
Fender Youth Music Program 2025
フェンダーは、2025年から音楽教育支援プログラム『Fender Youth Music Program』を実施している。本プログラムでは、日本全国の学校を対象に、音楽活動に取り組む軽音楽部へギターやベース、アンプなどの楽器・機材を寄贈するとともに、アーティストによる特別音楽レッスンを無償で提供している。2025年度に実施された第1回『Fender Youth Music Program』では、和歌山県立和歌山高等学校と北海道小樽水産高等学校の2校が支援校として選出され、楽器・機材の贈呈と特別音楽レッスンが行われた。今回は、その模様をお届けする。
音羽-otoha-と過ごした、特別な時間──和歌山県立和歌山高等学校
JR和歌山線という単線の『紀伊和歌山』から徒歩20分ほどのところに和歌山高校はある。駅に降りて、駅員さんに訊けば学校までの道のりもわかると思っていたが、無人駅のため、駅係員に道を聞けない。駅前にお店があるわけでもなく、どうしようかと思っていたが、午後からの授業に出るという本校の学生にたまたま会い、学校まで一緒に行かせてもらうことにした。歩きながらその学生さんと話していたが、今日は全校生徒のテンションが高いはずだという。「だって、音羽-otoha-さんが来るんですよ!」と学生さんもテンションが高い。動画やSNS時代の今、アーティストのトークも演奏も珍しいものではないはずだが、やはりアーティストに直接会い、そして間近で演奏を体験できるのはテクノロジーが進化しても特別なことのようだ。
学校に到着してすぐこの企画に応募してくれた総合音楽部の顧問・高橋先生とお会いしたが、先生もこのプロジェクトに自校が選ばれたことに興奮を隠しきれない様子だった。
イベントは、高橋先生の挨拶でスタート。続いて、フェンダーミュージック株式会社 代表取締役社長 APAC統括のジョルジオ・グエッリーニが登壇し、「音楽には人と人をつなぎ、人生を豊かにする力があります。今日贈る楽器が、皆さんの未来につながることを願っています」と自ら生徒へメッセージを送り、学校へ楽器・機材を贈呈した。


楽器・機材を受け取ったあと、学生を代表して生徒会長が感謝の言葉を述べる。これも学校の正式行事なわけだが、先生も生徒もいい意味でリラックスかつカジュアルな感じだ。これが音楽やロックの力なんだと思う。
一連の行程が終わり、教室の空気が十分に温まったタイミングでいよいよアーティストの登場だ。MCが音羽-otoha-の名前をコールすると、生徒たちから大きな拍手と歓声が自然と上がる。その拍手と歓声の中、教室の後方から生徒たちの間を通り抜ける形で音羽-otoha-が登場した。
特別講義では、ギターを始めたきっかけや楽曲制作、音楽との向き合い方について語りながら、時折ギターを手に実演も交えて学生たちへメッセージを送る。生徒たちは真剣な表情で耳を傾け、一つひとつの言葉を受け止めていた。
「演奏は練習すれば上手くなる。でも、音楽を楽しむ気持ちは何より大切。その気持ちを忘れずに演奏してください」その言葉は、生徒たちの心に深く響いていた。
そして・・・特別講義の締めは音羽-otoha-のスペシャルな演奏。演奏が始まると生徒たちはみんな席を立ち演奏を自由に楽しんでいる。というより教室がライヴハウス状態に。音羽-otoha-も素晴らしい演奏で生徒たちに応えた。


さらに音羽-otoha-から「一緒に演奏しよう」とサプライズの提案が。プロと高校生という垣根を越えたセッションでは、お互いの音を聴き合いながら一つの音楽を作り上げる喜びが教室いっぱいに広がった。
そして最後には、生徒たちから音羽-otoha-へサプライズ。総合音楽部が音羽-otoha-の楽曲を演奏すると、本人も驚きと感動で満面の笑みを浮かべる。出演者と生徒、双方にとって忘れられない一日となった。



ふみのと奏でた「favorite song」──北海道小樽水産高等学校
5月26日には、北海道小樽水産高等学校で今年度2校目となる『Fender Youth Music Program』が開催された。
小樽水産高等学校は、北海道小樽市にある、海とともに歩んできた歴史ある高校だ。今回支援を受けたのは、同校の軽音楽部で音楽活動に取り組む生徒たち。限られた練習環境や楽器・機材の中でも、仲間とともに音楽を楽しみながら、日々演奏に励んでいる。
和歌山高校と同様に、この日も社長のジョルジオ・グエッリーニが学校を訪れ軽音楽部の生徒たちへメッセージを送った後、ギターやベース、アンプなどの楽器・機材を贈呈した。ジョルジオ社長の言葉に真剣な眼差しで耳を傾ける生徒たち。そして、新しい楽器を目の前にした瞬間、その表情は自然と笑顔へと変わっていく。これからこの楽器たちが、この学校でどんな音楽を生み出していくのだろう。そんな期待が会場を包んでいた。


続いて登場したのは、今年1月にメジャーデビューを果たしたシンガーソングライター・ふみの。BMSG×ちゃんみなが手掛けたガールズグループオーディション「No No Girls」で約7,000人の応募者の中からファイナリスト10名に選ばれた彼女は、オーディション以前からSNSで弾き語り動画を投稿し、その飾らない歌声と等身大の表現で多くの支持を集めてきた。
目の前に現れたふみのに、生徒たちは思わず歓声を上げる。これまで画面越しで見ていたアーティストが、自分たちの学校に来ている──その特別な時間に、会場全体が高揚感に包まれた。
トークセッションでは、音楽を始めたきっかけや軽音楽部時代の思い出、愛用するFenderギターの魅力、そして音楽を続けることの大切さなど、自身の経験を交えながら様々なテーマについて語った。等身大の言葉だからこそ、生徒たちは真剣な表情で耳を傾け、一つひとつのメッセージを自分たちのことのように受け止めていた。
トークの後には、ふみのによるデビュー曲「favorite song」をFender Acoustasonic Telecasterによる弾き語りで披露。教室いっぱいに響く歌声に、生徒たちは息をのむように聴き入っていた。

さらに、軽音楽部を代表する3年生の女子生徒がステージへ招かれ、ふみのと「favorite song」を一緒に演奏。憧れのアーティストと肩を並べ、同じ音楽を奏でる時間は、生徒にとって一生忘れることのできない宝物になったはずだ。演奏を終えた二人の笑顔と、それを見守る仲間たちから送られた大きな拍手が、その時間の特別さを物語っていた。

イベントの締めくくりには、軽音楽部を代表する男子4人組バンドが力強いパフォーマンスを披露。この演奏がまたとてつもなくすごい。力強いベースから始まるハードロックの曲が、ふみのの心を射抜き、圧倒された様子だった。寄贈されたフェンダーのギターやベース、アンプから鳴り響くサウンドは堂々としており、日頃積み重ねてきた練習の成果も感じさせた。
演奏後、ふみのは「迫力が本当にすごくてびっくりしました。みんなが真剣に、そして楽しそうに演奏している姿がとても印象的でした。これからも仲間と一緒に音楽を楽しみながら続けてください」と温かなエールを送った。



和歌山と北海道。学校も、生徒たちも、それぞれ違った個性を持っていた。しかし、どちらの会場にも共通していたのは、音楽が人と人をつなぎ、その場にいる全員を笑顔にしていたこと。
新しいフェンダーの楽器を前に目を輝かせる生徒たち。アーティストの言葉に真剣に耳を傾ける姿。そして、一緒に音を奏でることで生まれる喜び。『Fender Youth Music Program』は、単に楽器を寄贈するプロジェクトではない。音楽を通して、新たな挑戦へのきっかけと、自分らしく表現する楽しさを未来へ届けるプロジェクトだ。今回出会った生徒たちの中から、未来のミュージシャンが生まれるかもしれない。あるいは、音楽を職業にしなくても、この日の体験が人生を支えるかけがえのない思い出として残るだろう。
音楽には、人と人をつなぎ、一歩踏み出す勇気を与える力がある。フェンダーはこれからも、次世代のプレイヤーたちが自分らしい音を奏で続けられるよう、その未来を応援していく。
なお、2026年度『Fender Youth Music Program』の募集は、2026年7月9日から9月4日まで受付中。音楽に情熱を注ぐ全国の学校の皆さんに、ぜひこの特別な体験へ応募していただきたい。

