Cover Artist | Saucy Dog -前編-

フェンダーは弾き手に任せる感じ。だから自由に音色を作れる

聴き手の脳裏にさまざまな景色を刻む純朴なメロディ、温かいサウンドと歌声で着実にリスナーを拡大してきた3ピースバンドのSaucy Dog。6月には日本武道館2daysを含むアリーナツアーを控える彼らが、FenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー前編では、楽器を始めたきっかけ、フェンダーに対する印象、そして新シリーズのPlayer Plus Meteora®︎について聞いた。

直感で弾いて、良いと思ったものは絶対に買ったほうがいい

― 楽器を始めたきっかけを教えてください。

せとゆいか(以下:せと) 高校時代の友達が軽音楽部でドラムをやっていたんですけど、教室でペンを持って右手、左手、足と違う動きで練習しているのを見て、パズルみたいで楽しそうだなと思ったんです。部室に遊びに行って叩かせてもらったんですけど、すごく楽しくて。大学で軽音楽部に入ろうと決めて、それからドラムを始めました。

秋澤和貴(以下:秋澤) 両親がもともと音楽が好きで、親父がベースをやっていて、家にギターもベースもあったんです。僕は野球部で、最初は音楽に興味がなかったんですけど、中学校で野球部を引退したあと、時間ができたしベースは弦が少ないからちょっと触ってみようと思ったんです。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『ライヴ・アット・スレイン・キャッスル』のライヴ映像を観て、“ベースってこんなにカッコいいんだ!”と思ってベースに惹かれました。

石原慎也(以下:石原) そもそものきっかけは、中学校の頃に友達がアコギでザ・ビートルズの「ブラックバード」を弾いていて。カッコいいなと思ってアコギを買ったんですけど、何もできずにそのまま押し入れに。高校に入ってから再開した感じですね。

― 当時の練習法は?

石原 吹奏楽部だったので、クリック(メトロノーム)でゆっくりのテンポから、どんどんテンポを速くしながら弾く練習をしていました。

秋澤 好きな曲をひたすらコピーしていたんですけど、僕はクリックは一切使っていなかったです。それが今は仇となって、ちょっと良くない影響を与えていますね(笑)。最初の頃はレッチリとレイジ(・アゲインスト・ザ・マシーン)を弾いて、それからボブ・ディランなどいろいろなジャンルを弾いていました。

石原 俺とゆいかは、わりと理論的に解明したいタイプなんです。“これはどうやったら弾けるか?”と考えながら弾くタイプなんですけど、和貴は音楽を聴いて感覚で弾くタイプなんですよ。

秋澤 でも最近は、運指も“こっちのほうがラクやな”って考えながら弾いています。

石原 この前も、“全部人差指で弾いたほうがいいじゃん”って言ってたよね(笑)。

― 最初に買ったフェンダーは?

石原 Fender Custom Shop™の白いTelecaster®︎ですね。東京の楽器店で一回試奏して、めちゃめちゃいいなと思って買いました。正直、当時は高けぇなって(笑)。それでも、事務所からお金を借りて買ったんです。月に1〜2万円くらい給料から天引きされる暮らしをしていました。

― 今となってはいい話ですね。

秋澤 直感で弾いて、いいと思ったものは絶対に買ったほうがいいと思う。買わなくて後悔したことが何度もあるので。良いと思ったものは、多少高くても無理して手に入れたほうが、モチベーションにもつながるし楽器への愛着も湧くので。

― お二人とも普段からフェンダーを使用していますが、フェンダーギター/ベースの魅力を語るとすると?

石原 フェンダーのギターって“外さない”ですよね。フェンダーのモデルは、高価になるにつれてもちろん音は良くなっていくけど、お手頃なモデルでも良い音がする。あとは見た目もカッコいいです。しかも、いろいろなことに挑戦している姿勢がありますよね。

秋澤 クオリティはもちろん素晴らしいのですが、手に取りやすいんです。ある意味、クセがないというか。弾き手に任せる感じがすごく良くて、だから自由にいろいろな音色を作れると思っています。

パッシヴでもすごく多彩な音色を出せる

― 今回の撮影で使用したPlayer Plus Meteoraシリーズの印象を聞かせてください。

秋澤 Player Plus Active Meteora Bassはネックがすごく持ちやすくて、ベースを始めたばかりの人も弾きやすいと思います。ボディはけっこう大きく見えるのですが、思ったより軽いですね。そして、フェンダーベースの特徴でもある、良い意味で弾き手に任せる感じの音ですね。見た目に反してクセは強くないし、ハイポジションもすごく押さえやすいです。あと、電池が18ボルトなので出力がけっこう大きいんです。パッシヴとアクティヴの切り替えで音が全然違うので、1本で2役…3役くらいできるのかなって。しかも、めちゃくちゃ弾きやすい。

― 見た目のハードさに比べて、実は柔軟な機能性だと?

秋澤 そうですね。変わったシェイプだと思ったんですけど、ボディが体にフィットするのですごく馴染む。アクティヴじゃなくて、パッシヴでもすごく多彩な音色を出せるので、初心者の人でも全然いける気がします。

Player Plus Meteora HHはいかがでしたか?

石原 トレモロアームが付いているギターは持っていないんですよ。さっき弾いてみて、アームを使うとセッティング次第ですけど最大7音とかまで音程が変わるんです、上と下で。そういう面でも面白い楽器だなって。自分が使っているテレキャスよりは太めのネックなんですけど、握りやすい。指板が真っ直ぐで、弧を描いていないのも特徴ですね。あと、俺が初心者だったらマジで買うなっていうポイントが、マスターボリュームのS-1スイッチです。ハムバッカーが2基なんですけど、S-1スイッチを押すとシングルコイルのトーンに変わるんです。しかも、トーンコントロールはリアとフロントのそれぞれに付いているから調節しやすい。ヘッドも大きい! かなりいいですね。

― 見た目はどうですか?

石原 シェイプがカッコいいです。この一本でいろいろなことができちゃう。本当に使い勝手がいいですね。俺がギター初心者だったら絶対に買うなって思います。しかも、今気づいたんですけどロックチューナーなんですね。

― 試奏でも、チューニングが狂わないってびっくりしていましたよね。

石原 そう! (試奏しながら)ほんまにいいです、このPlayer Plus Meteora HH。しかも、ロックペグの一つひとつに“F”と刻印されていて萌えますね。フェンダーのロゴって、すげぇカッコいいじゃないですか。夢のロゴですよ。そういう細かいデザインも楽しめます。

› 後編に続く(近日公開予定)


Saucy Dog

2013年結成。メンバーは、石原慎也(Vo,Gt)、秋澤和貴(Ba)、せとゆいか(Dr,Cho)。メンバーチェンジを経て2016年度 MASH A&RのオーディションでGP受賞。2017年5月、初の全国流通作品である1stミニアルバム『カントリーロード』をリリース。代表曲「いつか」の MVは再生回数5,000万回を突破、さらにストリーミング回数は1億回を突破。2018年6月、初のワンマンツアー〈one-one tour2018〉を開催。追加公演を含む全国11箇所が即日ソールドアウト。2019年4月、大阪城音楽堂・日比谷野外音楽堂にてワンマンライブ〈YAON de WAOOON〉を開催。同年12月、初の映像作品『LIVE DVD & Blu-ray「YAON de WAOOON」2019.4.30 日比谷野外音楽堂』を発売。2021年2月、初の日本武道館公演〈Saucy Dog one-man live “send for you”〉を開催。同年8月5thミニアルバム『レイジーサンデー』と、日本武道館ワンマン公演のライブ映像作品を同時リリース。「レイジーサンデー」収録曲「シンデレラボーイ」のMVは公開から約7ヶ月で3000万回再生を突破、ストリーミング回数も1億回を突破。秋には初のホールツアーとなる〈Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドッグラン!!”今度こそ、はじめてのホールツアー!”〉を開催。
2022年6月、初の東名阪アリーナツアーを日本武道館2days、名古屋ガイシホール、大阪城ホールにて開催が決定している。
https://saucydog.jp

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