acoustasonic」シリーズに秘められた無限の可能性にフォーカスする「UNLIMITED EXPRESSION」。 第7回目は、これまでにJazzmasterのシグネイチャーモデルを3本発表しているLUNA SEAのINORANが登場。Jazzmasterとの出会いからその魅力、そしてさらなる進化を遂げて発売されたAmerican Acoustasonic Jazzmasterについて語ってもらった。


いろいろな出会いや素敵な出来事。そのすべてがJazzmasterと出会った最大のギフト

―  まずは、コロナ禍での音楽活動についてお話を聞かせてください。

INORAN  世界が揺れた2020年、音楽人としての自分なりの答えを探し求めたり、問いかけたりした結果、やっぱり新しい音楽を作ることしかないなということに行き着いて、結果『Libertine Dreams』と『Between The World And Me』の2枚のアルバムを作ることができました。

―  ここ最近のソロアルバムはバンドでのレコーディングでしたが、この2作は自宅スタジオで1人で作ったのですよね?

INORAN  はい、こう考えたんです。本当に先が読めないこともあったけど、開けない夜はないって。ライヴにしても、必ずバンドで音を出せる日が来ると思うんです。それまでは、また違うことを楽しむのも大事なんじゃないかって。雨の日は雨の音を楽しみ、晴れの日は光を楽しむのと一緒です。今回はバンド形式ではない音像を楽しめるいい機会じゃないかなと思って、そういうアプローチをしていきました。

―  ギターもいつも通り弾きましたか?

INORAN  この2作は、コロナ禍での僕の日々の記録なんです。ギターに関して言えば、これらのアルバムでは自宅にある4〜5本のギターしか使っていません。所有しているギターはそれ以上ありますが、ギターが“そこにあった”という運命があって。いつも同じギターが家にあるわけではないので、そこにあった子たちを使うことが俺の中では大事なんです。

―  その中にフェンダーのギターは?

INORAN  エレキギターはすべてフェンダーです。Jazzmasterが2本、Telecasterが1本、ベースもフェンダーです。

―  INORANさんは“Mr.Jazzmaster”というほどJazzmasterとの関係が深いですが、そもそもJazzmasterとの出会いは?

INORAN  ある日、夜中に楽器の専門誌を見ていたら欲しくなって、いても立ってもいられなくなって次の日に買いに行きました。

―  子供みたいですね(笑)。Jazzmasterの魅力とは?

INORAN  Jazzmasterを購入したのがきっかけで、フェンダーのスタッフの方と知り合いになったんです。それからシグネイチャーモデルを作るという話になり、実現しました。いろいろな出会いや素敵な出来事がたくさんあって、そうしたことすべてがJazzmasterと出会った最大のギフトなんです。余計に好きになったし、Jazzmasterというギターがくれた物語が素晴らしすぎて、もうそこから離れられない。今も新しい物語が生まれている。ある夜にふとJazzmasterを好きになったことで生まれたストーリーに、僕は感謝したいですね。


―  素敵なお話です。弾き心地はいかがですか? ボディの大きさが気になるとか。

INORAN  全然気にならないです。ただ、ひとつ言えるのはJazzmasterはマルチではない。Stratocasterは完成されていて、使い方もある程度は出尽くしていますが、Jazzmasterはまだまだ余白がある。それが手に取った理由のひとつです。Jazzmasterだとまだ聴いたことのない音を出せる気がするんです。あとはフォルムもカッコいい。シンメトリーではなく、どこかいびつなのに美しい。異形なのに美しいってまさにロックだし、やっぱりギターはルックスが大事なんですよね。ルックスを愛してあげること、気持ち良く持つことが楽器にはすごく大事なんです。

―  今回はAmerican Acoustasonic Jazzmasterを試奏していただきましたが、アコースティックでの音色はいかがでしたか?

INORAN  鳴りがすごく良かったです。アコースティックギターって、例えばレコーディングだとマイク1本で録ることが多くて、その場合は鳴りもすごく良いんです。でもステージで使う場合、ライヴハウスやアリーナクラスの会場でもそうですが、D.I.(ダイレクトボックス)を通してベースとのかぶりや、ハウリング対策でシミュレーターなどをかまします。僕もそうしているのですが、そういうものが要らないですね。ギター自体でそういう音にカスタマイズできるので、そこはすごく研究されているなと。

―  まさにそれを目指している楽器なんです。ペダルを使わなくても、これ1本で何でもできてしまうという。

INORAN  これ1本でツアーを廻れるし、旅をしながらライヴハウスでも旅先の居酒屋さんでもどこでも弾ける。音だけではなく、行動範囲も自由になれますね。

―  American Acoustasonic Jazzmasterはピックアップをハムバッカーにしたり、構造面でも改良が進んでいます。

INORAN  やっぱりシングルコイルとは違う音ですよね。その違いが一番力を発揮するのがセッションをした時だと思うんです。ハムバッカ―は、他の人とセッションをした時に音が馴染むと思う。だから、調和が加わった感じですね。音楽って単体の音ではなく、音と音が交わっている部分が音楽だったりするんです。会話もそうでしょう? 大切なのは間ですから。言葉ではなく“言葉の間”です。そういうものがハムバッカーはすごく優れているので、American Acoustasonic Jazzmasterで誰かと一緒に音を出すのが楽しみです。

―  最後に、ギター&ベースのビギナーの方にメッセージをお願いします。

INORAN  まずは楽しんでほしいです。それと、楽器を弾くことは自分自身のセラピーになるんです。触れられるものと一緒に声を出すって、素晴らしいことだと思う。楽器は“願い”ですし。ぜひ楽しんでほしいです。


American Acoustasonic™ Jazzmaster® はフェンダーアコースティックギターの進化を加速させ、音楽をさらなる高みへと導きます。フェンダーとフィッシュマン®により共同開発されたアコースティックエンジンは、きっと素晴らしいインスピレーションを与えてくれるはずです。アコースティックのフォーキーなサウンドからエレクトリックギターのリズムトーンまでをこなすこのギターは、無限の可能性を秘め、新しい扉を開く革新的なモデルです。


INORAN
ロックバンドLUNA SEAのギタリストとして92年にメジャーデビュー。97年よりソロ活動をスタートさせ、Muddy Apes、Tourbillonなどでも精力的な活動を展開。2010年にはフェンダーとエンドースメント契約を締結し、翌年に日本人アーティスト初のシグネイチャーモデル、INORAN JAZZMASTER #1 LTDを発売。その後も2013年にINORAN JAZZMASTER® #2LTD, Masterbuilt by Dennis Galuszka、2015年にINORAN ROAD WORN® JAZZMASTER、2017年にはソロ活動20周年を記念したINORAN ROAD WORN® JAZZMASTER® 20th anniv. Editionなど多くのシグネイチャーモデルが発売されている。

› Website:http://inoran.org

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