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Cover Artist | Saucy Dog -後編-

一つひとつ着実に進めば、いつかは大きな舞台に立てると思っていました

聴き手の脳裏にさまざまな景色を刻む純朴なメロディ、温かいサウンドと歌声で着実にリスナーを拡大してきた3ピースバンドのSaucy Dog。6月には日本武道館2daysを含むアリーナツアーを控える彼らが、FenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー後編では、ビギナーへのアドバイスを中心に、日本武道館公演に向けての意気込みも聞いた。

“何でだろう?”って考えるのが面白い

― 新年度が始まり、楽器やバンドを始める人も多い時期ですが、楽器選びのポイントをアドバイスするとしたら?

石原慎也(以下:石原) 自分の感覚を信じて選ぶことと、試奏する時は他人の目を気にしちゃダメ!

― 他人の目のプレッシャーに負けがちですよね。

石原 気にしないこと! 俺も速弾きとか弾けないですから(笑)。自分が好きな楽器を買うことです。見た目だけでもいいから。あまり安いモデルは買わないほうがいいです。目安としては…5万円以上するものを買ったほうがいいんじゃないかな。

― 確かに、より大事にしようと思いますし。

石原 親に相談してみたら辞められない感じになるので、例えば親にお金を貸してもらうとか。辞めないための理由を先に作る!

せとゆいか(以下:せと) 何で辞める前提で話すん(笑)?

石原 俺、最初は自分のギターを持っていなかったんですよ。友達に借りていて、“そろそろ返してくれ”って言われてようやく買ったんです。しかも、自分のギターを持っていないのにギターの専門学校に行ってました(笑)。

― 軽音部に入ってバンドを組んで、それこそSaucy Dogのように日本武道館に立つ夢を持っているバンドもいると思いますが、壁にぶち当った時のアドバイスは?

せと 最初は壁が何かもわからないんですよね。演奏しても、何か気持ち良くないんだけど理由がわからないとか。今だったらすぐにわかるようなことでも、それにも気づかんから。でも“何でだろう?”って考えるのが面白いですし、体験的な気づきもあるので。

石原 人間関係で言うと、たくさん会話したほうがいいと思う。会議をたくさんしたほうが長続きすると思います。

せと そうですね。言わずにいたら爆発して終わっていたと思う。

石原 2回くらい “辞めたぁー!”みたいなのなかった?

せと 限界かもしれないっていう時はありました。

石原 だから、それを乗り越えてやっていきたいなって。俺らもちょっとずつ大人になったよね。小さなことで怒ったりしなくなった。

石原:Player Plus Meteora® HH

― ビギナーにオススメのSaucy Dogの楽曲を教えてください。

石原 バレーコードが出てこないので、ギターで言うと「いつか」が一番簡単です。楽器を始める時は、明確な目標を一つ持つといいのかもしれないですね。それは“モテたいから”でもいいし、一つ目標があると続ける理由になります。頑張ってください!

秋澤和貴(以下:秋澤) ベースも「いつか」。

石原 ベースは難しくない?

秋澤 難しいパートと簡単なパートが混じっているから、逆にいいのかなって。コード弾きは最初は手が動かないと思うんですけど、フレーズも他の曲に活かせるので「いつか」がいいかなと思います。ビギナーへのアドバイスは、好きでい続けること。楽器自体もそうですけど音楽自体も。あまり焦りすぎずに、自分のペースで楽しくやることが一番かなと思います。

せと ドラムも「いつか」かな。少し叩ける人であれば、速い曲よりもバラードのテンポのノリを出すほうが意外と難しいんじゃないかなと思い始めて。なので、速いテンポが叩ける人は「煙」かな。私が下手くそだった時に作った曲なので、みんなすぐに叩けるようになると思います。

石原 サウシーの曲を叩けるようになったら上手いと思う(笑)。ゆいかが、メンバーの中で一番上手いので。

せと 最初はマジで下手やったんで(笑)。1枚目のミニアルバム『カントリーロード』からコピーしていくと、徐々に難易度が上がるのでいいかもしれないですね。

ある意味で初めての日本武道館だと思っています

― 6月の東名阪ツアーでは日本武道館での2daysと初のアリーナ公演が決まっています。結成から6年での武道館2daysは、バンドとして描いていた夢でしたか?

石原 これを言ったら“ビッグマウスやろ”って思われるかもしれないですけれど、例えばX JAPANさんは結成時に“いつか武道館でライヴをする”と言って会場を押さえていたらしいんです。そういう方たちがいるから、“俺らもできるはず!”と思っていました。実際に武道館を押さえたことはないですけど(笑)。

せと それ、慎ちゃんだけだよ(笑)。私たち二人は“また大きなこと言ってるわ。あり得ないやろ”と言っていました(笑)。

秋澤 うん。ただ、一つひとつ着実に進めば、いつかは大きな舞台に立てると思っていました。でも、武道館はビジョンにはなかったですけどね。しかも2days、冷静に考えたらすごくラッキーでもあるし、いい環境にいるなと思います。

せと(左):Acoustasonic® Player Telecaster® | 秋澤(右):Player Plus Active Meteora Bass®

― 改めて、ツアーへの意気込みを教えてください。

せと 武道館は2021年2月にもやらせてもらったのですが、その時は緊急事態宣言中だったので入場制限があったんです。それはそれで良い思い出ができたし、すごく良い日やったんですけど、そのリベンジでもあるし、ある意味で初めての武道館だと思っています。本番の時に、“いよいよほんまの武道館がきたな”っていう気持ちになる気がしていて。

石原 余計に緊張しそうやな。

せと 2日間なんて本当にすごいことやと思うし、めちゃめちゃありがたいことなので、4日間のツアーやけど2日目、3日目という感覚じゃなくて、1本1本を大事にやれたらいいなと思っています。

秋澤 武道館に立てる時間は短いし、そもそも立てる人間も限られてるわけで、そんな伝統のある会場で新しいことにも挑戦するので、自分たちにとってもいい意味で転機になると思っています。今まで以上に、でも気張りすぎずに、自分たちのやってきたことをバシッとやれば、いいライヴができると思っています。なので、ミスのないように練習を頑張ります(笑)。

石原 改めて武道館でできるなって。前回よりも緊張しそうなのと、前回よりもたくさんの人が来てくれるってことは、単純に届けないといけない人が増えるじゃないですか。もちろん一人に対しても、一万人に対しても同じでありたい。だけど、ワンマンライヴでその会場を埋めるのが想像できないから、まずはその第一回目という感じです。アリーナでもずっとやりたいと思っているので、その新たなスタートを切るじゃないけれど、Saucy Dogとしての新しい部分を見せられたらいいなと思います。

› 前編はこちら


Saucy Dog

2013年結成。メンバーは、石原慎也(Vo,Gt)、秋澤和貴(Ba)、せとゆいか(Dr,Cho)。メンバーチェンジを経て2016年度 MASH A&RのオーディションでGP受賞。2017年5月、初の全国流通作品である1stミニアルバム『カントリーロード』をリリース。代表曲「いつか」の MVは再生回数5,000万回を突破、さらにストリーミング回数は1億回を突破。2018年6月、初のワンマンツアー〈one-one tour2018〉を開催。追加公演を含む全国11箇所が即日ソールドアウト。2019年4月、大阪城音楽堂・日比谷野外音楽堂にてワンマンライブ〈YAON de WAOOON〉を開催。同年12月、初の映像作品『LIVE DVD & Blu-ray「YAON de WAOOON」2019.4.30 日比谷野外音楽堂』を発売。2021年2月、初の日本武道館公演〈Saucy Dog one-man live “send for you”〉を開催。同年8月5thミニアルバム『レイジーサンデー』と、日本武道館ワンマン公演のライブ映像作品を同時リリース。「レイジーサンデー」収録曲「シンデレラボーイ」のMVは公開から約7ヶ月で3000万回再生を突破、ストリーミング回数も1億回を突破。秋には初のホールツアーとなる〈Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドッグラン!!”今度こそ、はじめてのホールツアー!”〉を開催。
2022年6月、初の東名阪アリーナツアーを日本武道館2days、名古屋ガイシホール、大阪城ホールにて開催が決定している。
https://saucydog.jp

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