ON ‘N’ OFF featuring Ken(L’Arc-en-Ciel)

ライヴのオンの感触でいうと、言葉を脳みそから消したいんですよ

L’Arc-en-Cielのギタリストとして、唯一無二の音を鳴らし続けてきたKen。彼にとって“オン”とは、ステージやレコーディングで余計な言葉が頭から消え、演奏だけに没入できる瞬間のこと。今回は、フェンダー初のアパレルブランド「F IS FOR FENDER」をまとい、スタイリストである高見佳明とともに、その曖昧で奥深い“オン”と“オフ”の境界を紐解いていく。

レザージャケット ¥330,000、パンツ ¥37,400(すべて税込)/F IS FOR FENDER(エフ イズ フォー フェンダー)


オンなのはオンステージとレコーディングで弾く時、作曲する時くらい

──今日はKenさんのオンとオフについて伺いたいのですが、そもそも切れ目があるのかなと思って。

Ken 衣装の話じゃなくていいんだよね? それで言うと、オンなのはオンステージとレコーディングで弾く時、作曲する時くらいかな。

──それ以外はオフスイッチが入っている状態なんですか?

Ken オフっていうかノーマル(笑)。別にゆるいけど、オフにしてやろうなんて思ってないというか。ギター練習する時も集中はしているけど、オンの感触があんまりないんです。撮影も、今回みたいに高見さんに衣装を持ってきてもらうと、外面はオンになる。だから撮影の時はオンっぽく見える。ライヴのオンの感触でいうと、言葉を脳みそから消したいんですよ。“こうやって弾くぞ”とか“こんな音を出したい”っていう日本語がよぎったら、それはオフっぽいのかな。だから、そういう言葉がなくていい場所がオンなイメージです。

──面白いですね。

Ken 普通の生活をしてたらなかなかオンにはなれないし、道を歩いていてオンになったら砂利でこけたりして危ないし(笑)。オンステージの時は手前で弾く準備をいろいろして、ギターも渡してもらえるだけの状態になって。何も言葉が出ないようにする瞬間がオンですね。

高見佳明(以下:高見) 今の話でいうと、内面的なオン/オフがあって、ステージの時はギターを持った瞬間にオンになると。つまり、ファッションはあんまり関係ないってことよね、Kenちゃんの中では。

Ken そうですね。オンステージの時、袖が引っかかったらもうオフになるんですよ。“袖が…”っていう言葉が頭に出てくるから。だから、ステージ用と撮影用の衣装を変えてもらったりしてます。オンステージじゃない時の衣装は、高見さんに“こういう風に着たらいいんじゃないか”っていう服を持ってきてもらってる感じです。

高見 ミュージシャンの中でも、ギタリストって本当にアスリートみたいなもので、カッコ良ければ何でもいいってわけじゃない。そこのレギュレーションが最終的には“ジャージ”に行き着くっていう(笑)。

Ken 服の柄のこともあるけど、プライオリティとしては“すいません、この靴エフェクター踏みにくいんですけど”みたいな会話がオンステージの時は多くなる。レコーディングの時も、アレンジや感情の話は手前で充分染み込ませて、“もうここから弾くだけ!”みたいな感じですよね。

高見 ギタープレイヤーとしては着飾っている状態が逆にオフで、弾きやすい状態がオン。究極のタンクトップ1枚の時がオンになる、みたいな感じ。グランジなんてまさにそれで、ボロボロのシャツを巻いてっていう。プレイする時はそれに近いニュアンスかなと思います。

──Kenさんの脳内では、ライヴやレコーディングの時だけがオンということですね。今日は高見さんにF IS FOR FENDERを使って衣装的なオンとオフを演出していただきましたが、スタイリングのポイントを教えていただけますか?

高見 スタイリングのポイントは、あってないようなものなんですけど。ファッション誌みたいにオンとオフのキャプションが入るとして、Kenちゃんに関しては本当に当てはまらないと思うんですよ。どこどこの何々を着てるとか、そういうことではなくて、アーティストが着ることによって全然違うものになっている。モデルさんが着てファッションを説明するのとは、大きな違いがあります。

──そもそも論ですね。

高見 レザーのジャケットはこう着こなしたらいいよ、という話にはならないというか。Kenちゃんが着ている時点で、それはもう一つのものになっている。そういうニュアンスでやっています。

ジャージ ¥35,200、パーカー ¥29,700、ニット ¥82,500、パンツ ¥33,000、キャップ ¥11,000(すべて税込)/F IS FOR FENDER(エフ イズ フォー フェンダー)


もこもこのパジャマにナイトキャップで寝てます

──Kenさんの中では、今回のF IS FOR FENDERのどちらのスタイリングも頭の中はオフなわけですよね?

Ken うん! だから、両方カッコいいなと思って着てますね。でもオフのスタイルのほうが、脳みそで考えることが減ったかな。キャップを被った写真で、いい歳のおっさんが“ちょっとかわいい”って自分のことを思って(笑)。なにそれって感じだけど(笑)。普段思えない瞬間がオフの時にあった気がします。オンのスタイリングの時は、こんなにカッコいい服を着たらちゃんと撮らなきゃって感じでしたね。

高見 全体的に、その境目がないってことだと思うけど、究極のオフスタイルは寝る時の格好だと思うんだけど、Kenちゃんは寝る時何着てるの?

Ken 今年の冬はちょっと寒くて、ナイトキャップを買ったんですよ。布団に入っても頭のほうが寒くて。しかも色も寒色だったら寒いから、ちゃんと暖色(笑)。

高見 色も関係あるの(笑)?

──何色ですか?

Ken ちょっとベージュでシルクっぽいやつを被って寝るんですよ。めっちゃ熟睡できる。しかも僕、ちょっと癖っ毛なんですけど、まっすぐにもなる。まっすぐにしたいわけじゃないのに(笑)。今年は雪も降ったじゃないですか。ナイトキャップを被ってると全然温かいですよ。

──F IS FOR FENDERで来年、Kenさんプロデュースのナイトキャップを作ってほしいですね(笑)。さて、Kenさんはグッズやアクセサリーもプロデュースされていますよね。

Ken ステージ上で動きにくいからってジャージを作ったり、ちょっとがっぽりしたシャツを作ったりしてます。そういうのを作ると、高見さんがワッペンでカスタマイズして、オンステージで派手に、スペシャルに見えるようにしてくれたりしますね。

高見 尻尾をつけたりね。でもナイトキャップのほうが強烈だよね。ちなみに寝る時、服は何を着てるの?

Ken 冬はもこもこのパジャマ。

──ナイトキャップにもこもこパジャマ…どんなに寒い部屋で寝てるんですか(笑)?

Ken 普通の部屋ですよ(笑)。

──こうなると、夏は何を着てるのか聞きたいですね(笑)。

Ken 夏はですね…サングラスに髭みたいなロゴのTシャツやタンクトップを作るんですよ。外で僕がそれを着て歩くわけにはいかないじゃないですか(笑)。だからそれで寝てます。

高見 そのロゴのタンクトップ、最近のライヴでも見たことあって。真冬のライヴで、hydeさんはもうこんなファーで、後半に衣装チェンジして。ふと振り返ったら、Kenちゃんがタンクトップ姿で(笑)。あの時、hydeさん二度見してたもんね(笑)。

Ken 柄もそうだし、この季節にタンクトップがいるぞって(笑)。

──さすがです! 最後の質問です。フェンダーがアパレルをやることについて、どう思われますか?

Ken 自分はギターを弾いてからF IS FOR FENDERに出会ったけど、エレキギターかっこいいな、ストラトキャスターかっこいいなと思っている時に、フェンダーのTシャツがあったら着てみたいって人が実際に着れちゃいますよね! そういう意味で、こんなのあっていいなって思いますね。

高見 Fのロゴがもう完成されてますよね。

Ken そうなんですよ。Fがメチャクチャかっこいい。

高見 それが入ってるものを着たいなって思いますよね。歴史もあるし、音楽好きなら誰でも目にしたことがあって、もちろん初めて見た人でもカッコいいと思える、そんなロゴが入ってる服があるのが嬉しいですよ。

──楽器をやってない人でも、形から入って着ているうちにギターやベースを弾きたくなる人もいると思いますし。

Ken それもそうだし、弾くまで至らなくても、何かギターかっこいいし、フェンダーって入ってたら気分いいよね、みたいな感じでも着れる。ロゴがかわいいし、すごく気に入ってます。


Ken
L’Arc-en-Cielのギタリストとして1994年にメジャーデビュー。『True』で初のミリオンセラーを達成し、『ark』『ray』の同時リリース、東京ドーム公演、〈WORLD TOUR 2012〉などを経て、日本のロックシーンを代表する存在として国内外で支持を集める。2002年からはSONS OF ALL PUSSYS、ソロ名義でも活動。近年は楽曲プロデュースやグッズ制作など多面的に活動し、2026年にはKenプロデュースによるDEZERTの新曲『音楽』も発表。その表現領域をさらに広げている。
L’Arc~en~Ciel : www.LArc-en-Ciel.com
35th L’Anniversary 特設サイト:https://le-ciel.com/L35

Photo_Hirohisa Nakano
Styling_Yoshiaki Takami
Hair&Make-up_Ryo Matsuda(Y’s C)
Text_Joe Yokomizo

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