Ultra Test Drive Sessions | 田中義人×エジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)-前編-
言葉はいろいろな誤解を生むことがある。でも音楽は誤解を生むことが少ない
“限界とは超えるもの”をタグラインに冠し、最先端の技術を投入して製作されたAmerican Ultraシリーズを手に、確かなスキルを持つアーティスト2名によるセッションを、動画とインタビューで紡ぐ『Ultra Test Drive Sessions』。第4回目は、ギタリストでありプロデューサーとしてこれまで数々のアーティストを手掛けてきた田中義人と、ポルカドットスティングレイのエジマハルシが登場。前編ではAmerican Ultraシリーズの詳細を明かさないまま、直感の赴くままに偶発的なセッションを展開してもらった。
― お二人は初対面ですよね?
田中義人(以下:田中) えぇ。ただ僕は去年、尚美専門学校でアンサンブルクラスを持って教えていたのですが、生徒たちが選んだ課題曲にポルカドットスティングレイの「DENKOUSEKKA」が入っていて。2カ月くらいずっと「DENKOUSEKKA」を聴いたんです。イントロのギターカッティングがかなり難しい曲なんですよね。ポルカのアンサンブルが良くて、気になってアルバム「新世紀」のトレーラーをチェックしたらすごく良くて、“面白いバンドだな”と思っていました。僕らの世代には出てこなかったバランスがあって、そこでキラッと見えるハルシくんの人間味が出たギターが、大人たちの心をくすぐるんですよね。
― ハルシさんは田中さんのことはご存知でしたか?
エジマハルシ(以下:ハルシ) もちろん、お名前は知っていましたけど、勉強不足で詳しくは知らなくて・・・(笑)今回のセッションのために田中さんの動画を観ていたら、めっちゃ上手くて。僕も音楽専門学校に通っていましたが、フュージョンなど、僕が弾きたいなと思っていたことが自由に弾ける人だったので、羨ましいなと思いながらも、本番大丈夫かな?ってちょっとドキドキしながら今日は来ました(笑)。
― 出会い頭のセッションはどうでしたか?
田中 なんとなくコード進行を思い付いて、割と難しい部類のものではあるかなと思ったのですが、そこはハルシくんのセンスでどうにかしてくれるかなと(笑)。アドリブのソロ合戦というよりも、2人でバッキングしている時のハーモニーが馴染んでくる感じが面白かったですね。
ハルシ 確かにそれが一番気持ち良かったですね。あと、リズムを合わせている時が面白くて。バンドだとドラマーに合わせるけど、ギター2人だとそれぞれが持っているリズムがそのまま出るから、それを擦り合わせていくのが面白かったですね。
田中 確かに。ハルシくんは自分の中にリズムがある人だし、もちろん僕もそういう自負はある。お互いが自分のグルーヴを持っているけど、ちゃんと合わせていけるというか。
― セッションの面白さや醍醐味を言葉にすると?
田中 人とコミュニケーションを取るのは簡単な事ではないし、言葉っていろいろな誤解を生むことがありますよね。でも、音でのコミュニケートは誤解を生むことが少ないと思っていて。言葉にしてみんなで語らうように、音楽で一個のモチーフやハーモニーを共有して“あっ、お前そういう感じなんだ”みたいなことがあるわけです。言葉にしなくていいところが、セッションの面白さだと僕は思います。
― ハルシさんは普段、セッションをすることは多いですか?
ハルシ いえ、全然しなくて。セッションする機会がほしいです。たまに友達と集まってすることもあるのですが、こういう機会はあまりないので本当に楽しくて嬉しいですね。セッションすることが少ないからかもしれないですけど、まずは緊張感があるんですよ。その場でモチーフが生まれて、それにみんなが反応して、ついてくるとかそういうことが生まれた時は会話している感じがして面白いですね。
― 今回のセッションで使用してもらった、フェンダーのAmerican Ultraシリーズはいかがでしたか?
田中 2007年にスガシカオさんのFUNK FIREというバンドを始めた頃、59年製のヴィンテージのJazzmasterをよく使っていたんです。Jazzmasterでファンクを弾くのが周りからは珍しがられて、そのあとはStratocasterも弾くようになりました。最近またJazzmaster欲が出てきているところだったので、これはJazzmasterだなと思って今日はAmerican Ultra Jazzmasterを弾かせてもらいました。で、このAmerican Ultraシリーズ、めちゃくちゃ弾きやすい。コントロールしやすいしコードも押さえやすいし、あとはレスポンスが良かった。そして色もカッコいい。
― ハルシさんのストラト(American Ultra Stratocaster HSS)はどうですか?
ハルシ まずはすごく弾きやすかったですね。初めて弾くギターって弾こうとした感覚と実際に弾いてみた感覚がズレるのですが、そのズレが最初からほとんどなかったんです。なので、すぐに“使える”ギターだなと思いました。あと、今のセッションではリアピックアップは使いませんでしたが、ストラトのリアって音がキンキンして使いにくい時があるんです。でも、American Ultra Stratocaster HSSはそこを補っています。ずっとリアがハムバッカーのストラトを欲しいなと思っていたので。ハムバッカーだからといって、クリーンでも音がゴワゴワせず細すぎないので、すごく使いやすいと思いました。
― お二人が感じた通り、弾きやすいのはネックがモダンDシェイプだからです。つまり、指板がナット側からハイフレット側にいくにつれてどんどん平たくなっていくので、ローポジションでもハイポジションでも同じ感覚で弾けるんです。
二人 (弾きながら)なるほど。
― American Ultra Stratocaster HSSは、ボリュームノブにあるS-1スイッチを押すと、リアピックアップがシングルコイルとして使えるコイルタップ機能つきです。
ハルシ 本当だ!
― あと、American Ultra Jazzmasterはフェイズスイッチを装備しているので、多彩なトーンを生み出すことができます。
田中 すごく面白い音がしますね! これは面白い!!
― 直列(シリーズ)と並列(パラレル)の切り替えもできて、このAmerican Ultraシリーズはノイズレスピックアップを載せているのでノイズが格段に少ないです。
田中 ハムキャンセリングとかノイズキャンセル的なものって、ハイエンドが落ちる傾向があるのですが、このAmerican Ultraシリーズは全然気にならないですね。ビックリです。後半のセッションはその辺も意識してセッションしてみますか?
ハルシ はい!
AMERICAN ULTRA SERIES
フェンダーのUSA製ラインナップの新しいフラッグシップとなるUltraシリーズは、卓越したプレイヤー向けのハイエンドスペックを満載しています。ミディアムジャンボフレットを装備した10〜14インチのコンパウンドラジアス指板をフィーチャーした独自Modern Dシェイプネックは、丁寧なエッジのロールオフ加工が施され、ボディとネックヒール部には新たなコンター加工を採用。まるで体の一部に溶け込むような快適な弾き心地を実現しています。
AMERICAN ULTRA JAZZMASTER®(左)
Jazzmaster®モデルには新開発のUltra Noiseless™ Vintage Jazzmasterピックアップを2基搭載し、高出力でありながら透明感のある、広いダイナミックレンジを確保したサウンドが得られます。S-1スイッチでピックアップをパラレルモードに切り替えも可能。
AMERICAN ULTRA STRATOCASTER® HSS(右)
Stratocaster® HSSモデルには新開発のUltra Noiseless™ Hot Stratシングルコイルピックアップをネックとミドルポジションに、ブリッジにはUltra Double Tap™ ハムバッカーを搭載し、高出力でありながら透明感のある、広いダイナミックレンジを確保したサウンドが得られます。S1スイッチによりDouble Tapハムバッカーをコイルスプリットしシングルコイルとして使用でき、より幅広いサウンドメイキングに対応。
PROFILE
田中義人
Guitarlist, Beatmaker,Soundproducer
1999年Monday Michiruのバンドに参加。2000年Mondo Grossoに参加し傑作アルバム「MG4」に参加、「LIFE feat. bird」「MG4BB feat. TANIA MARIA」「Now You Know Better feat. AMEL LARRIEUX」などを共作。アメリカ、ヨーロッパなど25ヶ国でリリース。 サウンドプロデューサーとしては大黒摩季、bird、佐藤竹善、中島美嘉、森山直太朗、土岐麻子、スガシカオ、MUCC、藤巻亮太、etc… ギタリストとしてのTour参加やレコーディング等はケツメイシ、今井美樹、葉加瀬太郎、 レミオロメン、絢香、秦基博、宇多田ヒカルetc… ケツメイシの[夏の思い出]のギタープレイなどは世代を問わず注目度が高い演奏を数多く残している。 アーティスト活動としては2013.2月に初のリーダーアルバム「THE 12-YEAR EXPERIMENT」、2018.8月4日には4曲入りのEP「Smells Like 44 Spirit」をリリースし、Spotifyバイラルチャートでは1位を獲得。またiTunesのJ-Popチャートで21位と、ミュージシャンのソロ作品としては異例の数字を記録した。
› Website:hwww.yoshitotanaka.com
ポルカドットスティングレイ
福岡出身の4人組ギターロックバンド。2015年活動開始。2017年メジャーデビュー。2019年7月、活動・結成4年にして初の日本武道館公演を開催。2020年1月8日に結成5周年を迎え、“ポルカドットスティングレイ2020新世紀TOUR”開催予定。 3月29日には配信シングル「JET」をリリースし、2021年1月11日(月・祝)、初の国立代々木競技場第一体育館ワンマンライヴも決定。
› Website:polkadot-stingray.jp