Special Interview | J(LUNA SEA) -後編-

自分自身がやってきた音楽をあらためて確認するような1年でした

LUNA SEAのベーシスト、Jが愛用するFender Custom Shop™の「J SIGNATURE PRECISION BASS®」BLACK GOLDとCHAMPAGNE GOLDを日本製で再現したシグネイチャーモデル「MADE IN JAPAN J PRECISION BASS」が発売された。インタビュー後編では、ソロデビュー25周年という節目の今年を振り返ってもらった。


──2022年も残りわずかですが、Jさんにとってどんな年でしたか?

J 2022年はソロ活動を始めてちょうど25周年という節目の年でした。まず7月には、25年前のライヴのセットリストを完全再現するというスペシャルライヴ〈PYROMANIA 2022 -pyromania is back-〉を開催するなど、自分自身がやってきた音楽をあらためて確認するような1年でした。それと同時にLUNA SEAとしての活動もあり、まさに濃く熱い1年でしたね。

──8月12日には、東京・Spotify O-EASTにてファンクラブライヴ〈F.C.Pyro. 20th Anniversary SPECIAL 『J BIRTHDAY LIVE -20220812-』〉を開催されました。僕も観に行ったのですが、声を出しての応援は出来ないぶん、ありったけの気持ちを拍手に込めているオーディエンスに胸が熱くなりました。

J 僕も本当に嬉しかったです。コロナ禍は徐々に終息へと向かっていますが、その間さまざまな制約がある中で、それでも“音楽を守ろう”という音楽を愛するみんなの気持ちがあったからこそだと僕は思っています。以前とは全てが変わってしまった状況の中、そんな中でも僕らはみんなで新しいライヴの楽しみ方を見つけてきたわけですし、たとえ今後、元の世界に完全に戻るということがなかったとしても、ここからまた新たなシーンを築いていけたらいいなと。そんな時代がすぐそこまできているんじゃないかなと思っていますね。

──ライブでは、J SIGNATURE PRECISION BASSのBLACK GOLDとCHAMPAGNE GOLDを曲ごとに使い分けていましたよね。それぞれにどんな強みがあると思いますか?

J 2本のスペックは同じなのですが、楽器の持つ個性、個体差みたいなものは確実にあるんですよね。BLACK GOLDはすごくソリッドですし、CHAMPAGNE GOLDはローの成分がふくよかな印象です。なので、演奏する楽曲それぞれのムードやテンポによって、どちらのモデルがより楽曲を引き立てるかを見極めて使用していますね。

──Jさんの細やかな演奏にも感銘を受けました。エッジの効いたギターリフを補強するかのように、ブリッジの近くをピッキングしたかと思えば、歌中ではフロント側をピッキングするなどセクションごとに音色を使い分けながら、ベースで“歌って”いましたよね?

J まさに、そこがPrecision Bassの醍醐味なんですよ。おっしゃるように、弾く時の右手の位置やピッキングの強弱、そういうプレイヤーのニュアンスというか想いみたいなものを、すべて“音”として変換してくれる楽器なんです。ライヴが始まってから終わるまで、会場の熱気や楽曲のムードを感じながら、まるでアンプのツマミをいじっているんじゃないか?と思うくらいベース本体でも表情を作ることができる。弾いていて楽しいに決まっていますよね(笑)。

──きっと今回のMADE IN JAPAN J PRECISION BASSでも、そういった部分が楽しめそうですよね。

J そう思います。


──先ほどお話しいただいた〈PYROMANIA 2022 -pyromania is back-〉の模様を収めたBlu-rayが12月中旬にリリースされます。こちらの見どころもお聞かせください。

J さっきも少し話したように、〈PYROMANIA 2022 -pyromania is back-〉は1stアルバムをリリーした97年に行ったツアーのセットリストを、そのまま再現したスペシャルなライヴでした。とは言え、単に昔を懐かしむノスタルジックな内容にしたかったわけではなくて。自分たち自身の歩んできた道、25年間の中で自分がやり続けてきたこと、そういったものをすべて詰め込むことができたので、当時とはまた違うものになった気がしています。25年という節目にそういうライヴができたことは、自分にとってもすごく意義深いものがありました。変わらない部分と、変わり続けて来た部分が確実にあり、その熱を感じてもらえたら嬉しいです。

──そして12月30日には、渋谷Spotify O-EASTにて〈J LIVE 2022 FINAL -PERFECT LIGHTNING-〉が開催されます。

J 昨年11月にリリースした通算12枚目のアルバム『LIGHTNING』を携え、今年3月からスタートしたツアー〈J LIVE TOUR 2022 -LIGHTNING-〉は、コロナ禍でようやく開催できた有観客の全国ツアーだったんです。感染予防対策により、それぞれの会場でルールも違うし収容人数も違う、そんな中で何とかやり切った達成感もありますし、各会場でとんでもない熱気が渦巻いていたのが印象的でした。ツアーは一旦終了したのですが、“これで終わらせるのはもったいないんじゃない?”という気持ちもあり、年末にもう一度みんなで楽しめるように、ライヴすることにしたんです。

──ツアーの打ち上げといいますか、みんなで忘年会をやるような気分ですか?

J そうですね(笑)。とにかく最高に熱く、大盛り上がりしたいと思っています。

>> 前編はこちら


J
92年、LUNA SEAのベーシストとしてメジャーデビュー。97年、LUNA SEAの一時活動休止を機に、ソロ名義でバンド活動をスタートし、1stアルバム『PYROMANIA』を発表。その後、LUNA SEA 終幕を経て2001年にソロ活動を再開すると、海外から多数のアーティストを招き開催したライヴイベント「FIRE WIRE」、史上初、アリーナをオールスタンディングにして開催した日本武道館公演、数多くのゲストバンドを一同に迎えての5日間連続ライヴ「SHIBUYA-AX 5DAYS」等、独自のスタイルでライヴを展開。2017年にはソロデビュー20周年を迎え、ベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』をリリース。現在は2010年に再始動したLUNA SEAとソロの両輪で活動中。
http://www.j-wumf.com

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