Cover Artist | ニューヨーク -前編-

ギターと言ったらフェンダーやし、本当に幅広くて素人でも入りやすいイメージ

2019年と2020年にM-1グランプリ決勝進出、2020年と2021年にキングオブコント決勝進出など、嶋佐和也の高い演技力や屋敷裕政のテンポ感抜群の鋭いツッコミで人気を博しているお笑い芸人“ニューヨーク”がFenderNewsのCover Artistに登場! インタビュー前編では、思春期にバンド世代を過ごした二人に音楽や楽器との出会い、そしてフェンダーのイメージについて話を聞いた。

クリープハイプさんの演奏で3千人の観客の前でコードだけ弾いたんです。それがだいぶ楽しくて

──音楽に目覚めたきっかけと、ギターを始めたきっかけを教えてください。

屋敷裕政(以下:屋敷) 俺らの時代は男の子はギターに興味を持ち出して、だいたい週刊少年漫画雑誌の最後のページにビギナー用の通販セットが売っていたんですよ。中一〜中二の時、周りに誰もバンドをしてる人がおらん中、それを買ったんですよね。GLAYさんの「誘惑」の冒頭を弾こうとしたんですけど、“こんな難しいんや”と挫折。で、「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」のイントロだけ弾けるようになったんですけど、正直、一人でそれだけ弾いていても全然楽しないなと。一回ギターは辞めて、中二ぐらいの時にバンドを組んでドラムをやるようになったんですけど、それも何となく挫折して。アコギやエレアコだったら弾けるかなと思って、ゆずを弾くようになったんです。高校に入ってからは一切エレアコにも触れんようになって、ずっと埃を被ったまま青春は終わっていきました。

──嶋佐さんは?

嶋佐和也(以下:嶋佐) 僕もバンド世代で、中一の時に同級生とバンドを始めました。ギターを買う同級生が増えてきて…みんなギターばかり買うから、違う楽器をやろうと思って勢いで訳のわからんメーカーの安いベースを買っちゃって。ベースは低音で一弦ずつ弾く楽器ってことをわかっていなくて、“おもんな!失敗した!”と思ってすぐに辞めて、そこでヴォーカルをやったんですよ。あまり覚えてないんだけど、高校生くらいで安いギターを買ったのかな。ちゃんとしたギターを買ったのは大学生の時で、バンドサークルに入りたいと思って、わざわざ水道橋まで行って十万円くらいするエレキを買ったのを覚えています。

──中学生の時に組んだのはどんなバンドだったんですか?

嶋佐 当時流行っていたバンドのコピーです。みんなが好きな曲を、各々一曲ずつコピーするみたいな。アジカンとか175Rとか。

屋敷 僕はラルクやハイスタでした。思い出した。音楽雑誌『バンドやろうぜ!』に載っているバンドスコアをコピーして、ホチキスで留めてみんなに配っていた気がしますね。その時はドラムだったんですけど、“楽しい!”という感じではなく“才能ないなぁ”と思いながらやっていました。ハーモニカを吹きながらギターを弾いたり、まだゆずのコピーをしている時のほうが楽しかったですね。

──人前で弾き語りを披露しなかったんですか?

屋敷 文化祭で相方みたいな子と一緒に体育館で歌ったりしました。でも、そんなにピンときていなかった。将来これで行ったろ!とかも思わへんし、自分より上手い奴がいっぱいおったんで、よきところで辞めましたね。

──屋敷さんは高校に入って一回フェードアウトしたわけですが、そのあと楽器を再開したのはいつですか?

屋敷 コロナ禍の時ですね。テレビ番組の企画で志村けんさんが三味線でスカパラの曲を弾いて、たけしさんがタップダンスを踊るのを見て三味線ってカッコいいなと。で、津軽三味線をやったりしたんですけど、音がうるさいのであまり家で練習できひんかったり、コロナ自粛期間が終わって忙しなって触れんようになっていって。で、しばらくたってMOROHAさんのライヴに行かせてもらったらUKさんのギターがすごすぎて、“うわ!カッコいい!やりたい!”みたいな感じでアコギ買うて。MOROHAさんの曲を一曲ぐらい弾けるようになって、『ラヴィット!』(TBS系)で披露したらグダグダでもうわけわからんくなって辞めよみたいな(笑)。
それで、2023年2月にクリープハイプさんと俺らでツーマンをやらせてもらった時、クリープハイプさんの演奏で3千人ぐらいの観客の前で嶋佐がオアシスを歌って、俺が隣でコードだけ弾いたんですよ。それがだいぶ楽しくて。で、スタッフさんが俺がエレキに興味がある情報をどこかから仕入れて、じゃあ今から買いに行こうみたいな感じでYouTubeの企画で楽器屋さんに行って。人生で一度もスタジオに入ったことがなかったので、じゃあYouTubeの企画で行こうかとスタジオに行ったりして今に至る感じです。

フェンダーはまさにギター界の吉本

──クリープハイプとのステージは、今までにない気持ち良さだったんですか?

屋敷 バンドの演奏がすごすぎるのもあったかもしれないですね。あと、3千人ぐらいのお客さんがリアルやって。正直、〈ラヴィット!ロック〉で1万人ぐらいの観客の前でやった時よりもリアリティがあった。尾崎(世界観)さんに聞いたら、正直、アリーナよりも今日くらいの規模が一番気持ちいいですねって。そういうもんなんやって。楽しかったです。

嶋佐 お客さんの顔が見えるもんね。

──嶋佐さんは3千人の前で歌った感想はいかがでしたか?

嶋佐 あんなすごいプロのバンドを従えて、オアシスの生演奏をやらせてもらったのもすごく気持ち良かったですし、貴重な経験をさせてもらいました。

──緊張よりも気持ち良さが上回る感じですか?

嶋佐 そうですね。だからもっとね、ギターをちゃんとやっておけば良かったなと思いますね。

──この取材を機に(笑)。

嶋佐 確かに、もう一度ギターを弾くのはありですよね。またクリープハイプさんとやりたいですし、いろいろなアーティストとできたら最高です。僕は簡単なコードを弾くだけですけど、あの形でまたやらせてもらえたら楽しいな。

──屋敷さんはフェンダーのTelecasterを使っていますが、テレキャスを選んだ理由は?

屋敷 単純に形的にTelecasterがええなと思って買いました。Stratocasterは…初めて買った無名ブランドのギターがストラトタイプやったんで、その時のトラウマが(笑)。それこそ〈ラヴィット!ロック〉でも番組が用意してくれたストラトを弾いたんですけど、サンボマスターの山口さんに“ナイスストラト!”って言われて。最初は何のことかわからなくて、“あ、ストラトを弾いとったから言うてくれたんや”と思って(笑)。めちゃ嬉しかったですけどね。

──フェンダーはどんなイメージですか?

屋敷 原宿にどでかいFender Flagship Tokyoができた印象が一番強いです(笑)。信じられへんかったです。あのへんはよう通るんですけど衝撃でしたね。フェンダーはある意味で敷居が低いというか、ギターと言ったらフェンダーやし、本当に幅広くて素人でも入りやすいイメージがあります。

──ご購入いただいたテレキャスはいかがですか?

屋敷 めっちゃいいです。ただGLAYのTAKUROさんにサインしてもらって、バコバコ弾くのはもったいないなっていうのがあって、新しいギターが欲しいと最近思ってきたんですよ。

──嶋佐さんはフェンダーに対するイメージは?

嶋佐 ギターの中でも超大手というか、すごいメーカーだなって。まさにギター界の吉本(笑)。

屋敷 嬉しないんちゃう?

嶋佐 お笑い事務所として吉本はすごいですから。ギターをあまり知らない人でも、フェンダーは聞いたことがあるんじゃないですかね。そんなイメージです。

嶋佐:Vintera II 60s Stratocaster | 屋敷:Highway Series Parlor

>> 後編に続く(近日公開)


ニューヨーク
嶋佐和也、屋敷裕政からなるコンビ。2010年に結成。2019年と2020年にM-1グランプリ決勝進出、2020年と2021年にキングオブコントで準優勝を果たす。テレビ朝日『NEWニューヨーク』『まだアプデしてないの?』、Abema『マッドマックスTV』、TBS『ラヴィット』などに出演。2019年1月に開設したYouTubeチャンネルでは、企画動画とともに「ニューヨークのニューラジオ」が人気を博す。2023年、『リンカーン』の後継番組であるTBS『ジョンソン』へのレギュラー出演がスタート。
https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=3153

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