VIVA LA ROCK 2019 | the telephones & クリープハイプ

2019年5月3日(金・祝)から6日(月・祝)までの4日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された「VIVA LA ROCK 2019」。屋内200LEVEL(2階)では、フェンダーとVIVA LA ROCKのコラボレーション企画のひとつ、フェンダーと所縁の深い出演アーティストたちによる“TALK LIVE”が行われた。the telephonesの石毛輝(Vo,Gt,Syn)と長島涼平(Ba)、クリープハイプの小川幸慈(Gt)が登場した5月5日の模様をレポートする。


the telephones

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フェンダーと「VIVA LA ROCK」のコラボレーション企画「TALK LIVE」。3日目は、まずthe telephonesから石毛輝(Vo,Gt,Syn)と長島涼平(Ba)が登壇した。2人の顔が赤いことに気づいたMCが「だいぶ飲んでるでしょ(笑)?」と突っ込むと、「当たり前じゃないですか! 我々、7時入りですからね(笑)!」と石毛がすかさず返答。そう、この日the telephonesはSTAR STAGEのトップバッターとして、午前10時15分から「朝イチだからって関係ない!」と観客を踊らせる熱演を繰り広げ、アリーナをディスコに変えたのだった。

その興奮なのか、熱演後の祝杯の酔いなのか、大勢のギャラリーが集まった喜びなのか、石毛と長島が最初からゴキゲンな様子を見せる中、トークは“楽器を始めたきっかけは?”という質問からスタート。

「中学生の時、LUNA SEAのJさんに憧れて」と答えた長島は、昨年12月、毎年恒例のJの主催イベント「放火魔大暴年会」にJ本人から直接連絡が来て、誘われたという自慢のエピソードを披露。

一方の石毛は、やはり中学生の頃、ゴリゴリのメタラーだった8歳年上の兄の影響でギターを始めたものの、メタリカの「エンター・サンドマン」のソロで挫折。その後、高校でHi-STANDARDのコピーを始めたという思い出を語ると、ライヴハウスに初出演したとき、「緊張で楽屋のイスから立ち上がれなかった」と、大観衆を盛り上げる現在の石毛の姿からはちょっと想像しづらい姿も告白。

当時、北浦和のライヴハウスで石毛と働きながら、別々のバンドをやっていた長島は、「コピバンの時は、みんな曲を知っているから盛り上がって、めちゃめちゃ人気が出たって勘違いするんだけど、オリジナル曲をやり始めると、誰も観に来なくなる(笑)」というバンドマンあるあるとも言える思い出を語って、ギャラリーを笑わせた。

「昨日は亀田誠治さんが東京事変の曲をぶんぶん鳴らしてました」とMCに促され、ギターとベースを手にした2人は、「(フェンダーは)おしゃれだから避けていた。でも、使ってみたらいいものにはちゃんと理由があることがわかった」(石毛)。「バンドをやったら誰もが1回は通る楽器」(長島)と、それぞれがフェンダーの魅力を語ると、「フェンダーと今、ここにいるみんなに愛とディスコを込めて」(石毛)と「Love&DISCO」を即興で披露。

“カモーン!”という石毛のコールに観客が“Love&DISCO!!!”というコールを返して、フェンダーブースに大きな盛り上がりが生まれると、トークの締めくくりに2人は、これから楽器を始めようと考えている人たちに向け、「楽器を始めるのに年齢は関係ない。フェンダーだったら間違いはない」(石毛)、「楽器つながりで、(僕らみたいに)一生の友だちができるかもしれない」(長島)とメッセージを送った。

そして、間近で見た演奏と、そんなメッセージに刺激されたのか、石毛と長島がステージを降りると、早速、試奏の順番待ちの列ができたのだった。

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› the telephones: http://thetelephones.net/




クリープハイプ

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そして、3日目の「VIVA LA ROCK」も各ステージのヘッドライナーを残すのみとなった頃、この日2組目のゲストとして、STAR STAGEのヘッドライナーを務めるクリープハイプから小川幸慈(Gt)が女性ファンの歓声が飛び交う中、ちょっと照れくさそうに登壇。

トークの冒頭で、「普段、ステージでも(小川さんの前に)マイクないですよね?」「ないです。日本武道館でもマイクがないってスゴいねと周りから言われました(笑)」というMCと小川のやり取りがあったように、普段あまり聞く機会がない小川の肉声とトークを聞けるファンにとっては、とても貴重なものになったのだった。

「あと1時間ちょっとでステージ。こんなタイミングでトークしていていいんですか(笑)?」「よくないですねぇ。でも、これだけの人が来てくれたんだから(笑)」

そんな軽いジョークから早速、質疑応答がスタート。ギターを始めたきっかけについて「高校時代、友人たちと文化祭でバンドをやろうとなって。(他の人と比べると)遅いかもしれないですね。当時はサイドギターで、LUNA SEA、Hi-STANDARD、BRAHMAN、GOING STEADYなどのコピーをやっていました」。そう語った小川のライヴハウスデビューは、ギターを始めた半年後。高校の友だちと組んだバンドだった。

「緊張してコードを覚えてなかったことを覚えています(笑)。でも、お客さんは中学、高校の友だちだから下手でも盛り上がるんです。そこで勘違いが始まった(笑)。その気持ち良さが良かった。みんなが楽しんでいる顔を見られるからやってこられたんです」

高校卒業のタイミングでプロを目指してから、ライヴで見る景色を支えにこれまで続けてきたという。そんな小川にとってギターの魅力は?

「唯一続けてこられたものがギターだった。部屋で1人で弾いても楽しめる。最初に弾いた時、ちゃんとアンプから音が出た。その喜びもあった。もちろん練習が必要なんだけど、弾けないところを補っていこうと思うから続けられる」

そして実演タイムでは、試奏ブースにあったAmerican Performer Jazzmaster®を手にした小川が、ビギナーがクリープハイプをまずコピーするならオススメという「オレンジ」を含め、計4曲のリフをファズを踏まずに披露。いつものライヴとは違うその響きをじっと聴き入っていたギャラリーが突然“キャー!”と歓声を上げ、何かと思ったら、ステージの袖に小川のトークを覗きにきた他のメンバー、尾崎世界観(Vo, Gt)、長谷川カオナシ(Ba)、小泉拓(Dr)の姿が! 

そして、フェンダーの魅力を尋ねられた小川が「粒立ちの良さと、テンションコードがキレイに聴こえるところ」と答えイベントは終了…と思いきや、最前列で見ていた1人の女性ファンが、彼女が感極まって泣きそうになっていることに気づいたMCに促され「好きだよ」と小川に声を掛けると、トークは苦手と言った小川が間髪入れずに「好きだよ」と返したもんだから、最後の最後に大きな歓声が沸いた。

「オレ、こういうキャラじゃない(笑)!」

小川の新たなキャラクターが目覚めるという誰も予想していなかったエンディングもまた、ライヴならでは。演奏でもトークでも、ライヴイベントには足を運ぶ価値があると改めて実感した瞬間だった。

実演に刺激されたのか、そこに手にすることができる楽器があるんだからと、イベント終了後はまた、多くの人たちがステージに上がって、ギターやベースを鳴らしたり、ギターを持ってポーズをキメた姿を写真に収めたり、大好きなアーティストのステージアクションを真似したりと、試奏だけにとどまらず、思い思いに楽器と触れ合うことを楽しんでいた。

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